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完全食は完璧な食事か?

AbemaTVのCMで完全食の話が出てきて、それがあまりにも違和感があったので、思ったことを少し書きたい。

完全食の経験者として

僕もAbemaTVの番組自体を観ているわけではなくて、後ほど以下の記事を一読して思ったことを書こうと思う。

気になった方は、以下の記事をご一読いただくとして……。

さて、僕自身も完全食と名のついたものをいくつか試してみては、中でも二つほどは数週間ほどメインの食事にしていた期間もあって、それなりに思うこともあったりする。

まず、完全食は総じて手軽に食事を取ることに適していて(日清の「完全メシ」関係はそこまで手軽でもないと思うが)、中には準備要らずでそのまま飲むだけのRTD(Ready To Drinkの略で「すぐ飲める」ように缶に入ってるもののこと)タイプもあるので、粉末を水やミルクと混ぜる手間もないので、本当に手軽に栄養補給ができ、そこそこお腹に溜まるのも事実だけれど、腹持ちに関しては個人差があるし、僕の場合は長期間利用していると食事に物足りなさを感じるようになった。

味に関しても、基本的に塩味が足りないので、食事の感じがなく、どちらかというとデザートや間食のような感じに思えてしまう。

コンビニで売ってる「BASE BREAD」なんかも、甘みのある菓子パンみたいな感じだから、間食的なイメージになってしまうかなぁ……。

効率はいいんだけど満足度は足りない。

それが僕の「完全食」へのイメージだ。

食事は栄養補給だけが目的か?

上でも書いたように、確かに効率的には優れているのだ。

基本的に粉末を溶いて液体状にするものが多いので、作業しがてら空腹を満たすことができる。

まあ、この辺はコンビニのおにぎりやパン、ファストフードなどでも同じかもしれないけれど、わざわざ買いに行かなくても、完全食の粉末と水とシェイカーがあれば数十秒で完成して、同じくらいで食事も終わるのは、他に類を見ないメニューだろう。

ただ、問題なのは「咀嚼できない」ことだろう。

僕の経験でしかないのだけれど、人間の食事には「咀嚼」がとても重要に思える。

ある程度の歯応えのあるもの、ある程度噛んで食べるものでないと、食事の満足度が低くなってしまうのだ。

この辺が液体状の完全食のデメリットで、今後の改善ポイントになってくるのだろう。

ただ、満足度に重きを置きすぎると、今度は食事に時間がかかってしまう。

それでは意味がなくなってしまうので、なかなか難しい課題になるだろう。

記事の中では「基本的にいくらでうんこを買っているか」や「食事で最終的にアウトプットされるのは便」なんて極論が書かれているけど、食事によってつながる縁もあれば、人生が豊かになることもある。

美味しいものを食べることによって、心も満たされることがあるわけだ。

食事とは、肉体の栄養補給だけではなくて、心の養分でもあるし、人生の糧でもある。

だから、そんなに食事を軽んじてはいけないのではないかと思うし、食べられるならいろんなものを、より美味しく食べたらしたいなぁ、なんてことを僕は考えてしまう。

「お前がそう思うなら」案件なのか

食事にコスパを求めるのって、ある部分様々なことを犠牲にしている過程なんだと思う。

何故なら、食事を取る時間自体は確かに無駄かもしれないけれど、その時間すら無駄にできないほど余裕がない状況というのは、ある意味異常だと言えるからだ。

咀嚼する暇もなくて、蛇のように食事を飲みこんでいたら、口の中で移り変わる味わいに気がつくこともないだろうし、口内調味の面白さも知らずに生きていくことになってしまう。

豚骨系のラーメンを食べる時に海苔をスープの中に潜らせて、スープの染み込んだ海苔を別途注文した白飯と一緒に食べた時のハーモニーを知らずに生きていくなんて、僕には考えられない……。

それはなんだか、とてもとてももったいないなと、僕は思ってしまうのだ。

「そう思っているのはお前だけだ」って、彼らは思うことだろう。

でも、僕も彼らに「そう思っているのはお前だけだ」って思ってしまっている。

栄養面では完全な食であっても、食事としては完璧ではない。

だからこそ、忙しい時だけの相棒に留めておいた方がいいなって僕は思うわけだ。

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