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IP電話を使おう (1)

目的


歴史ある電話を最新のIT技術でさらに使いやすくします。特に海外在住の人々のために、日本にいるのと変わらない環境を実現します。

LINE アプリなども個人と個人や友人や家族との間のコミュニケーションツールとしては優れていますが、電話でなければならないシーンも多いはずです。

IP電話サービスの、 ブラステルMy050とオランダの12VoIPサービス、そして楽天モバイルのアプリ、楽天LINKなどを比較しながら研究します。

最近の電話事情


電話は固定電話網と携帯電話網に大別できますが、最近はどこの国でも、携帯電話網の伸びが目覚ましいです。

2021年現在、世界の携帯電話人口は約60億人で、固定電話人口は約10億人です。したがって、携帯電話人口と固定電話人口の比率は、約6対1です。この比率は、世界中で携帯電話がますます一般的になり、固定電話の需要が減少していることを反映しています。

このデータは、国際電気通信連合(ITU)の「World Telecommunication/ICT Indicators Database」に基づいています。

しかし固定電話網が無くなるかというと、個人宅はともかく、会社、店舗、事業所、役所など公共施設では以前として固定電話番号が必須となっていますので固定電話網がなくなることはないと思われます。

ホームページなどに需要が置き換わっているとはいえ、即時にサービスの予約をしたり、問い合わせやクレームをするなどの場合は電話が便利といえます。

さて電話といえば、家電話、そうです、昔は黒電話などといわれていたもの、FAXや留守電がついた多機能のものが家庭用では一般的です。オフィスなどの事業所では、ボタン電話機とかビジネス電話機が各机においてあり、構内ごとに交換機が置かれていて、内線番号通話と外線通話が可能となっています。

我々のセミナーでは事業所向けの応用は触れずに、個人でパソコンやスマフォで電話を使うことについて学んで行きましょう。

パソコンと電話機は、一昔前は別物と捉えたほうが良かったのですが、最近電話がIP電話といわれる、新しい規格の電話通話方式の普及とともに、パソコンでも電話ができるようになりました。さらにはスマフォとタブレットでも、標準の携帯電話通話だけでなくIP電話も第2、第3の電話方法として使うことができるようになりました。

あとで、パソコンとスマフォのアプリで普通に電話ができたり、受信できる方法を説明いたします。特にスマフォアプリで電話ができるのですが、それはIP電話と呼ばれます。結果、通話料金が無料または低価格で通話できたり、海外にいても日本と同じように電話での送受信ができるようなことも可能になります。

LINEなどの通話アプリとIP電話の違い


LINE アプリなどの通話アプリとは


LINE IDは主に個人間のコミュニケーションや友人間での連絡手段として広く使われています。ビジネスの連絡用には、メールや電話、ビジネス向けのチャットアプリケーションなど、よりプロフェッショナルな連絡手段が一般的に使われています。

また、LINE IDは一度知られてしまうと、個人がいつでも接続状態になっている可能性があるため、ビジネス目的で使われると、ビジネスと個人間の境界が曖昧になり、プライバシーの問題が発生する可能性があります。

さらに、ビジネスという環境では、社員間や部署間での情報共有やプロジェクトの管理など、より専門的な機能が必要になります。そのような機能を備えたビジネス向けのコミュニケーションツールが多数存在するため、ビジネスの連絡用にはLINE IDが使われない傾向があります。また、サーバーの一部が中国にあったこともあり、また情報が漏洩された事件もあったため、政府の機関や、大企業の一部ではスタッフに利用を禁じているケースもあります。SNSのTikTok同様です。

LINEなどの通話アプリと携帯電話通話モードの違い

LINEや他の通話アプリと携帯電話の通話モードにはいくつかの違いがあります。

通信手段:携帯電話の通話は、通信事業者のネットワークを介して行われます。一方、LINEや他の通話アプリは、インターネット接続を介して通信を行います。

料金体系:携帯電話の通話は、通常、プランに含まれる通話時間や通話料金で課金されます。一方、LINEや他の通話アプリは、インターネット接続に必要なデータ通信量が課金される場合があります。通話自体に課金されることはほとんどの場合ありません。

機能:LINEや他の通話アプリは、通話中にテキストや画像、動画を共有することができます。また、グループ通話や録音機能など、携帯電話の通話機能にはない機能があります。

品質:携帯電話の通話は、通信事業者のネットワークの状況や場所によって通話品質が異なります。一方、LINEや他の通話アプリは、インターネット接続の品質に影響を受けますが、通常は高品質な音声通話を提供します。

以上のように、LINEや他の通話アプリと携帯電話の通話にはいくつかの違いがあります。どちらが優れているかは、使用目的や環境によって異なります。


IP電話とは


画像はNTTコミュニケーション提供


IP電話とは、インターネットプロトコル(IP)を使用して音声通話を行うための技術です。従来の電話回線を使用するのではなく、インターネット回線を介して音声データを送受信します。

IP電話では、アナログ信号をデジタル信号に変換し、パケットと呼ばれる小さなデータパッケージに分割して送信します。このパケットは、インターネット上をルーティングするためのプロトコルである「インターネットプロトコル」を使用して送信されます。

