ビジネスの季節感を作るのは管理職だ

四月である。営業を28年もやってると毎年年末くらいから数字が足りないだなんだという話がある。ひょっとすると間違いないと思われていた予定案件がとれなかったりすると慌てることこのうえない。また「今年は予定通りだぜ、へへへ」とか思ってると「他部署の数字が足りないからもうちょっと積んでくれ」とかいうとばっちりが斜め上の方から来てなんだかんだとバタバタするのが3月である。そして4月1日になるとゼロクリア。なんとまあ365日積み重ねてきたことが予算達成してハナマルもらった彼も未達成の彼もいちからやり直し。生まれ変わる日が来る。

未達成の彼は「生まれ変わってよかったね」なんだけど達成した社員は「なんだよ、またイチからかよ」となる。まあ6月あたりの昇給査定に響くってことはさておき、達成した人間ほど、なんだかがっかりする。予算達成が続いていた私が言うのだから間違いない(てへぺろ)。だから「季節感が大事だよ」とマネージャ連中にはずっと言ってた。

3月31日と4月1日はなにも変わらない。そして仕事を達成した人間だけががっかりしてやる気をなくす。こんなおかしな話はない。だから3月31日はみんなを集めて感謝の言葉を言うべき。頑張った人をみんなの前でほめましょう。お金は会社が出すもの。えてして昇給やボーナスは当然と受け取られがちだし、それどころか「え?これだけかよ」と思われる場合が往々にしてある。(これについてはまた別の項で書きたいと思う)だから「言葉」で皆の前で労う。マネージャの特権は「ほめる言葉に価値がある」ということ。主任にほめられるより課長にほめられたほうが嬉しい。課長より部長のほうが嬉しいもんだ。

そして頑張ったんだけど結果が出なかった人もはげます。ほめるのも励ましも毎日できればいいんだけど忙しいからなかなかできない。これを期末という節目でやる。そしてこれは絶対に延期しない。期末の最後の日に出張なんか入れてはいけない。平板な日々に季節感を作り出すことで仕事のリズムを作る。部長はドラム、課長はベース。正確なリズムを刻むから部下のギターやピアノは安心して演奏できる。僕たちはメロディ楽器や歌手より目だってはいけない。そう考えると理解してもらえると思う。

ライブ演奏のエンディング、最後の音は必ずドラムだから。

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