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現地観戦月間ベスト〜5月編〜

さて今回は、5月に観戦した計6試合の中から私の独断と偏見で決めたベストイレブン、ベストゴール、MVPを決めていきます。

毎月言っていますが、私が現地観戦で決めていること。

それは敵味方関係なくうまいと思った選手、プレーは褒めていきたい。

それでは今月もやっていきましょう!

2・3月のベストはこちらから

4月のベストはこちらから

5月の観戦試合・成績

5月の観戦試合・成績は以下の通り。

※5月のマッチレビューはこちらから

5/1 山形2-0長崎★(NDスタ)
MOM:半田陸(山形)

5/4 岩手0-4長崎★(いわスタ)
MOM:山崎亮平(長崎)

5/14 ★磐田2-1FC東京(ヤマハ)
MOM:鹿沼直生(磐田)

5/15 千葉0-1秋田★(フクアリ)
MOM:池田樹雷人(秋田)

5/25 ★川崎0-4湘南(等々力)
MOM:町野修斗(湘南)

5/29 柏3-1清水★(三協F柏)
MOM:細谷真大(柏)

5月通算 3勝3敗
8得点10失点

今季通算 9勝9敗1分
26得点26失点

★は応援したチーム

5月ベストイレブン

GK

後藤雅明(山形)


2017年に湘南に加入後は金沢へのレンタルを挟み4年間控え生活だったが、昨年湘南から再び完全移籍で戻った金沢で才能が開花し、レギュラーを奪取。チームは苦しみながらもJ2残留しその大きな立役者となった。
磐田サポーターの私も、昨年のアウェイ戦で圧倒しながらもなかなか彼のゴールを割れなかったインパクトが今も残っている。

その活躍が認められ、今シーズンから山形に加入。移籍後はチームはなかなか勝ちに恵まれずも、自身のパフォーマンスは安定しており、4月からはチーム状況も上向きに。
長崎戦では個の力で勝る長崎にペースを握られたが、相手攻撃陣のミドルシュートをことごとくこぼれを拾わせないエリア外に弾き飛ばし、終わってみれば完封。大きな勝利の立役者となった。

4月の岡山戦では、バックパスの一連の流れで一発退場となるも、ルール適用ミスが発覚し前代未聞の再試合となったプレーの当事者としても話題になったが、その後の試合でのプレーに波は見られず。ますます上り調子の山形を最後尾から支える。

DF

半田陸(山形)


地元山形県出身で、Jrユース、ユースと山形でキャリアを積み、高校2年生でプロ契約を結んだ期待の星。6月のU-23のアジアカップの日本代表にも選出され、サポーターからは「山形の至宝」とも呼ばれる。

今シーズンは右SBを主戦場とし、対人プレーに強さを見せ、1試合平均タックル数も3.4と、J2リーグ3位の数字だ(6月5日現在)。
守りだけでなく、チームの掲げる攻撃的なスタイルにもマッチし、長崎戦では絶妙なタイミングでのオーバーラップからのワンタッチヒールパスで先制点にも絡んだ。

長崎戦でのレビューでも書いたが、ボールを持った時の落ち着きは経験のあるベテラン選手のようで高水準。今後の日本を背負うDFとしても伸びしろは十分なこの男にアジアカップでも期待し、推していきたい。

山﨑浩介(山形)


2021年に愛媛から加入し、昨年は33試合に出場したCB。
今シーズンは3名いるチームキャプテンの1人としても、守備の中心としても、山形を支える。

長崎戦ではCBでコンビを組む野田裕喜とゴール前に強固なブロックを形成し、ヘディングの高さと粘り強い寄せでエジガル・ジュニオと植中朝日の強力2トップにサイドからのボールを収めて前を向く仕事をさせず。DFリーダーとしては文句のつけようがない出来だったため選出した。

山形はクラモフスキー監督の攻撃的なサッカースタイル上、時に強気なライン設定やビルドアップの質の高さが求められるが、そのスタイルをきっちりと体現する安定感も素晴らしい。

池田樹雷人(秋田)

2ヶ月連続の選出(先月はサブ)。
千葉戦では1トップのチアゴ・デ・レオンソと対峙し、空中戦で強さを発揮し封殺すると、攻撃でもセットプレーの攻め上がりで残った流れで左からの低いクロスで吉田伊吹の決勝点をアシストと攻守に大車輪の活躍。ますます安定感を増している。

5月に入りチームも上り調子になり、彼自身も完全にCBの一角に定着。小柳達司、千田海人など相棒が過密日程の中で変更しながらも、欠かせない戦力となっており上位撃破にも貢献。
中位以上、さらにはPO進出圏内が混戦となる中でさらなる守備の柱としての活躍に期待。