IP電話の最大の利点は、通話料が従来の電話回線よりも格安であることです。また、インターネット回線があれば、どこでも簡単に通話ができるため、地理的な制約がなくなります。ただし、インターネット回線の品質に依存するため、通話品質が低下することがあることに注意する必要があります。

IP電話番号は、インターネット上の一意の識別子であり、従来の電話番号と同様に、他のユーザーに共有することができます。通話を行う際には、IP電話番号をダイヤルするか、あるいはIP電話間であれば、相手のIPアドレスを使用して通話を開始することができます。

また、多くのIP電話には、従来の電話回線と接続するための機能も用意されています。これにより、IP電話から従来の電話回線に通話をかけることもできますし、従来の電話回線からIP電話に通話をかけることもできます。このような機能を提供するために、多くのIP電話サービスプロバイダーは、仲介サービスを提供しています。

IP電話サービスの最近(2023年)

050番号 (日本)

050電話は、日本のIP電話サービスの一つで、NTTコミュニケーションズやブラステル、Cloco、楽天コミュニケーションなどが提供しています。050番号を利用して、固定電話や携帯電話と同様に音声通話ができます。050番号は、従来の市外局番や市内局番と同様に扱われ、市外通話料金や市内通話料金に相当します。また、050番号を利用することで、地域に関係なく全国どこでも同じ料金で通話ができるため、特にビジネスなどで利用されることが多いです。

しかし、メッセージ通信であるショートメッセージ(SMS)は使えません。

050番号をプロバイダーや通信会社に申請して、多くの場合にPC やスマフォーやタブレットで使うことができます。専用アプリの場合と、汎用通信アプリ(IP電話アプリ)で使う場合があります。

12VoIP

海外プロバイダーのIP電話サービスとして、12VoIPを紹介します。オランダに本社をおく、Dellmont B.V.社により運営されている歴史あるサービスです。

12VoIPは、他のVoIPサービスと同様に、電話通話において比較的低い料金を提供しています。また、一部の国々への通話は、無料もしくは極めて低料金で利用できます。例えば、日本の固定電話、中国の携帯と固定電話に対しては無料でかけることができます。

12VoIPは、インターネットに接続された端末があれば、どこからでも利用できます。このため、海外旅行などでも、国際電話を安価に利用することができます。ホームページは英語なので、少々敷居は高いですが、設定が完了すると、電話として使うので問題なく使えます。

My050などと異なり、12VoIPは発信のサービスを主として提供しています。発信者番号に、従来の携帯電話や固定電話を表示する機能があるため、受信した人は、知り合いの番号であることがわかり、安心して受信したり、掛け直してくれたりします。ここが一番の特長です。

申込み方法、設定方法などは、別項目で説明いたします。


ブラステルMy050

ブラステルのMy050とは、050番号を提供するIP電話サービスです。個人でひとつの050番号を取得することがでます。

my050では、PCやスマートフォンなどの端末から、インターネット回線を介して音声通話が可能です。また、スマートフォンアプリを利用することで、050番号での着信や発信もできるため、ビジネスなどでの利用にも適しています。

さらに、my050では複数の端末を登録することができ、複数人で同じ050番号を利用することができます。

特長は、050 サービスでも維持費用が格安でることです。以前は楽天コミュニケーションのSmartTalk が050番号を無料で発行して、通話料金以外の維持費もかからなかったのですが、現在新規加入は停止しています。

My 050番号を取得する場合の利用料金

料金(税込)
設定費:550円
番号維持費:550円/6ヶ月毎

申し込み内容の確認ができるとMy 050番号を発行されます。その後、契約内容がEメールにて送られてきます。無料お試し期間として、My 050番号の発行日から数えて8日間有効な5分間の無料通話が可能になります。

My 050番号の発行日から数えて9日目に、設定費と初回分の番号維持費がマイアカウントの残高から差し引かれます。つまり初期投資が1100円必要ということになります。次回の番号維持費は、6ヶ月後にマイアカウントの残高から差し引かれます。

番号維持費は、6ヶ月毎にマイアカウントの残高から差し引かれますが、マイアカウントの残高が不足している場合、一時的にMy 050番号の利用が止められてしまいます。

その間は発着信ともにご利用できません。チャージすると、My 050番号は自動的に再開されます。ただし、利用停止状態が6ヶ月以上続く場合は、My 050番号は解約となるようです。

My050 のページは以下です。

My050を台湾で使う

台湾に限らずほとんどの海外でインターネット環境があれば、My050サービスをつかうことができます。

My050アプリまたは、IP電話アプリでできることは以下です。

自分の050にかかってきた通話を受信できます。携帯電話サービスのように国際ローミング費用はかかりません。掛けてきた相手にも国際料金でなく通常の日本国内で通話するときと同じ、国内通話料金が課金されます。

台湾にいる受信者には、インターネット接続料金以外の費用は発生しません。

台湾から、My050のアカウントで日本の固定電話や携帯電話にかけるときは、日本いいるときと同じ通話料金がかかります。インターネット接続料金もかかりますが、国際電話料金は不要です。

My050の申請、設定の詳細は次回に説明します。

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