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最愛のハムスターが亡くなった話


「ハムスターもう1匹飼いたくない?」

それは元カレのふいの一言で決まりました。

2018年12月下旬世間はクリスマスに浮かれている時期私たちもその有象無象に混じり、初めてのハムスターをうちに迎え入れました。
ジャンガリアンハムスターのブルーサファイア♀
名前は元カレの「姫のように可愛く育って欲しい」という案から「姫」と名付けました。

姫は好奇心旺盛のやんちゃハムスターで脱走もお手の元。夜はしきりにゲージを齧って散歩を要求、嫌なことがあればすぐに飼い主の手を噛みました。
元カレも私も名の如く姫様のようにハムスターを可愛がったのだが、何せ初めてのハムスターだったから噛み癖を治すことは簡単ではなかったのです。
憧れの手乗りハムスターにはなってくれたのだが、
手を噛むわ噛むわ…。時には血が止まらないほど噛まれる時もありました。

ネットや知人の知識を借りてなんとか噛み癖を治せないものか試行錯誤したのが半年経っても治ることなく、これもハムスターの個性だと受け入れることとなりました。

ハムスターを飼い始めて約半年時は6月下旬。
生活に不満なく暮らしていたのだが、ふとホームセンターのペットショップに寄った時目を引いたハムスターがいました。

"ジャンガリアンのパールホワイト"

毛並みが真っ白で雪見だいふくかのような見た目のハムスターに私は心惹かれたのです。

買い物中私はパールホワイトのゲージから片時も離れず見ていると元カレが「ハムスターもう1匹飼いたくない?」と提案してくれました。
私は潔く承諾。元カレも次こそは噛まないハムスターに育てたく新しい子をお迎えする気満々だったらしいです。

7月上旬、地方のホームセンターでジャンガリアンパールホワイト♂をお迎えすることになった。
ホームセンターでの飼育環境はお世辞でも良いとは言えなかった。

ゲージの中には数匹多頭飼いで入れられており、どの子にするか吟味していると店員さんがゲージを開けてもっと中を見ても良いと言ってくれました。
その時下の方に埋もれているハムスターを店員さんが無理矢理掘り起こすものだからハムスターたちは縦横無尽にゲージの中を走り始めるわ、怯えて隠れ始めるものもいた。そしてハムスターフリーズ…ハムスターが突然固まり、いくら触っても動かなくなることを言いますがこの時1匹だけハムスターフリーズを起こした子がいました。それがのちにお迎えすることとなった蒼くんです。

ゲージを開けてもらう前までは元気よく滑車を回し、他のハムスターを踏んづけまくって元気いっぱいのハムスターに見えたのに店員さんの手が少し当たっただけでハムスターフリーズ…あまりにも臆病すぎませんか…???
その光景が可愛すぎて私は絶対この子をお迎えする!と心に決め、即購入に至りました。
フリーズを起こしたままなので店員さんに抱き抱えられても微動だにせず、そのまま箱に詰められる蒼くん…。店員さんのハムスターの扱いの雑さは目立ったものの無事に蒼くんの購入手続きを終え、お家に連れて帰りました。

蒼くんの名前の由来は
Mrs.GREEN APPLEの「青と夏」からです。
どうせならカッコいいあおの感じにしたい!てことから蒼(あお)くんになりました。

お家に連れて帰ってからゲージを組み立てていざ蒼くんをゲージの中に入れようとした時、私の手にちょこんと乗ってきたんです。本来約1週間はハムスターと触れ合うことは禁止されてますが、唐突に私の手に乗ってきてこちらもびっくりしました。ホームセンターではあんなに臆病だったのにフレンドリーすぎる…!!!
でもやっぱり臆病気質なのかなかなか巣箱から出てこない日が続きました。やっと触れ合えるようになったのはお家にお迎えして2〜3週間後だったでしょうか。ホームセンターでの雑な扱いを受けていたせいか手を怖いと思ってるみたいで手乗りハムスターになるまでなかなか時間がかかりました。