MF

鹿沼直生(磐田)

豊富な運動量とボール奪取が光るボランチ。
FC東京戦で今季初のリーグ戦スタメンを勝ち取ると、序盤から次々とインターセプトを繰り出す。終了間際には混戦からのこぼれ球をボランチでコンビを組んでいた遠藤保仁を彷彿とさせるキックで外から巻いてくる芸術的なシュートでJ1初ゴールとなる決勝点を決め勝利に貢献した。走行距離も両チーム唯一の13キロ台と持ち味を存分に発揮した。

2020年に当時J3の相模原にセレクションという形で加入すると、いきなりルーキーイヤーから全試合フル出場という快挙でJ2昇格に貢献すると、翌年磐田に加入。J3→J2→J1と毎年1段ずつステップアップしているシンデレラボーイでもある。

今シーズンはルヴァンカップではレギュラーだったがそこでのアピールが実り、リーグ戦でもスタメンに名を連ねてきた。チーム内序列を一気に変えつつあることで他のカップ戦要員の選手に刺激を与えた意味でも大きな活躍だった。

稲葉修土(秋田)

2ヶ月連続の選出。
先月の群馬戦同様、千葉戦でも豊富な運動量と鋭いインターセプトで縦横無尽にピッチに顔を出した。特にサイド攻撃が多かった千葉相手にはDFラインがサイドの背後を使われた場面でもしっかりカバーに入り前を向かせず、サイドバックの選手のようにライン際の攻防もしっかりこなす様には頭が下がる。

今シーズンの中では私の中で彼が1番の発見。輪笠祐士との粘り強いボランチコンビは秋田の生命線と言っていい。少ない支配率でも少ないチャンスを活かして勝点を奪っていく秋田のサッカーはこれからもこの男を軸に回っていきそうだ。

上原力也(磐田)

仙台へのレンタルから帰還したナンバー7の磐田ユースの宝。4月の広島戦からは山本康裕に代わりキャプテンマークを巻くことも増えた。

FC東京戦では自ら先制ゴールを奪った場面も含め、鋭いカウンター攻撃は必ず彼のダッシュがスイッチとなって始まった。もちろん、本来の持ち味のボール奪取と推進力でも貢献した。

ポジションも本職のボランチからシャドーの位置に変更になることもあったが、いい意味で変わらずにプレーし、2017年のデビュー時の推進力が戻ってきたのに加え、仙台へのレンタル移籍でたくましさや力強さを増して帰ってきたことをサポーターにもチームメイトにも証明した。

マテウス・サヴィオ(柏)

2・3月以来2度目の選出。
小さいながらも確かなテクニックを持つ足技を武器に、今や完全に柏の攻撃の中心に。

清水戦では深い二度の切り返しからの逆足で見事なゴラッソを突き刺すと、戸嶋祥郎のサポートを受けながら細谷真大、小屋松知哉も含めたスピード溢れる攻撃陣で次々とチャンスを生み出した。

クリスティアーノ(現・長崎)が抜け10番かつ中心選手としての自覚も出てきたのか、怪我も少なくなりプレーの安定感も増してきた。トップ3との差も縮まってきた後半戦もさらなる躍動に期待したい。

FW

町野修斗(湘南)

王者・川崎相手にヘッドとカウンター攻撃で2発。この前の試合の神戸戦と含めての2戦連続の2発とゴール欠乏症に悩んでいた湘南を救う決定力の高さを見せつけた。

2018年に横浜FMに入団するも、J1デビューできず。そこから北九州でJ3→J2とカテゴリーを上げ、北九州での活躍が認められ昨年湘南に加入。初のJ1シーズンは4ゴールと振るわなかったが、今シーズンは攻撃の中心となり今やすっかり欠かせない存在に。湘南スタイルらしい足を止めない前線からのプレスを怠らない献身性は相手のミスを確実に突いたり、カウンター攻撃のフィニッシャーとしても貢献度は高い。

ちなみにゴールパフォーマンスは彼の出身地、忍者の里・三重県伊賀市出身にちなんで忍者ポーズである。

細谷真大(柏)

今シーズンに入り、ものすごい成長スピードで柏の上位躍進に貢献する若きストライカー。元々備わっていたスピードに加え、キープ力やパスセンスも加わり、もはや怖いものなし。6月からのU-23のアジアカップにも日本代表として選出され、エースの働きが期待される。

