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【観劇レポ】観劇納め 3回目の「エリザベート」

2022年最後の観劇。ミュージカル「エリザベート」大阪公演です。

大阪は日程が超短い上に、年末年始での公演。激戦となるであほうチケット争奪戦を半ば諦め、大阪は観劇できない見積もりで東京遠征を決行したのですが、運良くダメ元で応募した抽選が当たりました…!
B席、3階の最後列ですが、中途半端にA席とかよりも見やすかった気がします。後ろに誰もいないのも気を遣わなくていいし。

エリザベート自体は3回目なので、レポはあっさりテイストです。

進化してる

今回のキャストはこちら。

12/30マチネ

とにかくキャストのパワーアップを感じた今回。

ちゃぴちゃんは2ヶ月ぶりで、10月に観た時もすばらしいエリザベートでしたが、今回は文字通りの「パワー」がさらにみなぎってました。力強く、大地に足を踏ん張ったようなパワーといいましょうか。
「私だけに」「私が踊る時」など、高らかに歌い上げるエリザベートとしての見せ場はもちろん、繊細な精神病院のシーンや、老いの演技ゆえにともすると声が小さくすぼんでしまいかねない晩年のシーンも、3階席まではっきり届く。

着実に「ちゃぴザベート」を磨き上げていることを実感するとともに、どこか花總シシィの武器とも言える高貴さやガラスのような質感も垣間見えました。
大阪公演ではWキャストの片割・花總まりさんが急遽お休みされています。僕が観た公演は元々ちゃぴちゃんの登板でしたが、他の公演では当面、エリザベートを全てちゃぴちゃんが演じることに。Wキャストのロングランの中で、もうひとりのお花様の分も演じるというのは並大抵のことではありませんが、ちゃぴザベートの姿に、声に、表情に、花シシィも背負った覚悟と熱量を見ました。

そしてやっぱり、「私が踊る時」の勝ち誇った顔が素敵なんだぁ…。目に焼き付けたいから、はやくDVD発売してくれ(あと一年近く待たねばならない残酷さよ)。

トート閣下は1ヶ月ぶりの古川くん。いやぁ、古川くんもめちゃくちゃ進化してる。最近すっかり売れっ子になり、テレビの方にも出るようになりましたが、着実に歌のレベルも上がってる。緩急が特に。
今日はなんだか、いつもよりネチっとした執着のようなものも感じました。この世にいるのかいないのか朧げで、人を弄ぶような死神感。エリザベートへの愛や情念が溢れる人間感。どちらもどんどん増強してますね。

いやぁ、来秋発売のDVDの予約、迷った末に育トートの方を予約したのですが、ゆんトートも手元で見たいな。ケチらずダブル購入すべきやったか…。

そしてマイフェアプリンス!万!里!生!いやあ、2022年の観劇をマイフェアプリンスで納められるとは。今日も、結婚前の狩りのシーンで見事に僕のハートを撃つ抜いてくれました。「やぁ!(with超絶フレッシュ爽やかスマイル)」って…シシィじゃなくてこっち見て言って!!言われるためにはもぎたてのフルーツになればいいのか…。
高音が光る万里生くんにとって、フランツは低音が多いので難しいところもあるのではと想像するのですが、クラシックルーツの地盤はやはり盤石。もうこの低音を聴いて眠りにつきたい。悪夢のシーンでの慟哭はほんとに辛い。マイフェアプリンスを苦しめやがって…トートめ…。

ゾフィの剣さんは今回初見です。これでトリプルキャスト制覇!奇跡やな。
剣さんのゾフィは言葉の一つひとつに重みがあって、言葉の意味と演技が連動している印象。香寿さんのどこか余裕やたくらみのありそうなお姑感や、涼風さんの絶対的権力の象徴のような皇太后陛下感とはまた一味違う、常に冷静、冷酷、厳格な、しきたりをその身で体現するようなゾフィでした。

ルキーニは黒羽くん。相変わらずはっちゃけたルキーニではまり役です。10月に観た時よりもちょっとマイルドになったというか、いい塩梅に馴染んできた感じでしょうか。今日は小鳥さんがまっすぐ遠めに飛んでいきました。

ルドルフは立石くん。まさにシシィから生まれました、と感じる繊細さは保ちながら、歌は力強くなった気がします。甲斐くんルドルフも観た上だと、この透き通った繊細さは立石ルドルフの持ち味だと思います。

子ルドルフの理人くんは2回目かな。「マリー・アントワネット」のルイ・シャルルの時から成長して…キレイなキッズソプラノになりましたね!子ルドルフが歌うだけで涙が出るように訓練されているのですが、今日は切ない涙とともに感動も覚えました。マチネなので、カーテンコールにも登場してくれました。

来年も僕の人生は僕のもの!

今年の観劇納めにふさわしい、圧倒的ステージでした。

今年、3回もこのエリザベートという作品を観れて本当にうれしい。そしてこの作品のテーマの一つでもある、自分の人生は自分が生きる、ということは、僕の心に深く刻まれました。

年明けまで大阪公演が続き、その後はツアーファイナル・福岡公演。残念ながらチケットをゲットできませんでしたが、配信が予定されていますのでそちらを楽しみにしています。肉眼ではありませんが、進化した芳雄トートを観たいです。そのためにもぜひ、まずは無事に幕が上がり続けることを切に願います…!

例の流行り病のせいで、東京・名古屋と、残念ながらは完走とはなりませんでした。そして今回の公演ではアンサンブルでもお休みがありました。お花様含めご回復を祈るとともに、エリザベートの完走を祈るばかりです。

エリザベートカンパニーに、よいお年が訪れますように。


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