ただびっくりしたのは手を噛まないんです。
甘噛み?なのか?と言えるほどくちに指を加えは剃るんですが、姫ちゃんみたいに血が出るほど噛んだり全くしないんです。
正直びっくりしました。
初めてお迎えした姫ちゃんが噛み癖がひどいハムスターだったのでてっきりハムスターはそういうものだと勘違いしている自分がいました。

蒼くんが手に乗るようになるまで約1ヶ月半。
臆病な蒼くんが手乗りになるまでだいぶ時間がかかりました。手も噛まないし、手の上で大人しくひまわりのタネを食べてくれる蒼くん。脱走もしません。理想的なハムスターです。

デメリットとしてはオスハムくんなので特有の匂いがあるということ。鼻につく匂いがするため元カレはこの匂いに苦戦し、一緒の部屋にはいられないと根を上げてしまうほどでした。
私は慢性鼻炎のおかげか匂いに対して耐性があるためそこまで気にはならなかったんですが、元カレはダメだったみたいで、私の家に蒼くんを連れて帰って欲しいと言われてしまいました。(元カレの家でハムスターを飼ってた)

それは可哀想だと抗議しましたが、元カレは蒼くんに対してあたりがひどくなりこのまま放っておくのも行けないと思い、なくなく蒼くんだけ私の家に連れて帰り1匹と1人の生活が始まりました。

蒼くんはやっぱり臆病なので私の家に連れ帰られ、環境が変わったのでまた巣箱から出てこない日々が続きました。根気よく名前を呼びかけたり、ちょこっとお顔を出してる時にひまわりのタネをあげたり、と日々蒼くんに構っていたら段々と私に心を開いてくれたみたいで、私が仕事から帰ってくるとゲージから出てきてゲージ入り口前でお出迎えしてくれるようになりました。私にだけ心を開いてくれたのです。

他の人に触られても大人しく触られる蒼くんではあるのですが、頬袋の中身を全部出したり、うんちやおしっこをしちゃったりと怖がってる素振りは見せるんですが、私に対してはそういう素振りは一切なくむしろ自分から寄ってきて私をしきりになめてくれました。

姫ちゃんも可愛くて仕方がなかったのですが、
ここまで自分に懐いてくれる蒼くんのことが息子同然のように愛おしく感じ姫ちゃん以上に愛情を注ぐごとになりました。

時は10月上旬
ふとペットショップに寄った時みんなより一回り小さいハムスターがしきりにゲージをなめているのを見かけました。

「俺、この子一目惚れしちゃった。飼いたい」

パールホワイト♀雨が降っている日にお迎えしたから雨ちゃん


ほぼ即決でお迎えが決まりました。

姫、蒼、雨3匹(うち蒼くんだけ私の家で他2匹は元カレの家)と人間2人の生活が始まりましたが、

時は12月下旬、元カレの不摂生、私の横暴な態度、互いに許せない部分が溢れに溢れ出し別れる流れとなってしまいました。
ハムスターは今まで通り蒼くんだけ私が引き取る流れになりましたが、別れて1ヶ月後雨ちゃんが脱走して賃貸マンションの壁を齧ったことにより元カレがハムスターの飼育放棄。餌をもらえない日々が続いたみたいで2匹とも死にそうな状態でした。

これではいけない、と思い私が2匹とも引き取ることにしました。

こうして1人と3匹の生活が始まったのです。

蒼くんはやっぱり臆病なのでいきなり知らないハムスターが増えたことに不安を覚えたらしく、落ち着かない日々が続きました。

姫と雨は餌を与え続けることでどうにか回復し、
元の体調に戻ることは出来たものの特に雨は人間に対して警戒心が生まれたようで人間に思いっきり噛み付く子になってしまいました。

雨に慣れて欲しくて指の匂いだけ嗅がせようと頑張ってみたもののやっぱり怖いみたいで毎日が血塗れの日々でした。

年を越し、3匹と1人仲良く暮らしていましたが、
この頃から蒼くんが病気にかかりやすくなり、よく病院にお世話になりました。お腹の調子が悪かったり、おめめが赤くなったりと心配事が続くようになりました。