清水戦では上述した裏へのスピードとキープ力で清水のDFを無力化。左足で追加点をマークしたときは前を向くスピードの速さで完全に勝った。

今シーズンのゴール傾向も左右でそれぞれ3点ずつ取っておりバランスも良い。将来的には日本を背負うストライカーかつ、ベンゼマ(レアル・マドリー、フランス代表)のようなタイプのFWが理想。シーズン終了後にはベストヤングプレーヤーにも名を連ねていそう。

山崎亮平(長崎)

岩手戦で2年越しの移籍後初ゴールから、一気にハットトリック。過密日程での東北2連戦でのターンオーバーを敢行したチームでアピールに成功した。

「ギュンギュン」の愛称のような、磐田や新潟で見せていた鋭い突破を見せる場面は昔よりは少なくなったが、随所で見せる切り返しは健在。3点目は相手のクリアミスが自らに跳ね返ったところを拾ってゴールへ迫ると、ペナルティエリア内で落ち着いて寄せてくるDFをかわして角度のないところから決めてみせた。

チームの調子は昇格候補との下馬評にはまだ遠い内容だが、攻撃陣の層が厚いチームの中でまだまだ存在感を発揮できることを証明する活躍だった。途中投入でもなお決定的な仕事を増やしていきたい。

リザーブ

富澤雅也(長崎

チーム最古参の守護神。
2019年のリーグ戦初出場から年々安定感を増しており、波も少ない。特にミドルシュートへの対応は毎年チームを救っている。

東北2連戦では1勝1敗だったが、富澤自身は2戦とも落ち着いたシュートストップでのハイパフォーマンスを披露。岩手戦ではターンオーバーを敢行したチームでカイオ・セザールに代わりキャプテンマークも巻き、クリーンシートも達成し役割を全うした。

声出しがまだ解禁されない中で、長崎のチームの中でもピッチ上での鼓舞する声が一番良く聞こえる選手でもある。

杉岡大暉(湘南)

昨年途中に鹿島から復帰。今季は3バックの左という立ち位置ながらドリブルでの突破やプレースキッカーも務めるなど、サイドバックやサイドハーフの選手のような役割もこなす器用さも持ち合わす。

川崎戦では町野修斗の先制ゴールをCKからアシストすると、本職の守備でも対面の家長昭博に決定的な仕事をさせなかった貢献度も光る。
ここ数年は苦しいシーズンを過ごしたが、若くしてデビューし、ルヴァンカップでは決勝ゴールを決めてMVPも獲得した男が蘇ろうとしている。

大南拓磨(柏)

本職はCBだが、今シーズンは3-1-4-2のフォーメーションで右サイドハーフでの起用が増えている。
それでも持ち味のスピードと移籍後に大きく成長した1対1の場面での強さを武器に難なく順応。今や欠かせない存在になった。

清水戦では前半、サイドを起点に攻撃を狙う清水の攻撃陣にほぼ決定的な仕事をさせず、対面した西澤健太を前半で交代に追いやると、後半も自らの仕事をこなしつつCKの流れからダメ押しの追加点を決め、影のMVPと呼べる働きを見せた。

澤田崇(長崎)

長崎在籍6年目のサイドアタッカー。例年よりは先発出場は減っているものの、サイドでドリブル突破や相手DFにプレッシャーをかける献身性と豊富なスタミナは未だ健在。

岩手戦では右サイドで先発出場し、再三のカウンター攻撃で持ち味のスピードが何度も生き、大勝に貢献。奥田晃也のゴールをアシストしたプレーでは、相手のミスを逃さず、ボール奪取からの一気に加速したドリブルで大外にクロスを合わせた流れが美しかった。

池田昌生(湘南)

チャンスメーカータイプのMFで、鎌田大地(フランクフルト)を目標に掲げる。
J3の福島から昨シーズン湘南に加入するも昨年はインパクトを残せず。しかし今シーズンはルヴァンカップで4ゴールと、GS突破に大きく貢献し、最近はリーグ戦にも絡んできた。

シャドーの位置で先発した川崎戦では、ペナルティエリア内でフリーになりヘディングでJ1初ゴールをマークすると、2トップの大橋祐紀と町野修斗、シャドーでコンビを組むタリクをうまく生かし、ショートカウンターの場面でも積極的にボールに絡み、ルヴァンでの勢いをしっかり持続させて存在感を示した。

開幕当初の不振から徐々に立て直しつつある湘南。彼がさらなる上位進出のキーマンにもなり得そうだ。

小屋松知哉(柏)

ゴールこそなかったが、細谷真大とマテウス・サヴィオらとスピードを活かした強力な攻撃を形成。特に裏抜けは常に相手DFの脅威となり続けた。

今シーズン鳥栖から移籍。キープができる細谷にもうまく生かされたコンビネーションプレーは躍進の原動力に。さらなるチームの順位上昇には彼自身の決定力向上が関わってくるだろう。

