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株価はランダムウォークするということについて

投資に関する有名な本で、「ウォール街のランダム・ウォーカー」
があります。
この本では、日々の株価はランダムに動いており短期的に予測するのは不可能であると述べられています。
そこで、本当に株式がランダムウォークしているのか、私がメインに投資している投資信託である、楽天・全米株式インデックスファンドの基準価額の日々の変動について調べてみました。


評価方法

前日の基準価額を基準にして、当日の基準価額が何%変化したかを調べました。
これを式で表してみます。
t日目の基準価額をP(t)、t-1日目の基準価額をP(t-1)とすると、
P(t)/P(t-1)×100[%]・・・・・・・・・・・・(1)
で計算しました。
この式で計算された値を日々の変動率とします。
対象とした日は、投資信託を購入しはじめた2019年9月4日を起点に2023年9月29日までとしました。

結果

はじめに、基準価額の変動を示します。


途中、コロナショックの影響で落ちたり、2022年は横ばいで変動が大きいですが、わりときれいに右肩上がりのグラフになっているのではないかと思います。
次に、式(1)で示した計算した結果の時系列グラフを示します。




コロナショックで日々±10%ほど変動していた期間もありますが、ほとんど±5%以内で収まっています。
また、基準価額は長期的に上昇しているにも関わらず、日々の変動でみると割とマイナスに変動していることも多く、ランダムに変動していることがわかります。
これがいわゆるランダムウォークしているということだと思います。
また、上のグラフをヒストグラムにしてみます。
その図を下に示します。



横軸が日々の変動率で、縦軸はその範囲に日々の変動率が入る確率を表しています。
ヒストグラムの全ての面積をたすと1になるように正規化してあります。
ヒストグラムを見ると、ひと山の正規分布に近い形をしていることがわかります。(正規分布と比べるとやや尖っており、厳密には正規分布ではありませんでした。)
また、日々の変動率が0.5%~1.5%に入る確率が最も高く33%ほどであると分かります。
ヒストグラムを見ても、プラスばかりではなくマイナス方向にもわりとよく変動していることが分かります。
対象期間中、変動率がプラスとマイナスになった割合をみると、プラスが55%、マイナスが45%程度で、ややプラスが高いものの、マイナスにふれる割合も高いことが分かりました。

平均値は0.09%、標準偏差(しばしば投資のリスクと表現される)は1.56%でした。
データの約68%が含まれる区間が平均値±1標準偏差、データの約95%が含まれる区間が平均値±2標準偏差と言われます。
よって、日々の変動率は95%の確率で、-3.03%から3.21%に入ることが分かります。
コロナショックのような暴落は非常に稀な確率ではあるものの、±4%の変動もかなり起こる確率は低いのは驚きでした。

まとめ


長期的には上昇している株式のインデックス投資でも、日々の変動はランダムに変動していることがわかりました。
基準価額が上昇するのか下落するのかを正確に予想するのは困難であることがわかりました。
日々の基準価額が上昇したり下落して一喜一憂しがちですが、上昇も下落もほぼ同じ確率で起こるのならば、日々の基準価額を気にしすぎないほうがいいのではと思います。
今回の記事が何らかの参考になれば幸いです。

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