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台所を思い通りに使ってもらう事を手放した事により手に入れたもの

お皿の割れる音がした。


あ、お皿落としたな。
私は布団から出て台所を覗く。

3番目の中1男子が割れたお皿を拾っていた。

大丈夫だよ。ビックリしたね。
怪我しなかった?

私は彼にそういうと一緒にお皿を拾った。

日曜日の朝5時半。
息子は私にチャーハンを作ってくれていた。
ここのところ毎週末仕事三昧。
料理好きな息子が私を元気付けようと、朝からチャーハンを作ってくれているところだった。


小さなお皿だったから
あっという間に片付いた。

そして彼は料理に戻った。


遠くからニヤニヤしながら眺める私に向かって、中指を突き立てる。

これは、照れ隠し。


そんな彼を見ながら、
私は一昔前の自分を思い出していた。


お皿なんか割れようなものなら

何やってんのよ!!
もう!やめてよ!
って金切り声を出していた自分。

炒め物をしていてちょっとでも鍋から食べ物がこぼれ落ちたら
ちょっと!ちゃんと見てよ!
もっと丁寧にしなきゃダメよ!
ってさらに金切り声の自分。

計量カップで材料測っているとき
ちょっとでも多くなってしまったら
あぁ!ちょっと!
違う!
なんて叫んでいた自分。

今書いただけでも気分悪くなる。
ホント、ひどかった。私。


子供達、暗い顔して料理してたな。


それが
子供達が不安定になったことがきっかけとなり
過去のそんな自分を心から反省して生まれ変わった私の今は。


お皿?
形あるものはいつか壊れるのよ。

あ、こぼれたのね。
こぼれたものは拭けばよいだけの事よ。

量はあってるに越したことないけど
なんとかなるから大丈夫。


台所はお好きに使ってね。
あるものは好きに使ってよいからね。


聞きたいことがあったら何でもいってね。


そんな私の変化に
いつまた豹変するんだ?
って

疑いながら料理していた子供達

でも、私は元に戻らなかった。

そして安心したのか、のびのび台所を使うようになった彼等は

こんなすごいものを作れるようになりました。


小6女子作


小6女子作


小6女子作
中1男子作
小6女子作
小6女子がパン。中1男子がハンバーグ
高3女子作
中3男子作
中1男子作

これらの料理。
私は全く口出し手出しせず。
私が寝てる間やいない間に作ってました。

私が自分の思う通りに台所を使わせたり
小言を沢山浴びせていたら
間違いなくこの料理には会えなかっただろうな。


嬉しいのは必ず私に振る舞ってくれるところ。

ホント美味しいのです。


そんな回想をしている間に
中1男子がチャーハンを作り終えました。

ご飯を卵でコーティング。パラパラチャーハン

朝から幸せになります。


台所を子供の好きにさせるって
簡単なようでなかなか。
でも、少しこらえたら
美味しいものがやって来ますよ。





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