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【ライターズブロック】苦しみたくないなら創らなければいい

安泰と平穏を求めるクリエイターが増殖している。苦悩の果てに、観客への使命を遂げようとしているアーティストもいる。このトピックでは、「アーティストという生き方を選ぶ勇気」を、知ることができる。創作以外のいかなる欲にも心揺れない覚悟を実装できるアーティストの、ために書く。

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アーティスト情報局:太一監督
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日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、
監督がスタジオから発する生存の記
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『 苦しみたくなければ、クリエイターを楽しむといい 』

クリエイターとアーティストには明確な違いがありその異なるレールが交錯することは、無い。クリエイターとは職業の選択肢であり、アーティストとは”生き方”である。

アーティストという生き方には、作品を完成、成功させる以外の目的は存在せず、そのことだけに最適化された日常を選ぶことが条件である。趣味息抜き夢希望安らぎ幸福平穏な人生、このどれか一つにでも後ろ髪を引かれるなら、アーティストは務まらない。クリエイターでいればいい。

そこで、日本に入っていないニュースをお知らせしておこう。

■ 最新国際ニュース:ジュリア・デュクルナウ監督、映画「Titane」の制作が危ぶまれた経緯を語る

「辛かったわ。何ヶ月も、考えることをやめられないのよ」

監督のJulia Ducournauは、本作で2021年のカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞。この作品がライターブロック(※作家によるスランプ以上の深刻な症状)のせいでほとんど作れなかったことを明かしている。「正直、自分にそれがあるのかどうかわからなかった」

人肉の味を覚えたベジタリアンの大学生を描いた血まみれのフェミニストホラーであるデビュー作の後、このフランス人監督のファンが彼女に次に何を期待していたのかはわからない。しかし、『Titane』は誰も予想していなかったと言ってよいだろう。「Titane」は、大胆で恐れを知らない作品である。デュクルナウ監督がデビュー作の成功後、1年間不安に襲われて仕事ができなかったという。

デュクルナウ監督は語る。「私は1年間、ライターズブロックに陥りました。目が覚めて、シャワーを浴びて、服を着て、一人でパソコンの前に座って、待つのです。ひたすら待つ。夜になっても何も来ない。1年間、毎日そんな状態が続きました。ある時、私は本当の怒りを感じ始めました。自分自身への怒り、外部からの期待への怒り、そして生への怒りです。その怒りは、私をある地点へと導いたのです。”どうでもいい”というエネルギー、自分のやり方でやろうと決めたとき、すべての制約から解放されました。」

「期待されるものを解体し、最終的には破壊しようとすることが、私の理解する”自由”です。私は自分自身にも、観客にも、期待に安住してほしくないのです。それが芸術というものだと思います。決められたことからは何も良いことは生まれません。」 - DECEMBER 11, 2021 THE Hollywood REPORTER -

『 ニュースのよみかた: 』

常識を破綻させた作風で映画界の頂点に立った女性監督の創作日常は破綻していた、という記事。

実に素敵だ。自作ではより、苦悩していただきたい。

『 ストイックな生き方の意味 』

ストイックに徹して創作のためだけに生きる覚悟、それは、観客への責任である。情報と娯楽が爆発増殖している現代において観客の可処分時間を奪う行為の罪は、日々、増加している。

40年前の感覚で映画を完成させることは、非常識な罪なのだ。

『 嫌われる必要性 』

好かれればやがえて、嫌われることを恐れて保身が癖になる。創作において重要なのは純度高い真意を表現することであり、保身とはすなわち、妥協に同じ。

アーティストはこそ、嫌われることを選ぶべきだ。好かれようと媚びるアーティストが存在したなら、偽者である。

『 それでも貴方は、求められる 』

破綻した日常に、つれない交流。思考に魂を委ねる日々に人間ごときへの配慮意識はなく、粗暴で短気でもあろうだがに、ストイックなアーティストは、愛される。

80'-90'の受動型観客とは異なり現代に、人々は格段に、本質を観抜く術を持っている。本物であらばこそ、アーティストは求められている。

『 編集後記:』

「NFT WEEKS TOKYO」という国際イベントを創った。
アーティストなら誰もが興味を持ち、しかし手が届かず、未だ情報への入り口を見つけられていない現在に、”その場所”を用意したわけだ。

銀座に来れば、「NFT」を知り、扱えるようになる。
会場で、”中辻プロデューサー”を探し、指名するといい。彼は本企画の発起人であり、アーティストの味方だ。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000036.000033850.html

本物だけを求めて妥協を排する、映画製作の現場へ帰るとしよう。では、また明日。

■ 太一(映画家):アーティスト業界情報局 × 日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、 監督がスタジオから発する生存の記