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面接は「引っ張り出し作業」である

こんにちは。タガックスです。
「採用担当者が考えていることも知ってほしい」シリーズ4回目です。
 
前回は、「採用面接はお見合い」というお話を書きましたが、実際のところ短時間で応募者の方の内面を知るのは簡単ではありません。面接する側としても限られた時間内で何を質問するのか、どんな話をするのかはとても迷うところです。
私は、面接は応募者の「引っ張り出し作業」と捉えています。相手の人柄や価値観、仕事に対する姿勢などを、会話を通してどれだけ引き出せるかが肝だと思います。具体的には次のようなことに気を付けています。
 
■一問一答にならないようにする
「志望動機は?」「御社の商品の●●が…」「そうですか、ではあなたの長所はなんですか?」「私の長所は●●で…」
これは面接で一番やってはいけないパターンと教えられました。通り一遍の質問だけで応募者の人となりを把握するのは難しいからです。
より深く相手のことを知るためには、「どうしてそう思うのか」「なぜ(どういう思考で、どういう判断をした結果)その行動をとったのか」を掘り下げて聞くことが大切です。そうすることによって、「何が仕事のモチベーションになるのか」「得意/苦手とする仕事上の状況はどんなことか」「どういう企業文化に馴染むタイプの人なのか」「何がストレスになるのか」などを察することができます。とっかかりの質問からどれだけ話を広げられるか、掘り下げられるかが面接官の腕の見せ所です。
 
■いいことも悪いこともバランスよく引き出す
短時間での面接では、応募者の評価はどうしても印象に左右されます。トーク上手、笑顔が爽やか、清潔感がある、など第一印象が良いと、面接官の側も「この人はぜひ当社に入社してほしい!」と前のめりになってしまいがちです。
ただし、注意しなければならないのは、「第一印象がいい=仕事の能力が高い/会社に馴染める」とは限らないことです。人間誰でも、得意なこともあれば苦手なこともあるはず。両方をバランスよく引き出すことが大事です。
これまで出会った人の中には、第一印象が良かったために過剰な期待を受けて入社して、与えられた仕事のレベルに追いつけず潰れてしまった人や、逆に「期待されて入社した自分は特別」と自信過剰になった結果、周りと衝突してしまう人もいました。
会社と社員がお互い不幸にならないためにも、面接の場では出来る限りフラットな視点で判断するようにしています。応募者の第一印象が良く、評価が上振れしそうだと感じた時は、あえてネガティブ要素を引き出すような質問(「苦手な仕事は何か?」「今までの失敗経験は?」など)を、逆に評価が下に振れそうな場合は応募者のポジティブ要素を引き出すような質問をして、偏った評価にならないように気を付けています。
 
■相手が素で話せるような雰囲気をつくる
面接は人生を左右する場ですから、応募者は自分を最大限良く見せるスタンスで臨んできます。もちろんそれ自体は否定しないのですが、会社の雰囲気に馴染めるかどうかを判断する上では、飾った状態だけでなく、普段の雰囲気や人となりも把握しておきたいところです。
そのために、面接ではできるだけリラックスしてもらい、できるだけ素に近い状態で話してもらうように心がけています。いきなり質問に入らず、まずは雑談でアイスブレイクをしたり、相手の話に積極的にポジティブなリアクションをしたり、型通りの質問だけでなく、時々は脇道にそれた質問をして緊張感を和らげるなどして、応募者が気持ちよく話せるような空気を作るように努めています。
 

このように、短時間の面接でも、進め方、聞き方次第でいろいろな情報を引き出すことができます。
面接官側も頭をフル回転して、また会話以外にもあちこちに気を使いながら望んでいます。(新卒採用シーズンでまる一日面接が続いた日は本当にぐったりします…笑)
みなさんが何かの機会に面接を受ける際には、「ああ見えて面接官も苦労しているんだな…」と、温かく見守っていただければ幸いです。


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