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Off topic 『インディーズVC・スタートアップの時代 #205』 要約

Off topicの205回が頭おかしくなるくらい面白かったので、要約しておきます。いつも頭おかしくなるくらい面白いんだけどね。

僕の知識量だと、おそらく間違った捉え方をしてる部分もあると思います。

正確な情報を知りたい人は、ぜひ本編を聞いてください。

メガファンドの時代

USではVCのファンドあたりの規模感がどんどん肥大化していっている。
この現象自体は当たり前のことである。
VCで成功事例が出れば出るほど、成功しているファンドにお金を入れたがるLP(投資家)は増える。

だが一方で、VCはファンドサイズが小さければ小さいほど、倍率が出やすい。
例えばの話だが、10億規模のファンドで20億規模のリターンが出れば、それだけで2倍成功したと言える。これが3社くらい出ればリターンは60億になるわけで6倍の成功になる。
一方で1000億規模のファンドの場合は、20億規模のリターンを50社出さないと元本割れが起こってしまう。
ここの数字の部分はテキトーでいいが、要するにファンドの規模感が大きくなればなるほど、ファンドとしての成功確率は下がる。

それでもGP(VCの代表)はみんな、ファンドサイズを大きくしたがる。
これはGPへのインセンティブ構造が理由にある。
GPは基本的に、ファンドの運用費に2%をかけた金額を「管理報酬」という形で受け取ることができる。
例えば、10億規模のファンドであれば2000万円を管理報酬として受け取ることができる。
だが、これが例えば1000億規模のファンドであれば、20億円を管理報酬としてもらえることになる。

これが、ファンドの規模感が大きくなればなるほど成功確率は下がるのに、メガサイズのファンドが増える理由らしい。

メガファンドの高い期待値で生まれるキャズム

このような成功確率が低いメガファンドが増加することで、USの投資市場にはキャズムが生まれてしまったとのことだ。
それは、規模感の大きいVCが大きなリターンばかりを期待するようになってしまったことだ。
生半可なM&Aで手堅く回収できるようなスタートアップでは、1000億規模のファンドを回収するリターンが得られない。
どのVCも、ユニコーン、デカコーン級のメガヒットだけを求めるようになった。

そのせいで、スタートアップ側の資金調達に対するハードルが上がったらしい。
特に、シード期に資金調達が成功してもシリーズB、Cあたりで全く調達できない、なんてことが増えてきているそうなのだ。
となるとIPOを諦めて、M&Aを目指すしかなくなる。だが、最近のアメリカでは「買収は今後もっと伸びるかもしれないスタートアップの芽を潰す行為」として政府が厳しく取り締まっているらしい。

Facebookに買収された後にinstagramが爆伸びしたような事例があったように、買収された後に買収元と同じ規模感に伸びる会社になる可能性がある。
これを考慮すると、早めの買収は市場を独占する動きになりかねない。
よって、いい規模感の会社を買収しようとする動きに対して、アメリカ政府はかなり制限をかけてくるらしい。

以上の理由により、スタートアップが資金調達できない、IPOもできない、M&Aもできないという出口が見えない袋小路に追い込まれる。

カウンターとしての「インディーズスタートアップ」

上記の通り、アメリカでは資金調達すると事業の成功確率が下がるような状況になり始めている。
そして、VC側も「まず黒字化を目指せ」と依頼してくるところが増えたそうだ。
昔のように、一気に赤を掘って爆発的に市場を取る!みたいな成長曲線を描くスタートアップが減ってきた。

この図で言うと、左側の図を描くようなスタートアップが減ったらしい。
要するに、「資金調達せずにすぐ黒字化。デカい終わり方しなくていいから、手堅く勝とうぜ〜」って戦い方が増えたみたいだ。
ベンチャー的な企業が増えた。

何よりも、普通にIT企業はもう増えすぎた。
今からGAFAレベルの規模感は作りにくい。一気に赤を掘るとその間にくたばってしまう。
だから、販管費を自分たちの利益だけで賄えるような健全な経営を行うようになり始めた。

1990年代後半以降のネットバブルでは時価総額が巨大についても、それを超える成長ができた。だけど今は違う。ユーザーはGAFAで満たされている。
どうしても増えづらくなってしまう。

実際、このPodcastでは「Gas」というSNSの創始者であるニキータ・ビアーさんが以下のように言っていたと触れられていた。

次の5年間でTiktok級のSNSが出るのは1%以下。
だが、10M(1000万以上)のアプリ内売り上げを達成するSNSは100社以上出るのはほぼ確実である。

これはあくまで仮説に過ぎないが、もし本当にこの仮説が正しいのであれば早い段階で黒字化を目指した方がいいことになる。
ネット環境の変化、VCの変化に伴ってスタートアップの戦い方も変化してきているみたいだ。

誰でも起業したほうがいい!そうなの?

最後は、上記の状況を踏まえた上での宮武さんの意見となった。

起業することがかっこいい、みたいな時代になり過ぎて優秀な人材が各々で起業するようになってしまった。しかし、元々は優秀な人材が1社の経営陣に集まるからこそ成功確率が上がる。
だが、現代はそれなりに優秀な若手が散らばって起業して、コケるみたいなケースが増えてきた。ノウハウが1社に集まらないのだ。
だから、宮武さんは闇雲に起業するのが格好いいと思うのではなく、スタートアップにジョインするのも格好いいと思える文化が出た方がいいと言っていた。

ジョブズとウォズでAppleを作ったり、天才が集まってPaypalができたように、そういう多種多様な才能が1社に集まった方が成功確率も上がりやすくなる。
人材が分散している現代だからこそ、そうやって1社で優秀な人間が集まることの重要性を説いていた。



以上、粗雑ですが要約になります!
参考になれば幸いです。

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