見出し画像

怒りの根源、弱者からの搾取、眼鏡業界、ワイン業界とか。

今週は、コロナ前から久しぶりに世界最大の眼鏡展示会であるミラノで開催されているMIDO展に来ています。MIDO展は5回目となり、色々過去を思い出したため、noteを書くことにしました。

思えば2011年に元々は眼鏡とサングラスのネット通販として起業して少ししてからこのMIDO展にはじめて来たのですが、とにかく生き残るために必死だったのを覚えています。

眼鏡のネット通販なんてけしからん、と起業してまもなく、大手含めて各方面から嫌がらせや圧力を受けました(今でも嫌がらせは残っていますがw)。頑張って営業して、「清川さんの情熱に負けました、取引しましょう」、と言ってくれた取引先もその後に大手から、「あの会社と取引するならうちは切るよ」と圧力があったり、色々大変だったのを覚えています。

色々なところで嫌がらせや圧力を受けてきたので、商品の調達にも苦労していたので、一つの解決策として当時考えたのが、並行輸入でした。

並行輸入といっても、何もルートもないし、誰も協力してくれません。でもなんとかしなければならない。当時、自分は商品部やら営業やらを1人でやっていたので、世界一の眼鏡展示会があるなら、もう行ってなんとかするしかない、ととりあえず現地に飛んだのがきっかけでした。

起業当初は、お金もなく、スタンフォード大学の学費捻出のための借金の返済もあったり、色々タイトで、ホテルも一番安い治安悪そうで共同シャワーのホテルだったのを覚えています。食事も毎日コンビニとかで買った総菜でした。

それはさておいて、結果的にその展示会でいくつも当時の調達先を見つけることができたのですが、もうプライドなんかないし、なんとかしないと潰れるかもしれない、ということで、がむしゃらに会場で歩いている人に話かけまくったんですよね。多分数百人は話しかけたかと思います。しんどかったですけど、そんなことも言ってられないし、絶対成功したい、という気持ちが勝ったので、とにかくがむしゃらにやりました。
今日展示会場で当時調達先を見つけた道を通ったのでそれを思い出したわけです。

その後、結局、嫌がらせは当面は消えないだろうし、もう自分達の独自商品を作っていかないと生き残れないよね、ということで資金調達をして自社ブランドの開発をはじめました。その後は、自社ブランドも立ち上がり、店舗数も20店舗まで増えた結果になりますが、どんなブランドも仕入れられて、中には自分達に圧力もかけてきたようなチェーン店の中にはここ10年の間で赤字を垂れ流して身売りしたお店もあり世の中不思議だな、と感じるわけです。

何でも仕入れられてきた会社と仕入れられなかったから、とにかく自分達で売れるものを作るしかなかった我々、これだけ明暗の差が分かれました。

自分達で商品を作るといっても、最初は右も左も分からなかったので、とにかく街中の眼鏡店やセレクトショップを歩き回って、どういうのが人気なんですか?、何が売れるんですか?、と来る日も来る日も聞きまわっていました。

一時期頼んでいたそこそこ有名な眼鏡デザイナーの人がいて、展示会場でその人を見かけました。当時デザイナーを探すのも大変で、業界の人でうちに協力的な人を介してやっと実績のあるデザイナーの人に担当してもらえることになったんですが、それは良かったんですが、その人がうちのデザインをしている、ということが漏れてしまって、激怒されたことがあります。一応、お客様側なんですが、とにかく罵倒されました。

展示会に出展する際に、パンフレットに会社名まで入った後に、大手から締め出されたこともありました。その大手も結局身売りをして、その代表の方の話も今は聞かなくなりましたが。

他にも色々ありましたが、こういう経験を人生の中で積み重ねてくると、弱いものいじめとか、弱者からの搾取とかが許せなくなるわけです。

アメリカにも4年住んでいたので違いを感じますが、日本は特に閉鎖的で、既得権益をもっている人たちが固まって、弱者を排除して、既得権益を守ろうとする傾向があるように思えます。弱者は搾取される運命にあります。それが許せないわけです。

また悲しい話ですが、最初は挑戦者側であっても、成功してくると、既得権益側に回って、守る方に徹する人も多いのではないでしょうか。

少し似ている話にはなりますが、例えば会社の飲み会とかで、陰キャな社員が1人でいるのも見てられなくなります。だから、常に会場を見渡してつまらなそうにしている社員に意識的に話しかけるようにしています。幸い、うちの幹部は僕の考えを理解してくれているのか、みんな自分から部下に話しかけにいってくれます。

僕もサラリーマンで2社経験してるから分かりますが、飲み会があれば、部下が順番に上司に挨拶にいくのが普通かもしれないですがそういうのも嫌なんです。搾取ではないかもですが、弱者がマイナス感情を感じる、そういうのも嫌だなあ、と感じるわけです。弱者の時間を搾取しているように感じます。

最近、ワインエキスパートという資格をとったのですが、ワイン業界も同じように感じました。あくまで個人的な感想ですがヤ〇ザな商売という印象です。弱者からの搾取の温床のように感じたわけです。

自分のように能動的に授業やら勉強法の優劣を見極め、臨機応変に環境を変えることができる人はいいのですが、飲食業でソムリエをやっている人なんかは、そもそも週に1日しか休みもなかったり、仕事も長時間だったりで、試験も大変だし、情報収集するような時間もなかったりします。

実際は、まともに教えられない、まともにワインのテイスティングができない(ワインエキスパート、ソムリエ試験は1次が筆記試験、2次がテイスティングの試験になります)先生が多くいるわけです。最初に通っていた学校で同じクラスにいたソムリエ受験生はほぼ全滅でした。先生が違えば結果も変わったかと思います。ソムリエ志望者は比較的若い人も多く、ある意味、なけなしのお金を投入して、また人生かかっているわけです。こういう搾取も許せないな、と思ってしまいます。だって、教える能力がないのに、教えているとしたら、本来、詐欺と同じですよね、、、まともにお金をとって教える資格のある先生は、半分ぐらいの印象です。

話は戻りますが、どんな状況になっても、既得権益にすがったり、弱者から搾取するようにはなりたくないな、と思うのですが、そういうことをまた思い出した出張でした。同じようなことを言われないように、日々全力を尽くし、事業価値を積み上げていきたいと思います。


この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?