見出し画像

さいたま市議選2023分析【大宮地域4選挙区】

4月9日投開票のさいたま市議会議員選挙の構図と情勢について整理していきます。今回は大宮地域の4選挙区のみ取り上げます。
情勢に関しては、世論調査等に基づくものではなく、過去の選挙結果と現在の党勢からの考察ですのでご注意ください。

これまでの4年間で大宮地域の議員は、自民党・立憲民主党・公明党の会派に所属する議員が市長提案に概ね賛同(市政与党)、共産党の議員及び無所属の議員が市長提案に反対することがある(市政野党)という状況でした。これを踏まえ、各選挙区の状況を見ていきます。

西区(定数4)

前回:自公自立(共維無)

いながわ さとみ 自民・現・64
大塚 たけひで 共産・新・48
金井 やすひろ 自民・現・50
上三信 あきら 公明・現・64
出雲 けいこ 立憲・現・41

現職4人と共産の候補者が出馬している選挙区で、現職は全員が市長を応援する立場です。
前回から立候補者が2名減りましたが、落選者の得票を全て合計しても最下位当選者の得票に届かないこと、共産を忌避する層がいることなどから、現職全員の当選がかなり有力と見られます。

北区(定数7)

前回:無自公自立立共(維幸無)

いけだ 誠 参政・新・46
はっとり 光紀 無所属・新・40
あいかわ あやか 立憲・新・37
関 ひろみ 公明・現・59
堀川 友良 維新・新・25
永井 りな 立憲・新・30
片倉 淳平 さいたま未来・新・48
かんだ 真一 共産・新・36
川崎 てるまさ 自民・現・65
ちの 昌文 無所属・新・46
伊藤 まなぶ 自民・現・40
吉田 一郎 無所属・現・59

大宮地域で最も予測の難しい選挙区です。
現職とその後継候補7人にその他の新人5人が挑む構図です。
候補者の入れ替わりも激しく、立憲の2人共産1人は現職の後継候補としての出馬です。
現職候補と市政との距離ですが、立憲公明及び自民党の川崎候補は市長を応援する立場であり、自民党の伊藤候補は川崎候補とは別の会派に所属するものの大半の市長提案に賛同してきました。無所属の吉田候補と共産党の神田議員は市長提案への反対を多くしてきました。
前回の当選ラインの票数が少なかったことから新人候補が大量に参戦しましたが、無党派層や政治不満層の票は多くが前回トップ当選の吉田候補に流れると見られ、後継候補以外の新人が埋没せずに当選することは簡単ではないはずです。
泡沫候補出身ながら抜群の人気を誇る吉田候補、無党派以外の固い支持票を持つ自民の2人と公明の現職、併せて4人が優位に進めると考えられます。
立憲が2人とも当選するためには票を偏りなく配分する必要があり、難易度は高いです。前回最下位当選の共産は、現職議員の引退に伴う候補者の入れ替わり(世襲)、支持層の高齢化に伴う得票減という不安要素があり、他の候補の得票次第では落選の可能性があります。
維新は前回とは候補者が変わり、25歳の地元出身エリートという候補者選定、拡大した党勢を背景にどこまで得票を伸ばせるかに掛かっています。前回参議院選挙で維新は8000票以上を獲得しており可能性はありますが、無党派層の票が多く含まれていると見られるため得票は読みにくいです。
このあたりで残る3議席を奪い合うのではないでしょうか。
参政党やさいたま未来、無所属の候補が当選した場合は番狂わせではありますが、当選ラインは3000票弱程度と思われ、不可能ではありません。

大宮区(定数5)

前回:立自自公立(共無)

渋谷 よしたか 自民・現・50
新藤 信夫 自民・現・72
佐伯 かずみ 立憲・現・64
山本 ゆう子 共産・新・70
服部 つよし 公明・現・45
西山 さちよ 立憲・現・63

いずれも前回出馬した現職5人と共産党の新人が立候補している選挙区です。
前回との違いは、前回出馬者の死去に伴い北区の吉田一郎候補に近い関係の候補者の出馬が無いことです。
現職5議員が全員市長を応援する立場で任期を過ごしてきた点は気になるところですが、市長の政策に疑問を持つ無党派層の受け皿がないため、現職が優勢に選挙戦を進めているものと考えられます。

見沼区(定数8)

前回:立自公公立自自共(自共無)

かわの 正弘 無所属・新・45
とば めぐみ 共産・現・63
石井 あつし 維新・新・34
佐々木 さとみ 立憲・新・49
小森谷 まさる 公明・現・64
さいとう 健一 公明・現・60
三神 たかし 立憲・現・42
たかこ 景 自民・現・35
つるさき 敏康 自民・現・73
中山 きんや 無所属・現・64

前回選挙では自民・共産が党勢拡大のために候補者を前々回獲得議席よりも1人多く出したものの、追加で議席を獲得できず、またその見込みもなかったため、今回の選挙では現職が立候補するのみとなっています。
無所属候補ではかわの候補は北区の吉田候補と関係の深い候補、中山候補はこれまで自民の議員として活動してきた候補です。
前回参議院選挙で維新が8000票以上を獲得した選挙区であり、投票率の差や候補者の違い等を考える必要はありますが、当選の可能性がある選挙区です。党としても現職国会議員の応援演説を行うなど力を入れています。
現職とその後継候補の中では、前回選挙で自民組最下位当選で今回は自民公認を得ていない中山候補、前回トップ当選の武田議員の後継として出馬した新人の佐々木候補が厳しい選挙戦を送っているものと考えられます。
ただし、中山候補にも自民票の割り振りがあった場合や佐々木候補に立憲票が手厚く配分されていた場合は、共産党も候補者を1人に絞っていることから、立憲や自民の現職も含め大混戦となります。
かわの候補は北区の吉田候補とのツーショット看板を作成するなど、吉田人気に乗っての当選を狙いますが、これまでの得票数を踏まえると当選はかなり厳しいと考えられます。

以上、大宮地区4選挙区のさいたま市議会議員選挙分析でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?