見出し画像

早稲田カップ2019



11/29のトレーニング後、東伏見を21:30に出発した。気仙沼で開催される第8回 #早稲田カップ2019 に参加するためだ。個人的には、2回目の参加になる。


翌朝、目を覚ますと、バスは海岸沿いを走っていた。普段なかなか、海を見ることがない僕は、真っ先に飛び込んできたその景色が印象に残った。

この海が、日本中を悲しませた未曾有の出来事から、まもなく9年が経つ。


当時の僕は、横浜市在住の小6男子。6限の体育の授業で校庭にいた。状況を鮮明に覚えているのは、それだけ怖くて、忘れられない出来事だったからだ。

あれから僕も、有難いことに無事に9年が経ち、大人に近づき、早稲田大学ア式蹴球部の社会貢献活動として気仙沼を訪れるようになった。不思議な縁が、ここに連れてきてくれた。


綺麗な海の手前、今も工事が続いていた。


点々とした住居や建物、草が生い茂る更地が、復興の現状を物語っていた。






風が冷たすぎる6:30。グラウンドに着くと、すでにお父さんたちが準備を進めていた。少年サッカーの大会は、お父さんコーチの尽力なくして、成り立たない。子どもたちを想って、平日は仕事して、休日はコーチになるお父さんの姿を、21歳になろうとしている今、その有り難みを、スゴさを、初めて考えることになった。



早稲田カップは、小学6年生以下の大会。8チームを2グループに分け、各グループの順位同士で順位決定戦を行う。
ex.) Aグループ1位vsBグループ1位→決勝戦、Aグループ4位vsBグループ4位→7.8位決定戦


参加チーム

Aグループ:気仙沼シャークス、鹿折FC、FCみらい2002、FC南三陸 

Bグループ:FC大谷、FC針エンテ本吉、なかのFC、エスペランサ登米



僕は、昨年に引き続き、 #鹿折FC を担当した。

昨年の5年生たちが覚えていてくれて、嬉しかったな。
確実に成長していた子どもたちを見て、頼もしかった。中学生になっても、頑張ってな。
5年生は、また来年もサッカーしよう。成長して、こんなことできるようになったぞ!って自慢してくれ。来年は優勝しよう。




この大会は、色々な方々の想いがあった。

子どもたちは、きっと何も考えず、ボールを追いかけていた。楽しくて仕方ないのだろう。

大人たちは、そんな子どもたちを想って、子どもたちの当たり前を守るために、動き回っていた。

OBの皆さんは、そんな光景を微笑ましそうに眺めていた。昔の自分に照らし合わせるように。

そこには、サッカーが好きっていう単純な想いが溢れていて、最高の空間があった。



被災地復興支援ボランティア 早稲田カップの発起人は、加藤久さん。今大会のコーディネーターであり、ア式の大先輩。今年で8回目大会を無事に終えられたこと、この活動が震災が起きた年から始まったこと、本当にとてつもない行動力だと思う。

参加してみて思ったことは、大学生にできることは大会を運営しながら、子どもたちとサッカーを一緒にするくらい、だということ。いつもの監督さんとは違った雰囲気で、切り口で、子どもたちにアプローチをして、少しだけサッカーの上手い大学生が、何か本当に小さなきっかけを与えるくらいだった。でも、それが尊かった。


帰り際に  #すがとよ酒店 に立ち寄って、震災被害・復興のお話を聞かせていただいた。まずはじめに、店主の菅原さんが20分ほどで当時の状況を写真を交えながら、事細かく伝えてくださった。港から約200m離れる、すがとよ酒店には、漁船がぶつかっていた。僕が担当した鹿折FC、鹿折地区でも甚大な被害が出ていた。


菅原さんのお母さんは、僕たちに #東日本大震災で学んだこと を伝えてくれた。 (写真)

当たり前はない


特に、この言葉が重かった。響いた。


お母さんは言っていた。


何気ない日常、他愛のない会話。たまにはお父さんと口喧嘩したりもしたけど、 それは幸せなことで、当たり前が尊かったんだもの。



僕たち、 #早稲田大学ア式蹴球部  のいち学生にできることは、先述の通り、子どもたちとサッカーをすることくらい。きっかけを与えるなんて、おこがましい気がした。一緒にサッカーを全力で楽しむ、それに尽きる。

やっぱりサッカーは楽しくて、やっぱり子どもたちは可愛すぎた。そして、僕自身、サッカーが大好きであることを改めて感じられた。



この大会の意義を考えてみた。


この大会が開催されるのは、

3.11があったからであり、

そこから立ち上がった人々が期待する未来の子どもたちのためであり、

当たり前の尊さを知り、考えるためであったんだ。


そう、心に刻み込んで夜行バスに乗り込んだ。

本当にすべてが尊いと知って、12/2 5:00 東伏見に着いた。



今大会は、主催である気仙沼市サッカー協会をはじめ、後援 気仙沼市教育委員会・気仙沼市体育協会、特別協力 早稲田大学競技スポーツセンター、協賛 アシックスジャパン株式会社、大塚製薬株式会社、東京海上日動火災保険株式会社、東京海上日動あんしん生命株式会社、会場提供 大谷中学校・小学校グラウンド、など本当に沢山の方々のご協力・ご支援によって開催できること、心から感謝申し上げます。


温かい気仙沼の方々、元気な子どもたちに出会い、復興の現状を目の当たりにして、早稲田カップが開催できること自体がいかにして尊いことのなのか、そこにある意義や人々の想いは、どれも深かったです。言語化が難しいですが、本当に感じまくった2日間でした。行って、感じることがすべてでした。

ここで出会えた子どもたちのように、心からサッカーを楽しみながら、頑張りたいと思います。


今後とも、息の長い活動として繋げていくために、来年も新しい顔を連れて、会いに行きます。


また、来年、お会いしましょう!!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?