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環境が人を育てる

寒さが一段と厳しさを増してきた。グラウンドの木々から枯葉が風に吹き飛ばされ、どこかへ飛んでいく。寮から4年生が次々といなくなる。その姿は、寂しそうで、これから社会に出ていく自分自身にワクワクしているようだった。

練習参加の時からお世話になった岡ちゃん(岡田優希・川崎フロンターレY)が昨日、退寮した。

お迎えの車が来ていたのに、荷物だけを車に載せて自転車で15kmの道のりを走り去っていった。そういう男だ。今まで出会ってきた中でもなかなかのクセだった。
岡ちゃんの弟・理希とは、高校の同級生でサッカー部の仲間でもあった。だから、練習参加の時には知ってたし、知ってくれていた。

僕が今、ア式にいるのは、岡ちゃんの影響を受けたからだ。スゴイ人に出会った!と感じた。今年、結果にこだわってチームを最前線で引っ張ってきた岡ちゃん。
いつも導いてくれた。かっこよかった。

“日本をリードする存在になる”という2018チームスローガンを掲げたのも岡ちゃんだから、日本をリードしてくれそうなのも、きっと岡ちゃんだ。
町田の岡ちゃんをずっと応援します!!
2年間、本当にありがとうございました!!



全体練習がない東伏見は静まり返っている。

なんだか不完全燃焼な毎日だ。
1日をデザインできていない気がしてならない。

それだけサッカー中心の生活を送っていたのか、と思い知らされる。

“サッカーのない生活”は、新鮮だ。不完全燃焼とともに、可能性を感じたりもしてる。イイこと思いついたりもしてる。


2019シーズン始動日が2月1日に決まった。
時間があるようで、きっとない。
大学生活の折り返し地点に立っている今の自分と同じくらい、あっという間だった、と後になって感じるはずだ。


オフ期間に入ってまもなく、

2018シーズン終了しました😆⚽️

というインスタの投稿が増えた。
どこか嬉しそうだ。

ちなみに、僕はまだしていない。

投稿するとすれば、

2019シーズンが始まりました😠🔥

と2018のうちにしようと思っている。
それだけ来シーズンにかける思いは強いから。


この数日間、2019シーズン副将の金田くん(金田拓海・ヴィッセル神戸U-18)が参加者を募って合同自主トレーニングをしていた。参加していたのは、主に寮生と東伏見周辺に住んでいる部員だった。

シーズン中に比べたら強度は低いし、楽しさが先行してしまう。サッカーって楽しい。そして、緊張感は全くない。ふざけられるサッカーは久々だった。

それでも、トレーニング開始の1時間前からケアルームで身体をほぐしたり、グラウンドで有トレ(フィジオセラピスト有田さんによるトレーニングの略称)をする部員の姿があった。オフ期間に入ったばかりだというのに。

ボール回し、4vs4+3や3vs3vs3のボールポゼッション、1vs1、クロス対応、8vs8など、意外と結構ガチなトレーニング内容(笑)

がっつりデラ(小野寺拓海・専修大北上)に1vs1で右足首を削られた(笑)

デラのガチ加減は常にチーム1だ。削られたが、来シーズンに向けての意思が伝わってくるようだった。練習生の頃から変わらない姿勢で毎日東伏見を走り回っている。デラの頑張りに勇気をもらったことは何度もある。思わず圧倒されてしまう。通常、1~2ヶ月かかる入部までの道のりを、たったの10日くらいで合格した。伝説的に早かった。誰もが認める最高の同期だ。

きっと僕が一番ふざけていた。でも、トレーニングには毎日参加した。サッカーが好きだから!成人式を間近に控える僕は、まだまだサッカーが好きだ。


今日ここで述べたいことは、

環境が人を育て、その環境を創り上げるのは自分たちでしかない

ということだ。
ちょっとカッコつけたことを言って若干痛いかな。でも、本当にそう思っている。

1年だろうが、4年だろうが関係なく、落ちているゴミを拾う。困っている人がいたら、自分から声をかける。チームのために必要だと思ったことは積極的に発言する。そして、行動を起こす。

