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白日

夏休みの終わりが、夏の終わりだと
思念を拗らせたのはいつからだったろうか
蝉の声明文が五月蝿く聴こえ出したのはいつだったろうか
無くしたものこそが大切なものだと
習い始めた日からだったろうか
足音が、足跡に代わっていく。

いつか何もかもが白日の下
曝されていく
形容し難かった魂の形も
老舗の秘伝のレシピも
いつか何もかもが白日の下
曝されていく
無秩序に、無遠慮に
ただ写し取るだけの眼の欲を満たすためだけに

虫取り網の中、羽ばたきをやめない、やめない
視てるのはどちらだろうな
魅せたいのはなんだろうな
呼吸が虚空に吸い上げられていく旅
執拗に再生と修正を欲する度
もう陽も陰ってくる

いつか何もかもが白日の下
曝されていく
色弱が捉えた透明の心理も
国家が隠匿した事件も
いつか何もかもが白日の下
曝されていく
無責任に、無関心に
ただ写し取られただけの規制善意をみたすためだけに

虫取り網の中、羽ばたきをやめない、やめない
視てるのはどちらだろうな
魅せたいのはなんだろうな
呼吸が虚空に吸い上げられていく旅
執拗に再生と修正を欲する度
もう陽も陰ってくる

明日らしき事象が
夜色の外套を羽織り
月影からこちらを伺っている。

『白日』

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