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【ファッション意識】国際舞台には相応しいマナーが存在する

映画界は、ファッションに対する意識が低い。詳しい方が参加していても、採用する環境にないのだ。このトピックでは、「アーティスト自身に必要な美意識」を、知ることができる。身だしなみに無頓着でずぼらな有様が芸術家的な装いなのだと間違えているアーティストの、ために書く。

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アーティスト情報局:太一監督
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日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、
監督がスタジオから発する生存の記
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『 映画のファッションは、正しくない。 』

映画監督の日常に定例はないが、ファッションの基礎を知らない、という特徴がある。演者俳優が自身の在り方に意識ある存在なのに対して、職人のそれに近いこともある。どれだけ偉大な功績を誇ろうとも服装の基礎とマナーを知らず、プライヴェートや壇上での孤立舞台においては、無知が露呈する。

映画の撮影現場であれば致命的、実に一部の例外を除いたあらゆるジャンルの映画においてそのファッションとマナーには、致命的な無知が溢れている。一部の例外を、のぞいては。

そこで、日本に入っていないニュースをお知らせしておこう。

■ 最新国際ニュース:グッチの元クリエイティブ ディレクターであるトム フォード監督が、リドリー スコット監督の新作映画「ハウス オブ グッチ」を痛烈批判

映画監督であり、グッチの元クリエイティブ ディレクターであるトム フォードが、新作映画で描かれた「不条理」で「悲劇的」な現実に対するリドリー スコットの見解を述べた。

トム フォードは本作が“繊細さ "を持った作品であるにもかかわらず、ヒットするのではないかと考えている。「完璧な衣装、見事なセット、美しいカメラワークそして、茶番劇なのか、それとも手に汗握る強欲の物語なのかと、よく声を出して笑いましたが、そうすべきだったのでしょうか?」

ただし、「スターを惹きつけるために、また、スターをなだめるために、役柄が拡大されている」と感じていることや、本来ならばカットされるべきシーンが、「主役が“演じる”ためだけに残されている」ことにも触れ、映画を批判している。「キャストのサイズとスター性のために、脚本は彼らに奉仕することに翻弄されている」とした。「その結果、悲しいことに、誰にも共感できない物語になってしまったのです」

「映画は、人々の心の中で真実になってしまう。過去の現実を消し去って。実話を基にした多くの映画と同様に、事実は改変され、登場人物は誇張され、時間軸は歪められていますが、結局のところ、これらの改変によって素晴らしい映画が出来上がるのであれば、誰も気にすることはありません」。

フォードは言う。「鑑賞後は数日間、深い悲しみに襲われました。」 - NOVEMBER 27, 2021 THE Hollywood REPORTER -

『 ニュースのよみかた: 』

事実を知っている元デザイナーのトム フォードが、リドリー スコット監督の新作「ハウス オブ グッチ」の改変を指摘。「スター俳優に媚びて現実無視で、脚本を台無しにした」とぶちまけた、という記事。

どこにでもある話なのだが、意図的に異なる視線を向けてみる。トム フォードにして「完璧な衣装」と表現させた本作のクリエイティビティの見事さだ。映画の衣装を“上質に”成立させることは実に、難しいのだ。

『 トム フォードの審美眼 』

映画監督としても実に優秀な氏は、ファッションにおいて史上どの映画よりも妥協が許されないシリーズにおいて、信頼の実績がある。「007」の中で、ダニエル クレイグ=ボンドを生み出したのだから。

英国ファッション界のプライドたる007映画に倣い、映画界は服飾とマナーへの注力が必須である。

『 映画業界は、ファッションに疎い 』

そもそもに映画監督の大多数は、ファッションに無知である。スクリプト(映画脚本)の行間から上質はうかがえず、撮影現場に委ねればスタイリストも衣装部も立場は低く、極度の緊張状態にある各部ひしめくカメラの前で、繊細な調整は行えない。

袖からのぞく5mmのシーアイランドコットン シャツや、ネクタイの窪みを演出するディンプルクリップの使用など、出来ようはずもない。

『 世界が認める、日本のプライド 』

映画の現場で上質な装いに詳しいのは、往年の巨匠俳優と協賛ブランド企業、広告代理店ばかりだ。残念ながらスタイリストと衣装部にも、専門家は多くない。彼らは“種類”の専門家だからだつまりに、大小に拘らず映画の中で“上質なファッション”を実現することは、奇跡に近いのだ。

映像業界で正しくファッションを再現できるのは、日本の、地上波メジャーCM業界だけである。007とも戦えるほどに。
美意識それは、世界が認める、日本のプライドである。

時代は「マナー」の逆ベクトルに突き進んでいる。
アーティストそして映画監督はこそ、美しくあれ。クルーと観客のために。

『 編集後記:』

加湿器の季節。
ダサくて邪魔で手間がかかる、バケツタイプの“加熱式”を愛用している。4つの代表的なタイプを実に毎年使い潰して買い替えてきた中で唯一、曇りひとつ無くに洗えるのがこの、バケツであった。仕組みもシンプル、ただの湯沸かしだ。光熱費も高く倒せば熱湯、だが綺麗に洗えて蒸気が清潔。

湯がもったいないと想いいちど、ジップロックに入れたジャガイモを投入してみた。ちゃんと美味しくできた。なんだか納得がいかない。サラダチキンやローストビーフもつくれてしまうはずだ。通常使用している間中、もったいない気がし続けるバケツである。

同志の熱に鼓舞されながら徹底冷静に、映画製作の現場へ帰るとしよう。では、また明日。

■ 太一(映画家):アーティスト業界情報局 × 日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、 監督がスタジオから発する生存の記