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海外居住で日本の携帯番号をどうするか

生活の拠点は、海外がメインという方が増えていると思います。自分の場合は台湾です。その場合は、やはり現地の通信会社とプリペイまたはポストペイで契約してそちらをメインに使うのが一般的です。

しかし、日本にある携帯の番号を保持する必要が、いろんなケースにおいて発生します。

なぜ日本の番号が必要なのか

  • 日本のネットショップなど、様々なネットサービスの契約で携帯番号とショートメッセージによる認証が必要。

  • 日本の親戚など、LINE やSNSを使わない人たちとの連絡手段としては携帯が重要。日本にもどったときの連絡手段としても重要です。

  • 銀行やクレジットカードなど契約上、連絡用番号として携帯番号が必要。

  • 日本のフリーダイヤルに電話する 場合、携帯か固定電話が必要なことが多い。

さて、いままで日本で使い続けていた、メジャーな通信会社、つまりドコモ、ソフトバンク、au などは、おそらくデータ通信(インターネットサービス)の定額契約なども含めて毎月、数千円を支払っていることと思います。それをそのままにする方法もありますが、海外がメインの生活拠点にする場合は、とても不経済です。年間にしたら数万円になってしまいます。

今回は、海外生活をメインにした場合に、日本の番号をどうするかを考えたいと思います。

日本のキャリアが提供する海外ローミングサービスを利用することもできます。日本の携帯電話番号をそのまま利用できるため、日本の友人やビジネスパートナーとのやりとりがスムーズになります。ただし、海外ローミングサービスは通常、高額な通信料金がかかることがありますので、長期間滞在する場合にはあまりお勧めできません。

海外では、現地のSIMカードをメインにして、日本の番号はローミングで受信するか、番号通知を利用して、海外から掛け直すと、通信費用自体は安くなります。

キャリア契約を見直して日本の番号は維持しながら月額を安く抑えることが必要かと思います。

NTTグループのOCN モバイル ONE


月額基本料金(税込み)550円で、月間データ通信量0.5GB、1カ月あたり最大10分相当の無料通話が利用できます。更に通信残量を翌月末まで繰り越しできます。帰国時に1GBくらいが使えることになるので、短期滞在であればことが足りるとは思います。

ただし、転送、留守電(留守電はオプション契約)の機能は上記にありません。

NTTコミュニケーションズのMVNOであり、以下のような特長があります。

データ通信量のシェアが可能:OCNモバイルONEは、データ通信量のシェアが可能な「ファミリー割」というサービスを提供しています。このため、家族や友人とデータ通信量を共有することで、通信料金を削減することができます。

セキュリティ対策:OCNモバイルONEは、携帯電話の紛失や盗難に備えて、セキュリティ対策を充実させています。例えば、紛失した場合にはリモートロック機能を利用して端末をロックすることができます。

オプションサービス:OCNモバイルONEは、様々なオプションサービスを提供しています。例えば、国内通話SIMフリー端末や、安心して使えるケアサポートなどがあります。

以上のような特長を持つOCNモバイルONEは、特に低価格での提供や外国人向けサポートに強みを持ち、利用者からの評価も高いMVNOの1つとなっています。

OCN のキャリアメールもSMSも使えます。国際ローミングも申し込みをすることで利用できます。

台湾居住者のMartin さんが実際にOCN モバイルONEをつかっていらっしゃいます。そのレポートがこちらにあります。

楽天モバイル


楽天モバイルはワンプランしかありません。特長は、3GBまでは、月額1,078円。翌月繰越はなし。大きなメリットは、通話は国内かけ放題。通話料金無料なのです。日本に帰国時に通話が多い人には便利な点でしょう。

台湾など海外から日本への通話も無料(楽天LINK利用時)という点も大きな特長です。ただ、残念ながら、海外から日本に楽天LINKで掛けたときは、相手の端末に番号が表示されないのです。つまり非通知となります。最近は非通知だと取らないひとも増えているので要注意です。

転送、留守電機能があります。海外での利用は、ローミング利用と楽天LINKアプリで可能。

その他の特長は、

データ通信無制限:楽天モバイルは、データ通信を無制限に利用できるプランを提供しています。このため、ネットサーフィンや動画視聴などをよくする方には非常にお得なプランと言えます。

楽天グループのサービスとの連携:楽天モバイルは、楽天グループの各種サービスとの連携が進んでおり、楽天ポイントが貯まるなどの特典もあります。

ただし、楽天モバイルは自社の基地局だけでなく、他社の基地局も活用しています。これにより、カバー率を高めたり、通信品質の向上にもつながっています。つまり、楽天モバイルは自社のインフラを整備している一方で、他社とも協力関係を築き、ネットワークを構成しているということができます。

