見出し画像

アメジストに想う

魔除け石・愛の守護石 『アメジスト』

わたしが初めてこの石を手にしたのは・・・・確か、小学2年生の時だったように思う。毎月届く学習教材の付録としてランダムに入っていた不格好な鉱石、わたしの付録は「紫水晶」だった。わたしはこの言葉にとても強く惹かれたことを覚えている

のちに「紫水晶」が忘れられなかったわたしは、自分の冒険ファンタジー小説の中のキーワードとして「黒水晶」というものを登場させた。当時は自分で作り上げたものと得意になっていたけれど、ちゃぁんと「黒水晶」も実在していた。まぁ中学生だったし、自信過剰になるのも無理もないけど、自分の教養のなさというか、その程度の才能にがっくりした瞬間であった

それはさておき、


アメジスト…実はわたしの中にあまり良いイメージがない。

というのは、わたしの大嫌いな祖母をイメージしてしまうからだ。祖母は7月生まれだから本来ならルビーなんだけれど、彼女は赤というより紫色のイメージが強かった。それも慈愛的な感じではなく、意地悪魔女のような毒々しいイメージ。どす黒い、そう黒に近い紫。悪い色。なんでそう思ってしまうのかは解らない。嫌いだからかな
そしてもうひとりイメージされるのは義母。こちらは好きとか嫌いとかの括りでは表現できない間柄。確かに厄介な人ではあるけれど、嫌いではない。かといって好きかと問われると、答えられないといった感じ。彼女もまた3月生まれなので誕生石はアメジストではない。でもやっぱり、濃い紫をイメージする。それは祖母とは違い、とても上級思考なイメージ。どんなに埃っぽいところにあっても輝きを失わない、こちらにはそんな高貴な要素を感じられる

とにかく、アメジストというとこのふたりが浮かぶ。

わたしの中の『アメジスト』は「生命力」

アメジスト本来の意味とは別に、彼女たちに見られるアメジストのイメージは「生命力」かもしれない。そう思うのは彼女たちはとてもバイタリティにあふれ、良くも悪くも「自分」というものをしっかりと持っている人たちだから。そんなイメージ、自分でもおかしいと思うけれど

そんなわけで、わたし自身パワーストーンに興味があったものの、本格的に頼り始めたのは、最初に手にした時からずっと後になる。妹が婦人病を経験した後の妊娠の時だ。妊婦には「珊瑚」がいいと聞いていて、どうしても本物の「血赤珊瑚」を持たせてやりたかったからだ。その時お腹にいた子が、今年中学生になるというから実に12年前。あの頃はまだパワーストーン自体がそれほど流通しているわけでもなく、塗りではない「珊瑚」がギリギリ手に入った。その時わたしは、妹の分と自分の分と2本のブレスレットを購入し、それがわたしのファースト・ストーンになった。それ以来なにかあると、その時々でいろいろと使い分けてきた。結婚と引っ越しが決まった際、たくさん水晶とアメジストのクラスターを揃えた。でも自分のためにアメジストを選択することはなかった

パワーストーンは、その時自分が「最も必要とするもの」自分に欠けているパワーを秘めた石が気になるのだと、行きつけのパワーストーンの店主が言っていた。わたしには「魔除け」は必要でも、愛を象徴する意味合いでは必要がなかったということになる

結婚後、わたしのブレスレットを目にした義母が「自分も欲しい」といってきた。わたしは即座に「アメジスト」が思い浮かんだ。彼女の誕生石ではないのに、なんとしても「アメジスト」を持たせたい…と思ったのだ
彼女に愛が足りないとでも思ったのだろうか? その時義母は10ミリ玉のブレスレットを「3本」欲しいといった。ひとつは「翡翠」で、もうひとつは意外にも「ローズクウォーツ」だった。そして、もうひとつは「濃い色」がいいというのでわたしは迷わず「アメジスト」を進めた。とても彼女らしいと思ったからだ
その後、義母は「もう一本だけ」と言って「マザーオブパール」を求めた。それもその時わたしの腕にあったものだったが、わたしの腕を見てなにか感じるものがあったのだろう

「石」は「意志」

今考えると、義母に「アメジスト」を進めることで、わたしに対する「愛」を彼女に求めたからかもしれないと思う。なにせただの知り合いではない、相手は義母なのだから。自分の中で「うまく付き合いたい」という思いが、石を通して無意識に作用したのかもしれない。その甲斐あってか、義母とはうまく付き合えている。とても大事にされていると思う





こちらの記事は、光室あゆみさんの『石と言葉のひかむろ賞vol.1 愛の漣(さざなみ)』に参加するために書かせていただきました



まだまだ未熟者ですが、夢に向かって邁進します