時給2,500円のラーメン店

「働き手がいない」と聞こえる飲食業界。
今に始まった事でなく、「銀座キャンドル」を閉店した2014年時点で、既にとんでもない事になっていた。
本格的に募集に効果が無くなってきたのは2011年頃だろうか。
それまでは大なり小なり募集すれば、腕の良し悪しを抜きにしても若干名の応募はあった。2012年にはかなりの額を求人にかけたが、ただお金が出て行くだけで終わった。

打つ手無し。

じゃあどうするのか?飲食店の環境改善をするのか?そんな一気に改善など出来るものではない。結論から言ってしまえば、そもそものビジネスモデルの構造を見直さない限りは、解決出来ない。
ちょっと考えればわかるが、ランチとディナーの営業をしている場合、一般的には11:30には開店するだろう。開店前の清掃、仕込みを考えると10:00~10:30には出勤。そこからランチをこなして14:30にラストオーダーで15:00には一旦閉店。18時にはディナーが始まるので、その準備と食事、休憩をとって、いざ18:00になり、19時位にはピークタイムが始まる。
10時からシフトインし、19時にディナーピークという事は、休憩1時間挟んでもピークど真ん中に8時間が経過する。その時間に帰れる職人などいないだろう。つまり、これ無理ゲー。

では二交代?となると、これもこれでなかなか難しい。朝8時に出勤して夕方4時から遅番が来て終電くらいに帰る。
何が難しいって、早遅で分ける事で人件費が二倍になる。
これだけ人件費をかけられるビジネスモデルは、職人ビジネスではまず無い。

発想の転換をする

募集採用費は膨らむ一方。
募集採用費をがっつりかけても、ロクでもない人間が面接に来る事も多い。
いや、それどころかまるで来ない事が多い。
なので、根本的に考え方を変える。
もちろん、大手には大手のやり方があるのだが、俺が今手掛けているのは「個人事業」レベルなので、戦い方を変える。
イニシャルコスト、ランニングコストを抑え、BEPをグッと下げ、募集採用費をかけない。勝てるモデルではなく、負けないモデル。

どこもやらないレベルまで人件費を上げる事

ラーメン店で時給2,500円なんて、まずない。というか、普通の飲食店ではまず無い。だから意味がある。
一人で店を運営して貰えるレベルまでシッカリと取り組んでもらう。
そのレベルなら時給2,500円でも良い。
募集採用費に数万円〜数十万を毎月かけるなら、その分人件費に反映させれば良い。今手掛けている店はこれを実践中だ。


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