見出し画像

誰かが召喚獣を呼んだあの日の午後

中学生のとき、忘れられない出来事があった。

ある日の午後、授業の合間に何の前触れもなく、空が急に暗くなり始めた。

僕たちは窓から外を見つめ、わずか10分で空は異様な緑色に変わり、どす黒くなっていくのを目撃した。

現実離れした空模様の中授業は続き、教室の外では雷鳴が轟き、激しい雨が降り注いでいた。

そのころの僕は「ファイナルファンタジー」に夢中で雲間から「オーディーン出てくるんじゃね?」と半分本気で思っていた。

ゲームの世界が現実に混ざり合って、世界の終わりがこんなにもあっさり訪れるのかと、深い恐怖を感じたのを今でも鮮明に覚えている。

そして今日、新潟に住む現在の私は、まさにその時と同じような空を見上げた。心配になり、小学1年生の娘を迎えに行った。手をつなぎ、一緒に家へ戻る道中、昔の自分と今の自分を重ね合わせてみた。

中学生の頃の僕はただ恐れていたが、今は父親として、何かあったときに家族を守る役割がある。その責任感が、かつての恐怖を乗り越える力に変わっていることを実感した。

こうして時間が流れ、人は成長し変わっていく。
物語の中で成長するファイナルファンタジーの主人公みたいに、僕のレベルも上がったんだな。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?