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オフィス・ラブ①

 オフィス・ラブとは、職場内で異性と知り合ったことで恋愛関係に発展する現象をいいます。一般に一日の大半を過ごすのが職場となるため、最も男女の出会いが多い場所となります。オフィス・ラブにおけるテクニック、デメリット等私が体験したオフィス・ラブをお話したいと思います。そして、新たに社会人になる皆様、新たな仲間と仕事を始める皆様に今後の人生の参考となっていただければと思います。

 

出会い

 2015年。社会人1年目。入社後3か月の集合研修を終え、東北の港町で勤務することとなりました。配属から数日が経ち、同じ部署の諸先輩方の顔を少し覚えていき、少しずつ職場の雰囲気に慣れていきました。
ある朝、自宅から職場まで歩いていると、私の数メートル先を歩いているパンツスーツ姿の女性がいました。交差点でちょうど彼女が信号に引っ掛かり、追いつきました。

「おはようございます。」

「……おはようございます。」
 私が軽く挨拶すると、少し驚きの表情を見せながら、彼女は私に挨拶をしてくれました。

 信号が青になり、私は、歩くのが早い方なので、颯爽と彼女を越し、職場に向かいました。事務作業をしていると、先ほどの交差点で挨拶をした女性がママさん社員のアツコとお話をしているのを見掛けました。

「同じ職場の人だったんだ…」

と、思いながら彼女の姿を見ていると、彼女も私に気づき、軽く会釈してくれました。

 彼女の名前はマキ。後で職場の先輩から聞いてみると31歳独身。今年転勤してきたということでした。

 彼女のひまわりが咲いたような笑顔に心をぎゅっと掴まれた気がしました。

 

レクリエーションで褒められる

 それから、通勤時にいつもの交差点で私が彼女に追いつき、軽く挨拶を交わし、私が追い越すというのが、日常的になってきた頃、職場のレクリエーションでソフトボールの試合をすることとなりました。15名程職場の老若男女が集まり、その中に彼女もいました。

「そしたらAチームは〇〇さんとたいき君とマキさんと〇〇さんと…」

 私と彼女は一緒のチームになりました。
 彼女は学生の頃、スポーツをしたことがほとんどなかったとのことです。私は小学校の頃から野球をしていたので彼女にボールの取り方、投げ方を教えました。

「ありがとう。たいき君は教えるの上手だね」

 嬉しそうな表情して、彼女はひまわりが咲いたような笑顔を見せ、私を褒めてくれました。私は顔が赤くなってしまいました。

 試合が始まり、私たちのチームは守備につきます。
 私はセンターを、彼女はライトを守ります。ライトというポジションは中々ボールが来ない場所です。
 加えてセンターは自身のポジションのみならず、他のポジションのカバーを担う忙しいポジションのため、野球経験のある私をセンターに置くことは適切な配置です。
 ところが第一打者からライナー性のボールがライト方向に飛んでいきます。ちょうど彼女が立っているところにボールが飛んでいきます。ところが彼女は突っ立ているだけで、ボールが横切ったにもかかわらず呆然としております。カバーに入っていた私は、ボールを取り、内野にボールを返します。それから何度かライト方向に打球は飛びましたが、彼女はボールを捕球する素振りすら見せず、私にボールを拾わせました。そして一度も彼女は試合中にボールに触れることなく、レクリエーションを終えました。なぜボールを追わなかったか聞いてみると「たいき君が全部取ってくれると思ったから何もしなかったんだよ」と。
 職場内レクリエーションの後、何度か飲み会や鍋パーティなどをして親交を深めていきました。

連絡先を交換する

 年が明け、職場内で新年会をしたときのことです。いつも飲み会に参加する彼女がおりません。一緒に参加したアツコに聞いてみると「マキちゃんインフルエンザにかかったらしいのよ。今日は一緒に日本酒を飲めると思ったのに残念だわ」
 彼女は、一週間インフルエンザで職場を休んでいるとのことでした。

「でも、たいき君と話せて嬉しいわ。彼女よくあなたのこと褒めるのよ。どんな人だか直接話してみたかったのよ。野球上手いんだって。モテるでしょ?」

「いえ、そんなことはないですよ」と謙遜しましたが、前週末に成人式マジックに便乗して新成人をお持ち帰りしました。

「そいえば、来週ワインフェスタがあるんだけど、たいき君も来ない?マキちゃんと若い子何人かでいこうと思ってて、どうかな?」

「ワインは人並みに飲めますのでぜひお願いします」

「マキちゃんは病み上がりだからいけるかどうか確認しておくね。若い子2人はいけるってさ」

「わかりました。楽しみにしてます」

 私が住む港町では地元の海産物を使ったフランス料理とワインが振舞われるフェスが行われるようです。そのオープニングイベントが某ホテルで開催されるとのことです。そのフェスに私と女性4人で参加することとなりました。
 イベント当日、マキさんは元気になっていました。