吉田伊吹(秋田)

千葉戦でのこれぞスーパーサブという働きを考慮し、あえてサブとして選出。前半から千葉にペースを握られる中で、彼の投入から強さを活かしたポストプレーで起点となり攻撃の回数を増やし、少ないチャンスを確実に仕留めて決勝ゴールを決めた。

今シーズン奪った3点は全て途中投入から。ペースを相手に握られても少ないチャンスを活かす秋田のスタイルにはその勝負強さは欠かせない。ロースコアになればなるほど、彼の力が必要な場面は後半戦も増えてくるだろう。

MVP

細谷真大(柏)

今月のMVPには、清水戦の活躍はもちろんのこと、昨シーズンからの成長スピードの凄さも加味し、細谷真大を選出した。

今季は2月のちばぎんカップ、4月の磐田戦と今月の清水戦と3度彼のプレーを見ているが、できることと相手としての恐ろしさが見るたびに増している印象だ。

柏からは4月の戸嶋祥郎に続き2ヶ月連続の選出。

フォーメーションは3-4-3。最多選出は柏の4名。秋田・山形・湘南・長崎が3名、磐田が2名。
稲葉修土、池田樹雷人、マテウス・サヴィオは2度目の選出。
若き日本代表や、J3を経験しJ1で才能が開花しそうな選手、1度は出番を減らしたものの復活してきた選手など、割とストーリー性もあるベストイレブンになった印象

ベストゴール

マテウス・サヴィオ(柏)
柏vs清水 前半13分のゴール

ボールを受けたファーストタッチのトラップ→切り返し→シュートコースを作るためのフェイントの流れが実にスムーズで、放ったシュートも利き足とは逆の左足でGKの届かない左高めの隅を射抜く、全てのプレーが上質なゴラッソだった。

柏に入団したときから足下の技術は相当なレベルの高さを誇っていたが怪我に苦しんだことなどで本来の良さが継続して出せていない印象ではあったが、このゴラッソが証明するように今季は完全に柏の王様として完全になくてはならない存在になっている。

ベストゲーム

5/14 磐田2-1FC東京(ヤマハ)

FC東京らしいボールポゼッションに、磐田が鮮やかなカウンター攻撃を繰り出していく気の抜けない一進一退の攻防。

自らがスイッチを入れ、フィニッシュもしっかり決めきった上原力也の先制ゴールから、古巣相手に投入直後に完璧なコースにゴラッソを突き刺したアダイウトン。そしてスタメン抜擢に応え、両チームで一番走り、最後には鮮やかなコントロールショットで決勝点を決めた鹿沼直生とすべてのゴールもレベルが高かった。

また試合だけではなく、磐田市の小学校5・6年生が作り出す空気と、試合後に磐田サポーターが暖かい拍手で包んだアダイウトンの挨拶など、ピッチの中だけではない光景も美しいものだった。

今月の感想

今月選んだ選手は、アジアカップへ挑む若き日本代表や、J3も経験しJ1で才能が開花しそうな選手、1度は出番を減らしたものの復活してきた選手など、ごまんといるJリーガーの中での様々な人間ドラマを映すような選出となった。個人的にはそれもJリーグの魅力ととらえているので、様々な形で選手にスポットが当たることは素晴らしいことだ。

そしてここからは観戦に関して触れていくが、GWの頭に久々に東北地方に旅行も兼ねて遠目の遠征に行くことができた。スタジアムだけではなくて観光地にも人通りが増え、マスクなどの緩和も含めて元の生活への歩みは大きく進歩していると言っていい。
さらには今月の一部のゲームからは声出し応援も試験的にではあるが復活していく。そのゾーンでは食事ができないなどの制限はあれど、一番の関門であり、待ち遠しかった光景が戻るのはなお喜ばしいことだ。守るべきルールは守り、できれば今季のシーズン終わりにはよりもとに戻っている項目が多いことを祈っている。

そして梅雨に入り、夏本番となるためここからはほとんどがナイターのため、行ける場所も限られては来る。暑さで足が止まりやすくもなるが、ここからの各クラブの勝負どころでの熱い勝負に期待したい。

※恐らく6月は試合観戦ペースが落ちそうなので、次回の月間ベストは6月と7月でまとめてやろうかなと思っています。

5月のマスコットたち。
東北遠征で普段出会えなかったマスコットや川崎ホーム側で初めて見たので一気に3匹近くで見られたのは収穫

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