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第30回:オフィスのBGNレベルを減らす5つの方法

オープンプランのオフィスが社員の生産性と心身面の健全性を低下させるという様々な研究結果をお伝えしました。

開放的で明るく、社員同士がコミュニケーションの取りやすいオープンプランのオフィスを、そこで働く社員の生産性や健康面のリスクをなるべく排除しながら導入する7つの方法をソニック・アーキテクト=「音の総合建築家」の視点からご紹介します。

オフィスのBGN(Background Noise)のレベルを下げる5つの方法

1.フローリングの素材を柔らかく
木材やタイルのフローリングは美しく、カフェのようなおしゃれな感じがしますが、その場所を歩く人たちのよく響く足音をつくりだしてしまいますから、柔らかい素材や吸音・防音加工が充分に施された床材を選択しましょう。フローリングがすでに固い場合は、吸音・防音加工がされたタイルカーペットを現在のフローリングの上に敷くと良いでしょう。

2.電子機器を隔離
もちろん身近に複合機、自席に卓上プリンターがあれば便利ですが、それらの機器はBGNを発します。最新の機器では印刷時の振動音なども以前に比べ軽減されてはいますが、それでもまだオフィスのBGNの一因です。これらの電子機器は従業員の執務エリアとは仕切られた場所に設置する方が良いでしょう。

3.クワイエット・スペースを提供する
従業員が集中して仕事をするクワイエット・スペースを用意し、従業員が自らの意思でBGNから離れ作業に集中できる環境を提供すると生産性が高まります。必ずしも「スペース」でなくとも、最近では地下鉄の駅などに設置されている防音機能が備わった電話ボックスのようなキューブでも良いでしょう。

4.周りを気にせず白熱できる「ラウド・スペース」をつくる
前号でもお伝えしましたが、オープンプランのオフィスにおける従業員の最大の不満は「サウンドプライバシーの欠如」でした。開放的なオープンプランのオフィスだと、やはり自他の会話が聞き取りやすくなってしまう。であれば、「クワイエット・スペース」の逆の「ラウド・スペース」を創るのです。これにより、チームの会議や研修、活発な議論などを周りに気兼ねすることなく行うことができるようになります。もちろん、このような「ラウド・スペース」には特に高い防音性が必要ですから、既存の会議室をラウド・スペースに改築する場合は、室内の床材を遮音材・防音カーペット、壁面には吸音材・遮音材の防音パネルなどを設置しましょう。

5.吸音パネルを設置する
音響壁パネルや音響天井パネルと呼ばれる音を吸収するために特別に設計された吸音パネルの設置も費用対効果の高い対策でしょう。中にはデザイン性の高いものもあります。もしコスト面で導入が難しいということでしたら、柔らかい素材でできたデザイン性の高いタペストリーなどを壁面に吊るすことで素敵な空間がBGNレベル低く実現できます。

どうでしょうか。本日ご紹介した事例の中には、みなさんの働いているオフィスでもすでに打たれている対策も多くあるのではないでしょうか。

次号では、「オフィスの意外なBGNバスター特別編」をお送りいたします。


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