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アパレル接客販売

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15年間のアパレルの接客販売経験と8年間のアパレル会社のシステム管理で培ったことを綴っています。 大きなカテゴリとして「接客論」、「店長論」、「アパレルと小売の未来」の3つに分け… もっと読む
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記事一覧

本の要約サイト 『flier』

少し気温が下がってきまして、秋を感じる日が多くなりました。「読書の秋」ということで、今回は私が利用している本の要約サービスをご紹介します。 ここ5年ぐらいで読書を習慣化し、読書量を増やすことができて本当に良かったと感じています。「読書の効果」は様々にあると思いますが、下記のサイトのように「認知機能UP」・「共感力UP」・「ストレス軽減」・「精神力UP」などが挙げられます。 しかし、実際に読書をしている人は少ないようです。下図のように6割の社会人が月1冊未満の読書量です。こ

THIS WEEK WOW !! (8/21 ~ 27)

『コンピュータビジョンとAIで服のフィット感をより正確に見られる仮想試着室「Revery.ai」 | TechCrunch Japan』  アパレルにおいて、ECがリアルよりも劣っている点として「質感」と「サイズ感」は大きな要素です。しかし、この記事のようなAI技術が進めばECでもサイズ感がリアルと変わらないほど正確に把握できる可能性があるし、その実現にはあまり時間がかからないと思われます。 『「マトリックス4」の正式タイトルが決定し、映像がコンベンションで公開! 私の一番

THIS WEEK WOW !! (8/14 ~ 20)

今週に見たこと・読んだこと・聴いたことで「Wow!!」と思ったことを書いていきたいと思います。ジャンルはゴチャ混ぜです。 『アパレル店長の経験を生かし、初摘み海苔の魅力を伝える:日経ビジネス電子版』  アパレル販売や店長の経験を活かし、家業を成功に導いた事例が紹介されています。販売や店長で活躍した人は他の分野でも、経験や学んだことを他のことに活用できると思います。 『間違いなしの神配信映画『Seaspiracy:偽りのサステイナブル漁業』Netflix』  衝撃的な内容で

アパレルと小売の未来_10

「アパレルと小売の未来」も今回が最後です。 前回は参考になるブランドや店舗を紹介しましたが、今回は書籍の紹介です。小売やアパレル関連の書籍を多数読みましたが、その中でも私が影響を受けた本を取り上げます。 ・ダグ・スティーブンス著「小売再生 ―リアル店舗はメディアになる」 今後の小売に関して、とても考えさせられる書籍でした。2018年5月発売と少し古いですが、今でも読めば参考になることが多いです。特に後半部分のリアル店舗や販売員の役割に関しては必読箇所です。この著者は今月に新

アパレルと小売の未来_09

これまで「アパレルと小売の未来」ということで書いてきましたが、書いてある内容は小売やアパレルの書籍やWEB記事で情報を得て、自分の経験と混ぜて考えてきたことです。書籍やWEB記事で紹介されていたブランド・ショップ・サービスで私が参考になったものを今回はご紹介したいと思います。ぜひ一度、店舗に足を運ばれて体験されると良いと思います。 ・b8ta(ベータ) 昨年の夏に新宿と有楽町の2店舗がオープンしました。一昨年にアメリカで人気があるショップというのをウェブ記事で読みましたが、

アパレルと小売の未来_08

現在話題になっている「5G」や「自動運転」などのIT技術が世間に普及すると、環境が一段と変化していくと思います。「自動運転」は物流における革命に近いものであり、あらゆる分野で変革が起きます。それはアパレル業界にとっても大きな変革になるでしょう。「自動運転」によって、物流におけるコストや制約が大幅に削減されていきますので、フレキシブルに配送が可能になっていくと思われます。 例えば、路面店や百貨店で商品を購入すると同時に、自動的に倉庫にデータが飛び、その日のうちにお客さんの家に