雨も9月ごろ悪性の腫瘍が見つかり、手術で一命を取り留めましたがより一層人間嫌いに拍車がかかり、二度と手の上に乗ってくれなくなりました。

蒼くんが1月から急に食べる量が増えました。
食欲旺盛なのかな?と気にせずに餌を与え続けてました。
1月下旬からひまわりの種を剥けなくなりました。
下手くそなのかな?と思い、私が出来るだけ剥いてあげるようにしました。

2月蒼くんの落ち着きがないようにみえました。
単に元気があるのかな?とあまり気にしないようにしました。この頃うんちの調子が良くないように思えたので病院には何回か連れて行ってました。

3月蒼くんがよく鳴くようになりました。
ストレス性の鳴き声だと自分で判断して病院には連れていきませんでした。
そして4月9日あまりにも鳴くものだから心配になり、病院に連れて行ったところ

「今にも死にそうだ。肺の30%しか稼働していない。1週間生きれてやっとだ」

急な診断に言葉も出ませんでした。
元気よく動いていたのは、呼吸が苦しくてもがき苦しんでるから。
餌の食べる量が増えたのは呼吸で体力を使うから。
触ったら今にも呼吸が止まりそうだから触らないでくれ、と言われました。

元気よく餌を食べて元気よく動いていたんです。
自ら手の上に乗ってきて、散歩を要求したりひまわりの種をいつも通り要求してきました。

ハムスターは自分が弱っているところを隠す。
まさにそれだったんでしょう。

すぐに家に連れて帰りましたが、もはや虫の息。
息はしているのですが動く体力もないのでしょう。
苦しそうに息をしようと、必死に生きようとしているのがわかりました。

「蒼くんがんばれ!蒼くん大丈夫だよ!」

飼い主にできることはこれくらいしかありません。
獣医から薬をもらいましたが、落ち着くまで飲んでくれないとのことだったので、蒼くんが落ち着くまで側についてやろうと思いました。

蒼くんは手の上で息を引き取りました。

筋肉がすぐに硬直して冷たくなりました。
あまりにも急な出来事で1時間ほど放心状態。
それから次の日まで涙が止まりませんでした。

初めてペットとの死に直面し、この気持ちをどこにぶつければいいかわからなかったです。

蒼くんを手放したくなくて2時間ぐらいずっと泣きながら蒼くんを撫でてあげました。
病気であるSOSは蒼くんは出していたのにそれに気づいてやれなかったこと。
蒼くんは苦しんでいたのに鳴いてて可愛いねなんて甘く考えていた自分が滑稽で憎くて仕方ありませんでした。

臆病で私にだけ懐いてくれた蒼くんには1番愛情を注いでいました。獣医師に「よくハムスターの異変に気付きましたね」と褒めてもらえるくらいハムスターのことはよく見てるつもりだったんです。

でも今回の肺炎には気付いてあげることが出来なかった。飼い主として失格です。
ごめんね、蒼くん。不甲斐ない飼い主で。

思いっきり泣いた後、おうちのプランターに蒼くんを埋めて一緒にマーガレットを植えました。
実はドッキリでした!て顔出してくれないかな?なんて思いましたが蒼くんは未だに眠ったままです。

相当苦しかったと思います。
ジャンガリアンハムスターオスの平均体重は45gに対して蒼くんは37gしかありませんでした。
1年と9ヶ月長いようで短い時を蒼くんは私と過ごしてくれました。

くりくりお目目で丸餅のようなフォルムの蒼くん
寝言がいつもひどくて寝相も悪かったね。
私の手の上が大好きでかくれんぼも大好き。
名前を呼べば反応してこっちに来てくれた蒼くん。

1年と9ヶ月しあわせでしたか?

また私に会いに来てくれると嬉しいです。

姫ちゃんと雨ちゃんと一緒に貴方の帰りを待ってます。

長文失礼しました。

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