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父の話 13(最終回)

さて、父の話

『最終回』

です(笑)

やはりこのコロナが人の体はもちろん、
精神にもたらす影響は計り知れず
直接コロナに感染しなくても
どんどん人の心を蝕んで行くのだと思います。

逢えないもどかしさはきっと
こちらが感じている何十倍も
父、そして同じ立場の方々は
募らせておられると思います。

オンライン面会
見るたびに画面越しからでもわかる変化。

そんな中、

当然、ボクが行っても
目すらなかなか開けてくれません(笑)

でも、

まだ弟から送られてくる
笑顔の父の画像が少しばかりの安心材料でした。

ですが、今年に入り
弟の画像からも笑顔が無くなり…。

そこからはあっという間でした。

その辺の細かい想いとかを書き出すと
このblogらしくなくなるので(笑)
そこからは一気に割愛させていただきます(笑)

父の誕生日の4月8日には届かなかったものの
桜満開!今年一番のピーク!
と言っても過言ではない
3月26日を選んだ父。
桜を愛した
父らしい最期だったのだろうと思います🌸

それからはバタバタと
仕事といろいろな準備に追われました。

その中で、弟と

『親父さんの遺影はどれにするか』

で相談していた時の事…。


『兄ちゃん、画像ある?』


『ああ、いっぱいあるよ!

     デイの時とか沢山撮ったし!』


『それなら、良いの何枚か送って

         ボクのも見てみるけど』


『うん、わかった!探すわ!』


…、


この時はすっかり忘れていたのです…。


かなり沢山の画像を持っているし、
画質も含めて良いの何枚か候補を出そう。
そう思って過去の画像を調べてみました。


すると、案の定…。

笑ってるのはおろか、
微笑んでる画像すら無い!!!(笑)

まぁ程々のはあったにせよ、
あまり乗り気じゃない感じの表情ばかり…。
遺影にするには程遠い…。


ここまで無いか?!


と、思う程ありません。
仕方ないので弟に


『ごめん、これだけあったら

    何枚かあると思ったけど無いわ…。』


そう言うと


『そうかぁ、ボクもあまり良いの無いけど…、』


と見せてもらった画像が
ほとんど全開で笑ってるやん!(笑)💦

しかもほぼ全部と言って良いほど😅

その中でも選べなかったとは…。
自分との基準が違い過ぎる!

まさかここまで違うとは!(笑)


母は生前から遺影には絶対コレ!


と言う写真のリクエストがあったので
楽だったんですが…。


結局相談の結果決まったのは
どちらの携帯にも無かった写真、
になったんですけとね(笑)


それをスタッフの方にお渡しして
遺影写真を作っていただきました。

そしてそして、

通夜、告別式も無事終わり、
親父さんと弟と三人で
自宅まで歩いて帰りました。

弟と少し話して
そろそろ帰るか、と
親父さんに挨拶をしようと
お線香をあげて
手を合わせ、ふと、
親父の写真に目をやりました。

あまりにもバタバタだった一週間。
気持ちも急いていて
見ているようで見ていなかったんでしょうね。

改めて見る写真の中で…、


とても良い笑顔の親父さんが
こっちを向いて自分に微笑みかけています。


それを見た瞬間、
今まで冷静だった自分が嘘みたいに
とんでもないくらい涙が溢れてきました。

父が亡くなった事実はもちろんですし
両親が居なくなってしまったのもそうですが、
それだけでは無い、
何か、

全ての点が一気に自分の中で繋がった
みたいな感覚。

写真の中の親父さんの笑顔は
とても優しく、
包み込むようで
深い愛情に満ちている。

そうか…、
なんだかんだ言っても


自分はこんな歳にもなって
この笑顔が自分に向けられる事を
欲していたんだな。


いろいろ迷惑かけて
心配かけて
それでも自分勝手に生きてきたのに。


この笑顔が欲しくて欲しくて
たまらなかったんだな。


そう気付いたんです。


今までの事を思えば
親父さんだって生きてる内は
さすがにこの笑顔は向け難いだろう。

そりゃそうだ。

それでも、
言っても聞かないのはわかってても
しっかり助言をくれ
でも所詮は逆らうように進んで行くのを
歯痒い想いで見守り、
結局、ほら見た事か!となるのを
タイミングを見計らって手を差し伸べてくれる。

幼い頃からそんな事の繰り返し。

労力も時間もお金も費やしてくれた。
そしてもちろん愛情も。


それだけで充分過ぎる程なのに
それでもまだこの笑顔まで欲する自分は
何て欲どうしいんだろう。


なんやかんやネタにしながらも
弟を羨ましく思っていたんだろうなぁ。


今考えれば

きっとこのバカ長男に手が掛かり過ぎて
その分手を掛けられなかった弟に
残りの人生の全ての手間を
費やしてやりたかったんだろうなぁ。


実は亡くなる2日前、最後の最後に
親父さんに少しだけ直接逢う事が出来たんです。

体調も優れず、
項垂れて苦しそうに息をする父。
弟とボクが目の前にいる事すら
気付いているのかわからないくらい。

弟が、

『お父さん』

と声を掛けても
返答しない。


それを見かねて


『お父さん!

     ひさしが来てるで!』


と喝を入れると、突然!

目を見開いてムクッと体を起こし
弟を目で追うような仕種を見せて
すぐに力尽き、また項垂れてしまいました。

まさかそれが最後になるとは思わなかったけど、
親父さんの最後の最後の渾身の

『手間と愛情』

を、感じました。

こんなになっても
父親を全うしようとする。

親って本当に凄いな。


当たり前だけど、
親の前ではいくつになっても子供だし
しかもいつまでたっても

あかんたれ

やなぁ(笑)


今となっては
あの不貞腐れ顔が見れないのも
寂しいけど(笑)
感じたかったものに気付く事が出来た。

また今度はお袋さんの誕生日には
その笑顔を見に行くわ!

その時はひさしおってもおらんくても
しはらく付き合ってな!(笑)

でもまぁ、これまでずっと
心の中では自分にもその笑顔を
向けてくれてた事がわかったから

ひさしが早番やったら
すぐ帰るから安心して(笑)

そやけど
ひさしももう大人やし(笑)
大丈夫やから心配せんと
迷わずお母さんとこ行ってな!

ありがとう!

そして、
こんな話しにお付き合いいただき
ありがとうございました!😊

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