当たり前だろ、そんくらいできるわ

って思うかもしれないけど、意外にできていない。自分自身がそうだった。

数日前のブログ。
“大学サッカー、人が来ない。”
見事にバズった(笑)沢山の人に共感してもらえたからこその178リツイート456いいね!だと思う。今もなお、増え続けている。一人でも多くの人に届いてほしい。

そんな動員の時は、だいたい電車が激混みになる。最寄駅から会場までの道のりも人で溢れる。たぶん、信号機を最も注意深く見ているのは、ア式だ(笑)チカチカで渡り始めるなんて、アウトだ。周りの人が赤でも渡るからって渡っていいわけがない。チカチカから赤になっても車道に残ってたら死んだも同然だ。いや、それは言いすぎか。でも、そんな冗談が思い浮かぶほどア式は一人ひとりに“こだわる”ことが求められる。他じゃないよ、ア式だよって。しっかりできて当たり前だろって。

新人監督を見事に務め上げた学さん(小笠原学・青森山田)はチームに厳しさをもたらす人だった。学さんは、“いるだけ”でチームが締まった。自ら嫌われ役を演じていた。小柄ながら屈強な男は、ピッチ内外で示し続けた。

4年生を送る会で、
ありがとな、頑張れよ!
って言ってもらえた。ちょう嬉しかった。
でも、気づけば退寮していた。何も言わずに去っていくあたりが学さんらしい。写真撮りたかった!と思える先輩だった。

後期の国士戦でソレは起きた。

相馬くんが相手と小競り合いになった。 執拗なマークを受けていた相馬くんはアフター気味にファウルされた。確かにカッとなっていた。前日のJリーグ出てたし、忙しすぎる強化指定選手だった。

試合後に、この試合で初めてベンチ外になった学さんは、応援席で勝利の雰囲気をぶち壊した。

全体ミーティングの場で、相馬くんの振る舞いが気に入らないとハッキリ伝えた。あり得ないとも。許さないとも。

静まり返った。
あれ?試合勝ったよな?
負け試合より負け試合な雰囲気だった。

点を決めて、チームを勝たせても関係なかった。ダメはダメなんだ。

しかも、相馬くんと学さんは寮の304号室でルームメイトだった。面白いけど、こればかりは笑えない(笑)

それは、さておき。
ぶち壊すことができたのは、学さんだったからだ。学さんがいなければ、あれでオッケーになってた。偉大な人だ。来年以降、学さんのような人が現れるだろうか。嫌われ役になったとしても最後の最後までチームに働きかけられるだろうか。厳しさや緊張感をチームに張り巡らせられるだろうか。

自分に問う。

あんな風に言えるか?

言えるだけの取り組みを日頃からできているか?

ノーだ。今は、確実にノーだ。今は。

やっぱり学さんスゴかったな、と自分たちが4年になったら思うんだろうな。 ありがとう、学さん。



“人として”という部分を重要視するのがア式
だ。当たり前の基準を追求するのがア式だ。周りの人に影響を与えられる人間になれたら、ア式らしさがイイ感じに滲み出てきた頃だ。最高だ。

“Waseda the 1st” 人として1番であれ

僕の好きな言葉であり、ア式はこの言葉と常に共にある。

早稲田スゲーな!!

サッカー仲間や友人に言われたりする。そして、他競技の友人にも。

何でそうやって言ってもらえるんだろう?

関東リーグ制覇したから?
試合に出たから?

そりゃそうだ。
あくまでもここはサッカーの組織だから。
逃げられないし、逃げちゃいけない。
そこがブレたら何もない。
サッカーで結果を残すことが一番だ。

でも、それだけじゃない。

リーグ戦優勝した。試合出た。

だからどうした!!

それしかないか?もう何もないか?

じゃあ、もしもリーグ戦優勝できてなくて、試合にも出れてなかったら、早稲田スゲーな!!って言ってもらえないのかな。

最近どう?っていう友人からの何気ない問いに、どうやって答えられるだろう。


サッカーだけをしていればいいわけじゃない

そう、思った。

人として1番であれ、に向かっていくプロセスで何かを学ぶ。

学べる環境が僕のすぐ近くにある。

その一つが、僕たちが力を入れている社会貢献活動だ。
(社会貢献活動について→https://note.mu/taihei9100/n/n106e0e7a1a16

(冒頭の“イイこと思いついたりもしてる”は社会貢献活動に関すること。オフ期間中に更新する予定!!)