アパレルと小売の未来_07

今後もEC強化が進行していき、リアル店舗が縮小していくとリアル店舗の存在意義は無くなってしまうのでしょうか。小売に関する書籍などを読むと、「店舗の役割が変わっていく」と書いてあることが多いです。 ECがないブランドや会社では、商品を店舗でしか購入できず、「購入」という大きな存在意義がありました。ECができると、リアル店舗の「購入」という存在意義が小さくなります。ECでは、どこにいても、好きな時に購入でき、商品を持ち帰る必要もないのです。便利性についてはECのほうが高いかもし

アパレルと小売の未来_06

ECとリアル店舗の融合のための「顧客管理・在庫管理の統合/一元化」について述べてきましたが、EC強化を進め、EC売上の比率が上がるとまた別の変革が必要になってきます。 EC売上が伸びて、リアル店舗の売上が下がってきた場合、店舗にたくさんの在庫を置いておく必要があるのでしょうか。全国に店舗を持っているアパレル会社では、商品の「倉庫⇄店舗」間移動や「店舗⇄店舗」間移動が発生します。1点1点の移動にかかる費用は少額ですが、1年間の全店舗と倉庫の商品輸送費はアパレル会社にとって莫大

アパレルと小売の未来_05

前回、ECとリアル店舗の融合における「顧客管理」について述べましたが、今回は「在庫管理」です。在庫に関しても、ECが推進されると考え方が変わります。 ECを行なっていない場合、在庫は「倉庫(物流)」と「店舗」にあります。ECが加わると、システム的には1つのお店として「EC」を作成することが可能です。このような場合、在庫は「倉庫・店舗・EC」の3ヶ所になります。システム的にはそれぞれの倉庫(店舗)コードが分かれているため、3ヶ所の商品の受け渡しは伝票を切る必要があります。また

アパレルと小売の未来_04

「ECとリアル店舗の融合」は今後も進化していくと思いますが、現時点で融合が進んでいる会社もあれば、全く進んでいないところもあると思います。今回は、ECとリアル店舗が融合していくとどのようなことが起きるのかについて考えていきたいと思います。 アパレル会社のEC推進は今後も強化されていくでしょう。EC展開者側からのECの利点はたくさんありますが、基本的なことは下記の2点になります。 ①ネット環境のある日本全国の人がお客さんになりえること ②24時間、販売できる環境であること

アパレルと小売の未来_03

前回の「OMO」の説明文の中で「全てをオンライン起点」とありましたが、この「オンライン起点」で顧客の行動を考えていく「カスタマー・ジャーニー」というのをご存知でしょうか。 上記のAdobe HPのカスタマー・ジャーニーの説明では、「カスタマージャーニーとは、ペルソナ(架空のユーザー像・人物モデル)の動き(行動・思考・感情)を時系列で見える化したもので、直訳すると「顧客の旅」になります。ペルソナの動きを見える化することで、顧客とのタッチポイントを洗い出し、適切な場所・タイミン

アパレルと小売の未来_02

コロナ前から登場していましたが、コロナ後はより新聞やニュースでよく目にする「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」というワードがあります。「DX」は、経済産業省(以下、経産省)が発表したものによると以下のように定義されています。 「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」 「D

アパレルと小売の未来_01

これまで「接客論」と「店長論」をお伝えしましたが、今回より「アパレルと小売の未来」について書いていきます。 私は新卒就職してから15年間、アパレル接客販売に携わってきました。 その後、会社にシステム管理部への異動を打診され、アパレル会社のシステム管理を8年間担いました。システム管理を経験して、数年前からアパレル業界のシステム化が顕著になってきたことを感じましたが、業界自体のシステム化が遅れているので、急激に変化することはないだろうと思っていました。 しかし、昨年からのコロナ

店長論_08

店長論も今回が最後です。 今回は「重要度・緊急度のマトリクス(時間管理マトリクス)」についてです。これは以前noteに書いたドラッカーの「プロフェッショナルの条件」やスティーブン・R・コヴィーの名著「7つの習慣」で取り上げられている「時間管理」についての内容です。 これは縦軸に「重要/重要でない」、横軸に「緊急/緊急でない」を置いたマトリックスになります。そうすると4つの領域に分かれます。  ・第1領域:「重要」かつ「緊急」  ・第2領域:「重要」だけど「緊急でない」  ・