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たてがみをなくしたライオン

男がVIO脱毛を始めた記録。

始めたときの感情を忘れないうちにまとめてみる……そんな書き出しで下書きに入ったまま1年ほど経ってしまった。正直もう始めたときの感情は忘れつつある。しかし1年後よりマシだろうという気持ちで思い出しながら書く。

生々しい表現も出てくるので、覚悟のある者だけが読み進めてほしい。

Oの毛をなくしたかった

O(VIOのO)の毛がウザいから脱毛しようと思ったのがきっかけだ。Oの毛がウザいと思ったのはなんでだろう。何に困るわけでもなく昔から邪魔だと感じていた。

たてがみ(いわゆるVライン)の脱毛をしたい気持ちはなかった。むしろたてがみをなくすのはヤバい気がしていた。今はもう何をどうヤバいと感じていたのか思い出せない。悔しい。

Oラインの脱毛を調べていくと、VIOでセットになっていることが多かった。Oだけやるのは損な価格設定だったので、まあこれも経験かな〜と思ってVIOまとめて契約した。(6回セット6〜8万円とかだったっけな?)

さらに、脱毛は人生に与える影響が大きそうなことも動機のひとつだ。ピアスを開けた動機と同じ。

些細なことながら一生影響が持続するわけだからまあまあ強い影響かなと思う。

ヒゲ脱毛をしていたので脱毛自体は経験済みだった。ちなみにVIOの後に全身脱毛も始めた。

前日、剃毛式

施術の前に毛を剃ることを剃毛式と呼んでいるけど一般的なのかなこれ。剃ってくれるところもあるけど僕の行ったところだと事前に自分で剃ってくる形式だった。
脱毛施術(照射)よりも剃毛式こそが本番だった。たてがみのない状態のライオンに初めて対面するわけだから。
ザクザクと剃り落としながらいろんなことを思った。

プライドも剃り落とされていく

毛のないそれはめっちゃ小さく見えた。

今までライオンだと思っていたものの実体はたてがみだったんだと気付く。ふわふわの毛の犬を濡らすとガリガリに見えるように。骨と肉だと思っていたそれの大部分は毛だった。

なぜか恥ずかしい。剃っている様子を誰かに見られているわけでもないのに恥ずかしい。しかもふわふわとしたモヤのような毛が取り払われてはっきりと肌が見えるのだから余計に。着ていたつもりのなかった服を脱いで裸になった。無意識に内股になっていたかもしれない。

自分自身ライオンやその大きさにプライドを持っていたのかもしれないと気付く。そんなつもりなかったけど、ないと情けない気がするのだからそうなんだろう。

仕事を誇りに一生懸命働いてきたサラリーマンが定年退職したときってこんな気分なんだろうかと思った。(たぶん違う)

女性器と同じ素材

地肌を見て、女性器と同じ素材、材料でできてるんだなと感じた。もっと遠いものかと思っていたけど近く感じた。

人体の神秘を目にした気持ちだった。

爽快感と清潔感

現在はこの気持ちしかない。たてがみがないことを圧倒的正義に感じる。逆に「たてがみがないのが圧倒的正義」が当たり前すぎて、毛を剃る前と考え方がどう変わったのか思い出せない。

たてがみ、なくしたい。

若人よインドに行くなち○ぽの毛を剃れ

誰と関わるでもなく一人で、家の中で、ただたてがみを剃るだけで旅をしたような気持ちになった。剃った自分は剃る前の自分とは違う。

よく「インドに行くと人生観が変わる」と聞くけど、もしかしたらインドに行くより人生観を変えてくれるかもしれない。若人よインドに行くなち○ぽの毛を剃れ。

インドに行ったことはない。

当日、照射

剃毛式を終えて、クリニックに行って施術。

服は全部脱いだ。Iライン、つまりライオンそのものまで照射するのでそりゃあそう。

6回中5回は女性が担当だった。え、いいの?と思ったけど当然ながら淡々と作業が進められるのでこちらも淡々と施術を受けた。
淡々と進められるのでいやらしい気分にならない…というか、いやらしい気分になったら露骨にばれてしまいそうで恥ずかしいのでならないようにしたのかもしれない。

そんなふうにしていたらやたらと眠くなった。美容院で髪を切られていて眠くなる感覚に近い。

それにしても、これほどまで合法的にというか後ろめたくない状況でライオンを握られる機会あるんだろうかと思う。最近、TwitterでVIO脱毛の担当を女性に代えてくれと主張するおぢさんが現れてディスられていた。まあそういう人も出るだろうなーと思う。

現在

最初に契約した6回の施術が終わった。毛は半分以上減ったと思うけどまだVはふぁさふぁさ、IとOも減ったと思うけど変化をどう表現したらいいかわからない。

VもIもOも根絶したいけどシンプルにお金に余裕がないので追加契約はしていない。余裕ができたら追加契約したい。続けざまに契約しないならもっと間隔空けても良かったなと思う。(3〜4ヶ月間隔で予約していた)

まとめ

もともとVはついでだったけど精神的なインパクトが大きくて楽しかった。今となっては生えてるのも生えてないのもどうでも良いしなんでもいいなと思う。個人的にはなくしたいけど、それはほんと個人的で物理的な欲求でそれ以外にどうすべきも何もない。

そういえば友達に「銭湯行ったときとかやばくない??」言われたけど、まったくやばくない。誰も見ていないし、見ても気にしないし、自分も気にしたことがない。

こういう、やってみる前と後では考え方が変わるような体験を他にも見つけてやってみたい。自分と違う自分になることは、自分と違う誰かを認められることにも繋がる気がする。たぶんね。

※「たてがみをなくしたライオン」はTwitterで見かけた表現で、周りの毛のなくなったそれのことだ。探したけど元ツイートは見つからなかった。

✌️✌️✌️