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Manisdron interview

 こんにちは帯化/造園計画の島崎です。われわれ帯化はつい先日、岡山に遠征し岡山ペパーランドという場所でライブをしてきました。そのときにTHE NOUPというバンドのドラマーである岡田さんのソロプロジェクトManisdronと共演しました。ManisdronはニューヨークのテクノレーベルL.I.E.S. Recordsからレコードをリリースしていて——それ自体がもう驚きなのですが——そのうえライブもとても素晴らしかった。

 そしてドラムを叩きながらサンプラーをいじるという超人技のパフォーマンスに圧倒された勢いで、ライブの打ち上げ会場の居酒屋で色々お話を伺いましたので、その様子をインタビュー形式で一部公開します。フルバージョンはぼくがやっている有料ラジオ「造園計画/ツヴィッシャー・マシーネ課」の会員と、この記事を単発購入してくれた人だけが読めます。L.I.E.S.の話はもちろん、岡山という場所と多様性についいて、「正確さ」と「ズレ」についてなど、面白い論点が沢山あるものになっています。またフルバージョンではインタビューと合わせて、島崎による『機械を追いかける、<精神>を生産する』というよくわからない文章も読めます。では以下インタビューです。

(ラジオの入会はこちらからどうぞ。毎月500円です。)

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島崎:みなさんこんばんは。えー今日は岡山にライブに来ていて、今打ち上げ的なことをやっています。で、せっかくなので今日の共演者のManisdronもといTHE NOUPの岡田さんにお話を伺おうということで打ち上げ中に急にボイスレコーダーを回しています。ということでよろしくお願いします。

岡田:お願いします。

島崎:では少し前段階の紹介だけさせてください。この前ラジオでお話ししたので、ラジオ会員の方は知っているかと思いますが、Manisdronは、ニューヨークのアンダーグラウンドテクノのレーベル、L.I.E.S.からレコードをリリースされていると。


岡田:はい。

島崎:ぼくはL.I.E.S.本当に好きで、fernandoとか33103402とか、broken english clubとか、あれ聴いた時に「もうドラムはこれが最高じゃん」という衝撃を受けて、一時期すごい聴いていました。なので、ぼくはラジオでことあるごとにL.I.E.S.を褒めていたのですが、ぼく経由でL.I.E.S.を知ったファンの方から、THE NOUPのメンバーがL.I.E.S.からレコードを出しているということを教えてもらってManisdronを知りました。で、THE NOUPの活動が先ですよね?


岡田:そうですね。THE NOUPの方が先です。

島崎:THE NOUPは何年くらいやっているんですか?

岡田:今年の2021年で8年目くらいですね。

島崎:THE NOUPではドラムボーカルで、曲とかも作っているという感じですか?

岡田:そうですね。土台は作っています。THE NOUPをやっていて、途中からManisdronを始めました。L.I.E.S.からリリースする前はデモのCDやカセットを売っていました。

島崎:では流通をちゃんとやってという感じではなかったんですかね?

岡田:そうですね。ライブ会場などで売ってました。

島崎:そこから急にL.I.E.S.になるのはなんなんですか?(笑)。もともとL.I.E.S.は好きだったんですか?

岡田:そうですね。L.I.E.S.好きでしたね。一昨年にヨーロッパへManisdronのツアーで行った時に、オランダのアムステルダムにあるRush Hourというレコードショップで働いているMark Creminsという方が企画をしてくれて、その時にManisdronの音を聴いてもらいました。するとライブが終わった後に、「友達のレーベルに紹介したいから音源があったら送ってくれない?」と言ってくれて、送ったんです。その友達というのがL.I.E.S.のRon Morelliで、後々Ronから連絡があり、「レコード出しましょう」ということになりました。

島崎:それは、やばくないですか?(笑)。

岡田:そうですね。L.I.E.S.とは聞いていなかったので。

島崎:L.I.E.S.好きだったんですもんね。L.I.E.S.といえば、上物がすっきりしていて無機質で。

岡田:L.I.E.S.はソリッドですよね。

島崎:そういう意味ではManisdronもL.I.E.S.っぽい音だと言えると思うんですけど、そこに急に日本語詞が乗るという。

岡田:日本語詞のリリースはL.I.E.S.では今まで無かったかもしれないですね。

島崎:びっくりしましたね。というか日本人のリリースってL.I.E.S.で他にあったんですかね?

岡田:日本人ではDiagonalやPANなどからも出しているベルリン在住のNHKという方がいて、あとはZZZという方がいますね。


島崎:NHKはちょっとわかんないですけど、ZZZはL.I.E.S.だったんですね。なんにせよManisdronにはビビりました。しかもライブが生ドラムなんですよね。最初はDJセットだと思っていたので、ペパーランドに着いたら岡田さんが生ドラムでリハやっていてびっくりでした。サンプラーいじりながらドラムを叩くという。

岡田:Manisdronは割と最初からサンプラーをいじりながらドラムを叩くという形でやっていましたね。

島崎:へえ。あ、THE NOUPの時もサンプラー触っているんですか?

岡田:そうですね。THE NOUPの時もサンプラーを上物的に使っていて、シンセとシーケンサーは別のメンバーが触ってますね。

島崎:THE NOUPとManisdronの音楽性って連続していると思うんですけど、Manisdronはもう一個行くとこまで行ってる感がありますよね。

岡田:まだまだ試行錯誤という感じですね。

島崎:あ、そういえばL.I.E.S.から出している音源は昔からあるものなんですか?それとも新しく作ったものですか?

岡田:元からあった曲もありますね。三曲は元々あったもので、もう一曲は後から作りました。

島崎:いいですね。自分の作った曲がレコードになってあのL.I.E.S.の斧とロゴが乗るわけですもんね。

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(L.I.E.S.の「斧」)

岡田:L.I.E.S.はやりとりしていて良いレーベルだなと思いましたね。誠実な印象のレーベルでした。

島崎:岡田さん本人がレコードの在庫を売ることってないんですか?

岡田:それがまだ手元に届いてないんですよ。今月末くらいには届くと思いますが。

島崎:あ、それって扱いどうなんですか?レーベルは原盤権持ってるっていう感じですか?

岡田:そうですね。基本的にはこっちで勝手に増産はできませんね。

島崎:でも個別に売る分に関しては売っていい?

岡田:そうですね。何枚か手持ち分が貰えます。

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