「たいき君。私がインフルエンザになって心配してたんだって。ありがとね。今日はいっぱいお酒飲もうね」

 彼女はピンクベージュのワンピースに黒いレースをはおっていて、レースから透ける白い腕がエレガントさを演出しております。

「はい。心配してました。今日までインフルエンザが長引いて参加できなかったらと思って心配してました。今日は来てくれてよかったです。私もマキさんといっぱいお話してたくさんお酒飲みたいです。」

 マキさんはお酒が好きらしく、家に帰ったらまず缶チューハイを一缶飲むそうです。特に日本酒が好きとのことでした。少しずつアルコールで顔が赤らんで緩くなる姿にしばらく魅了されていました。私と同じ年代の若い子が2人おりましたが、積み重ねてきた大人の色気は、若い子には出せません。

「たいき君は次何を飲む?」

「次は、このあさりの蒸し煮に合う白ワインが飲みたいです。マキさんは何を飲まれますか?」
 
「あら、たいき君ったらお洒落なのね。ちゃんと食に合わせて飲み物を変えるのは大人のたしなみよ。私も同じのにしようかな」

 「マキさんは、日本酒がお好きなんですよね。でしたら澄んだ日本酒とかであれば、今回の海鮮料理にも合いそうですよね。白ワインを飲んだら豊盃でも飲みましょうよ」

「たいき君は日本酒好きなの」

「はい。好きです。まだまだ勉強中なので、おいしい日本酒が飲めるお店教えてください。」

「うん。いいよ。私も一人で飲み屋街に行くの怖くてまだこっちに来てから中々いけてないんだよね。今度休みの日にでも行って見よっか。そういえばたいき君の連絡先知らないよね」

 こうして私たちはLINEを交換しました。しばらく海鮮料理とお酒を楽しみながら次は二人でご飯にいくこと約束をしました。

「たいき。マキさんと随分中が良いんだね。二人ばっかり仲良く喋ってないでさ、他の人とも喋った方が良いよ」

 彼女の名前はみどり。私の同期でもあり同い年です。149cmの身長に深い青のワンピースに髪型はボブというかわいらしい姿ですが彼女はお酒をあまり飲むことができないため、顔が真っ赤になっていてとても苦しそうでした。それがいっそう守ってやりたいと男心をくすぶる姿です。

「そうだね。顔真っ赤だけど大丈夫。水頼もうか?」

「うん。ありがとう。頼んでおいてくれると助かる。それよりマキさんとご飯いくの?さっき約束してなかった?あまりその気にさせちゃだめだよ。たいきはすぐ年上の女性に甘えるんだから」

「そんな意識はしてないんだけど。無意識にやっちゃてるかもしれないな」

「そういう発言もにおわせなんだよ。社内恋愛は大変だよ。周りも気をつかうし。当事者も気をつかうし。まっ、私したことないからわかんないだけどさ」

 彼女は高校のときに付き合ってから一度も付き合ってないこと。おそらく処女だ。

「そろそろ終わる感じだね。帰りはアツコさんが送ってくれるらしいからこのあとたいきが予定なければ途中まで一緒に帰ろ―」

「うん。そうさせてもらうと助かる。明日も仕事だし」

 私とみどりはアツコさんと一緒に帰ることになりました。

「あったいき君今日はいっぱい話せて楽しかったよ。今度は二人で飲もうね」

「はい。ぜひお願いします。詳しい日時はあとで連絡します。マキさん今日はありがとうございました。気をつけて帰ってください。」

 こうして楽しい時間が終わり、次回は二人で居酒屋にいって日本酒を飲むことになりました。

「次はとことん語ろうね。日が出るまで返さないからたいき君覚悟しといてね」

次回は

 彼女のLINEのメッセージに深い意味があるかどうかは当日のお楽しみです。次回の記事は二人で居酒屋にいったお話をしたいと思います。今回はマキとの出会いを中心にお話ししましたが、次回は、年上の女性を落とすためのテクニックなどを織り交ぜながら私の体験を引き続きお話したいと思います。この記事を見て良いなぁと思って「スキ」や「フォロー」をしていただけたら投稿のモチベーションがアップするので、是非お願いします。長らく見ていただきありがとうございました。

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