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大好きな漫画紹介「シュガシュガルーン」

安野モヨコさんの作品「シュガシュガルーン」
私が子どもの頃から大好きな漫画です。

主人公は二人の小さな魔女、ショコラとバニラ。幼なじみの親友です。
二人が住むのは魔界であり、人間とはまた別の世界で暮らしています。そんな魔界では、「ハートの結晶」がエネルギーや通貨として使われています。このハートは感情が結晶となって現れるもので、感情の種類によってその色が決まっています。

例えば、
相手への恋愛感情はピンク
友情はグリーン
びっくりしたときは薄いイエロー
恨みや憎しみは‥漆黒‥
などなど。

魔法使いたちは、一人につき一つのハートを胸に持ち、それを失うと死んでしまいます。
しかし、人間たちは何度もハートを生み出すことができるのです。
そのため、次期女王候補に選ばれたショコラとバニラは人間界へ赴き、人間たちからハートをとることになります。
そして、より多くのハートを得た方が女王になるのです。


ショコラとバニラは対照的な女の子です。

ショコラはとっても気が強く、行動力と勇気に溢れた(怖いもの知らずな)魔女です。
一方バニラは気が弱く臆病ですが、誰よりも優しい心を持った女の子です。

そんな二人は外見も対照的で、ショコラは赤味のある明るい茶髪のロングヘアにグリーンの瞳。
バニラはプラチナブロンドに近い、わたあめのようなふわふわのショートヘアにパープルの瞳。
このように、二人の個性的な風貌が本当に可愛らしいのです。

ここで私は、個人的に感じた、二人の印象を決定づけるもう一つの違いに触れたいと思います。それは、二人の黒目の大きさが少し違う点です。
ショコラの方がバニラよりも黒目が小さく、それにより目力が増し、癇の強い印象を与えます。
バニラは黒目が大きめなので、小動物のような可愛らしさがあります。

この違いが、二人の雰囲気を真反対に大きく変えているように感じます。
瞳だけでここまで変わるのって凄いです。

そして、物語序盤でバニラの心に闇が生じます。気弱で素直すぎる性格は、彼女の弱点でもありました。バニラは親友との戦いを強いられ、不安な気持ちに苛まれます。日に日に不安が増し、ショコラとの喧嘩も増えていきます。そんな中、悪い魔法使いに目をつけられ、何もかもに嫌気がさしていたバニラは、自らダークサイドに堕ちていってしまいます。
親友を失ったショコラは、はじめはとても落ち込みますが、持ち前の前向きな精神力で復活し、バニラを取り戻すことに尽力します。

少女達の友情、恋愛、成長、戦い。
独特の世界観で描かれたシュガシュガルーンは、まさに他とは被らない、唯一無二の作品だと思います。
物語前半は、ショコラとバニラの女王の座を巡る戦いが中心となりますが、後半になると、闇の魔法使いとの戦いが大きなテーマとなります。
そして物語終盤、ショコラ本人も知らなかった、彼女の出自にまつわる衝撃の事実が明かされます。

決して可愛いだけでなく、ストーリーも深く、表情豊かな登場人物たちには様々な気持ちにさせられます。きっと私たちにハートがあれば、色んな色に変わっているのではないでしょうか?

光もあり、闇もある、おしゃれで洗練された童話のような世界観です。
子どもだけでなく、大人も楽しめる少女漫画です。
ぜひたくさんの人に読んでもらいたい作品です。


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