キャリアメールもSMSも使えます。

au のpovo 2.0

auのPIVOは、基本料無料で自分の好きなトッピングをしてプランを組み立てられるauの格安プランです。基本料0円と非常に維持費が安く、トッピング(オプション)も自分の使い方に合わせて柔軟に追加できます。

ただ、自分で組み立てられるということは、言い換えれば「povo2.0のシステムを理解して自分で組み立てる必要がある」と言えます。povo2.0独自のシステムやトッピングをしっかりと把握し、最適な方法で利用しなければなりません。

料金の安さの代償として、povo2.0はトッピングの組み立てやトラブル・不明点の対処を「全て自分でやる」必要があります。

他のキャリアのように「契約したらあとは使うだけ、困ったら店舗に行ってスタッフにお任せ」といった使い方をしたい方にとって、全部自分でやらなくてはいけないpovo2.0は非常に煩わしいでしょう。

povo2.0には「180日以上トッピングの購入が無いと利用停止」という条件があるため、半年(約6カ月)に1回程度トッピングを利用する必要があります。もちろん一番安いトッピング「smash.使い放題パック(220円)」でもOKです。

smash.使い放題パックをトッピングすれば、年に2回申し込めば利用停止にはならないので、年間の最低維持費は440円に。

欠点は海外ローミングが使えないことです。auのキャリアメール以外を移転すること以外はキャリアメールも使えません。


以上はキャリアとMVMOによる携帯電話サービスです。番号は070、080、090などで始まる番号となります。SMSが使えるということは共通です。

050 IP電話サービスを海外で使う

そのほか、海外居留していて、便利なのがIP電話サービスの050番号です。

これは、携帯電話の回線を使って音声通話をするのではなく、インターネットの通話手順で音声信号をやりとりするものです。 IP電話と呼ばれるもので、通信回線により音声品質が影響されることがあります。番号も携帯電話で使われている090、080、070などではなく、050で始まる番号が提供されます。

いくつかの選択肢がありますが、代表的なのが、NTT系のOCNの050plusと、ブラステルという会社の my050サービスです。

共通している特長は、海外にいても、ローミング料金など必要なく、日本にいるのと同様に電話が受信できるということです。但しインターネットへの接続が条件となります。
 
また、日本への発信も、日本にいるときと変わらない料金体系となります。発信者番号表示も基本的に可能です。相手に050の番号が表示されますので、それだけでは、掛けた側が海外にいることが知られないことになります。

送受信ともインターネットの回線の品質により音声品質も影響されます。
 
共通の欠点は、SMSが使えないということです。オンラインサービスなどの申請や銀行の口座開設には使えないことも多いです。IP電話自体が、音質の劣化や通話途中での切断などが起きやすいため、一部の人々からは信頼性に欠けると見られることがあります。そのため、050番号自体も一部の人々からは信用度が低いと見られることがあります。

050 IP電話サービスに関しては別な記事でも解説してありますので、以下を参照ください。

携帯電話と050 IP電話を組み合わせる

裏技とも言えるのが、この組み合わせです。

具体的には、日本の携帯電話番号を050 IP電話に転送することで、海外でも日本の携帯電話番号で受信することができます。050 IP電話のアプリをインストールしておけば、Wi-Fi環境であれば海外でも通話ができますので、海外での通話料金を抑えることができます。

ただし、転送には基本的に手数料がかかりますので、あらかじめ確認しておくことが重要です。また、転送元の設定によっては、転送がうまく機能しないことがあるため、利用前に事前に確認することが必要です。

結論

海外でも引き続き便利に利用できそうな携帯サービスと050 IP電話サービスを、いろんな角度から比較した表をまとめてみました。参照ください。

日本の番号は基本的に普段はつかわず、海外でも受信する必要がなく、維持費だけは極限に抑えたい場合はau POVO2.0がいいでしょう。日本に帰国したときにトッピングしてデータ通信も通話も可能になりますが、手続きをネットですることが必要です。

日本にガンガン無料で通話をして、日本に帰ったときにもデータ通信をする必要がある人は、楽天モバイルがお勧めです。楽天モバイルは、海外でもインターネットが2GB まで毎月利用できます。ただし、ネットのスピードはあまり速くないです。日本がメイン、または日本と海外が半々くらいな生活バターンの方には良いかもしれません。

その中間的な利用をされる方には、モバイルONEがいいでしょう。毎月の維持費が税込みで550 円で済みます。

SMSが不要で、通信費もかからず、日本にいるのと同じように電話の受発信が必要な方には、050 IP電話がよいでしょう。ただしインターネットのためのデータ通信契約または、wifi 利用は別途に現地で必要です。

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