『完璧な一日』THE HIGH LOWS
こんなふうに生きていけたなら。
映画『Perfect Days』のキャッチコピー。
子どものころに
清く貧しく美しく生きることが人のあるべき姿であるという価値観があったのを思い出す。
何も貧しくなくてもいいように思うけれど、清いと美しいは貧しさに担保されていたように思う。
けれども、映画の中の人のように部屋を整頓したり身だしなみを整えたり、寝る前に電気スタンドの灯りで本を読んだり、外国語の歌に親しんだりするのは、貧しい生活環境からは生まれない。
ほんとうはとても豊かなんだ。
中の人はたぶん、自分の居場所を求めて別のところに来た。
ここではないどこかで、こんなふうに生きられたらと願う人はいるだろう。
だからやっぱり寂しそうな感じはする。
寂しいのは悪いことじゃない。
寂しさのかけらもないのはツルツルしていてくだらないのだし。
現実的なはなし、中の人は野垂れ死にして無縁仏になる心配がないから、今だけを生きられるようにも思う。
寅さんとおんなじ、帰る家や骨を埋める墓が生まれながらにちゃんとある。
そう言うものを持たない人も、こんなふうに生きられたらと願うだろう。
そういうものがなければ、こんなふうに生きられるかもしれない。
つまり、誰でもこんなふうに生きるチャンスがあるってことだ。
これは希望の映画なのだな、。
話は変わりますが
映画と同じタイトルの好きな歌がある。
と歌っている。
「かんぺき」というときの「か」の発音の仕方が優しくて柔らかくて好き。
ぜんぜん、完璧そうじゃなくて(笑)
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