先日、早稲田大学競技スポーツセンター コーディネーターの橋谷田さんに食事会を開いてもらった。橋谷田さんは、数多くのボランティア活動を学生に実際の活動や講義を通じて伝えてくださり、早稲田スポーツに御尽力されている方だ。12月はじめの早稲田カップ2018 in気仙沼にも御同行していただいた。

橋谷田さんのおかげでこれまでよりボランティア活動に興味を持つことになった。お聞きした話は、どれも印象的だった。

障がい者のスゴさ、スポーツのチカラ、ボランティア活動の素晴らしさ。いかに、僕たちが恵まれた環境にあるか。

他人事ではなく、真剣に考えられるようになったのは、橋谷田さんに出会って、実際にボランティア活動を始めたからだ。




“なぜ、大学でサッカーするのか”

ア式は今年、大塚製薬さんとのコラボCM制作に携わらせてもらった。その時のテーマがこれだ。

答えが見つからない根本的なQuestionだ。しかし、大学サッカーにおける課題や葛藤などのリアリティーが多くの人々に響いた。

1分半に“大学サッカー”が詰まっている。
(CM→ http://youtu.be/nTz0fwPZMpo)


大学サッカーをしている。プロを目指して。
でも、プロになれるのは一握りの人間。

じゃあ、なれなかったら、どうする?

何で大学生になった今も、全力でボールを追いかける?

どのスポーツでもどの年代でもどこに所属しても、それなりに人としては成長できるだろう。

世界最大のスポーツであるサッカーなのに。ワールドカップの時は、みんなでワイワイ応援するくせに。高校サッカー選手権決勝は4万人も観に行くのに。

何で大学サッカーこんな人来ないの!!

伸びしろしかない大学サッカーには、他にはない価値が未だ眠ったままで、起きてこないだけだ。起こそうとしているのだが。

起こせたなら、

きっと成長度合いはハンパじゃない!

次にサッカーを面白くするのは大学だ。

スギ(杉山耕ニ・三菱養和Y)が大学サッカーを代表して叫んでいる!!

みんな、観に来いよー!!

オモロイぞー!!

大学サッカーには、何かを変えよう!とチャレンジできる環境があって、もがこうとする自分たちがいて。学生がアクションを起こしていける“特設ステージ”なのかもしれない。ポジティブすぎるか(笑)

大学サッカーだからこそ、ア式だからこそ、人として成長できるんだ

大学サッカーは、ある意味、これからのスポーツだから。ア式もまだまだこれからだから。ただ、ステージが違うだけで、サッカーは世界最大だから。


僕の周りには、刺激的でインフルエンサーな男が溢れている。そういう人がより溢れてほしい。一緒にいるだけで刺激をもらえたり、高め合える人がいるって最高じゃないか!!

そういう人たちが僕を取り巻いてくれている。

そういう環境が、ア式という場所が、人を育てる。人として1番であるためのヒントが、1stに近づくためのヒントが、転がっている。

でも、それを誰も教えてはくれない。

自分と向き合いながら“主体的”になれば、それに自ら気づくことができるから。


1924年の創部から歴代の諸先輩方によって確かにア式は受け継がれてきた。それが、ア式という何かを創り出した。今あるア式のイメージはそれに基づく何かだ。

しかし、今ある環境を創り上げているのは、他でもなく自分たちだ。そこには、重大な責任が伴う。これから先も続いていくア式の一部になり得るのだから。

岡ちゃんに、自主トレーニングでも1時間前に来る奴に、デラに、学さんに、橋谷田さんに、ボランティアに、ア式という場所に、僕は育てられている。刺激を受けている。

来シーズンは、もうチームを引っ張っていく立場だ。3年生だ。折り返し地点を、折り返してしまう。
育てられた2年間に感謝して、チームのことを考えるべきだ。

そして、今度は自分が!!

刺激的でインフルエンサーな存在になってみせる。
当たり前 #ATARIMAENI をブラさず、創られた環境に厚みを加える。
色々な角度から大学サッカーに問いかけていく。


退寮していった4年生と同じ気持ちだ。

これからの自分自身にワクワクしてきた。





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