サガン鳥栖対名古屋グランパス_1

鳥栖対名古屋 レポート ~まだまだ発展途上の鳥栖。攻守においての大きな課題~ [J1リーグ2019 第1節]

いよいよJリーグが開幕しました。今回は、開幕節からサガン鳥栖対名古屋グランパスの試合を、分析の時のように2回は見ていないので、分析ほど深くはありませんが、レポートします。今シーズンからクライフ政権時のバルセロナでもプレーしたカレーラス監督が就任し、ボールを保持して主体的にプレーするサッカーを目指すサガン鳥栖と、風間政権3年目の鳥栖同様豊富なタレントを擁する名古屋グランパスの一戦です。

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スターティングメンバー

鳥栖の方はバルセロナでもプレー経験のある新加入・クエンカはベンチ入りしておらず、金崎&トーレスの2トップの5-3-2。名古屋は川崎からレンタルで加入の赤崎がジョーとコンビを組みます。そして、昨シーズンまで鳥栖でプレーした吉田が先発。

鳥栖・攻撃 名古屋・守備

鳥栖の攻撃時のマッチアップは上図の通りです。

まず名古屋は、片方のSHが出て、2トップと共に相手3CBに対して3対3でプレッシングを行います。しかし、

両方のSHが出てしまい、3CBに対して4人で行くことになるシーンが結構ありました。そうすると、2トップの一角が何もタスクを与えられず、余ってしまい、後方で7対6の数的不利が生じていました。なので、3バックの相手に対してのプレッシングのメカニズムを明確にしなければなりません。次節対戦するセレッソは、開幕戦では3バックを採用していたので、次節も3バックで来るかもしれません。早急な修正が求められます。

続いて鳥栖の攻撃でのプレーについて。ボールを相手より長く支配し、主体的にプレーを行う、いわゆる「ポゼッションサッカー」をするには、受け手のポジショニング、出し手のスペース、フリーの見方を見つける、正確にパスを通す能力が重要です。しかし、この試合の鳥栖は、上図のようにハーフスペース(でない場合もあります)に選手がポジショニングしていて、縦パスを受ければ味方とのコンビ―ネーションで打開を狙える状況にあっても、ボール保持者がパスを出さない、その逆でボール保持者がパスを出せても、スペースに受け手がポジショニングしていない、というシーンが多く見られました。

鳥栖・守備 名古屋・攻撃

続いて名古屋の攻撃に移ります。

名古屋はWB-CB間にSHがポジショニングし、SBが高い位置を取って幅を取ります。そして、SHとCFが頻繁にポジションチェンジしていました。鳥栖の守備は、5-3-2で、フィールドプレイヤー10人全員が自陣に収まって構えます。そして、2トップ(第一プレッシャーライン(FWライン))は、全く名古屋のDFラインのビルドアップに対してプレッシングを行いません。それによって、失点にも繋がったある問題が生じていました。

その問題とは、3センター前でボールを持たれたときにプレッシャーをかけれていなかったことです。それによってライン間、ライン間のハーフスペースに余裕を持ってパスを出され、崩されるシーンが多くあり、Jリーグの公式が出しているハイライトを見てもらえれば分かりますが、鳥栖の1失点目と3失点目は、この3センター前のスペースでフリーでボールを持たれ、1失点目は丸山からライン間のジョーへ入り、ジョーがターンして左足でシュートを決めました。3失点目は、シミッチがノールックで相馬にスルーパスを通し、相馬がニア天井を打ち抜いて決めました。

では、先ほど書いた2トップがプレッシング、次のプレーの限定を行なわないことと、3センター前のスペースで持たれたときにプレッシャーをかけれていないことはなぜ関係しているのでしょうか。それは、僕は第一プレッシャーラインからプレッシング、次のプレーの方向、選択肢が限定できていないと、後ろ(第二プレッシャーライン(MFライン)、第三プレッシャーライン(DFライン))が連動して、狙いが定まったアグレッシブではっきりとした守備ができないから、と考えています。なぜなら、第一プレッシャーラインから次のプレーを限定する事ができていれば、後ろは次のプレーの方向、選択肢を予測することができ、迷いなく連動して守備をする事ができます。しかし、第一プレッシャーラインからの限定ができていないと、後ろは次のプレーの方向、選択肢を絞れておらず、予測することが難しい。なので、いつ出てプレッシャーをかけるのか、という部分に迷いが生じますし、アグレッシブに守備をすることができません。極端かも知れませんが、僕は、第一プレッシャーラインから連動できていないときの後ろの守備は、予測不可能の中での守備だと思います。

総括

鳥栖の課題は、

1. 縦パスを受けて崩せるポジションに選手が立っていてもボール保持者がパスを出さない&その逆のボール保持者がパスを出せてもスペースに受け手がポジショニングしていないシーンが多い。

2. 第一プレッシャーラインが全くプレッシングを行っておらず、後ろが連動した守備ができず、3センター前のスペースで持たれたときにプレッシャーをかけれていない。

名古屋は、風間政権3年目で、熟成された選手同士のコンビネーションがあり、G・シャビエル、ジョー、シミッチという外国人の選手の個のレベルの高さもあり、とても強力な攻撃を見せました。シミッチは、2月に加入した選手ですが、1、3点目のアシストのように、何度も創造性のあるパスでチャンスを演出していました。しかし、相手の3バックでのビルドアップに対して、片方のSHだけが出て3対3でプレッシングを行うシーンもありましたが、両方のSHが出てしまって3対4でプレッシングするシーンも多くみられたので、そこは課題です。

最後にもう一度書かせていただきます。もしこの記事を気に入っていただけたら、このnoteのフォロー、SNSなどでの拡散をぜひよろしくお願い致します。皆さんで日本サッカー界をもっと盛り上げ、レベルアップさせましょう!




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