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【観劇レポ】最高のハッピー ミュージカル劇団四季「アラジン」

観劇レポ、出張第4弾は劇団四季ミュージカル「アラジン」です。

アラジンはディズニーで一番好きな作品。こどもの頃、ビデオ(VHS)で何回も見ました(今ビデオって通じるのでしょうか)。
四季のアラジンは今回が初めて。大阪か京都に来たときに見ようと思ってましたが、一向に東京からやってくる気配がない。ちょうどエリザベートのチケットを取ることができたので、どうぜ東京に行くならと、耐えきれずこっちから出向きました。社会人の財力〜(その分色々削ってますけどね)。

キャストはこちら。

ジーニー大好き

僕がアラジンを愛してやまないのは、圧倒的にジーニーの存在が大きい。一家に一台ドラえもんより、僕はジーニーにいてほしい。…家にいるにはちょっとやかましいか。

ミュージカルでも原作アニメと同じく、やっぱり3枚目な役どころですが、一方でストーリーテラー的なところもあり、花形でもあります。
もちろんセリフとか一挙手一投足もいちいち面白いんですが、いやもう爆音で笑ってしまった。ハイトーンボイスでこれでもか、と爆音で会場を包んだのはある意味魔法。会場中に増幅器でも置いてるんじゃなかろうか。魔法はこの世に存在するんですよ。

豪華絢爛な舞台装置や演出はやはり、さすがの劇団四季。ランプからジーニーが出てくるシーンや数々の魔法、ラストのジャファーの二段階の変身、空飛ぶ魔法の絨毯。ジーニーの魔法が、最大限現実に再現されていて、客席も魔法にかかった気分になる。
初っ端から「アラビアンナイト」が色も音も彩り豊かな豪華さで圧倒されて、音圧で泣かせに来る。人って、理屈じゃなくて細胞で感じて涙を流すんですね。1幕の見せ場であるジーニー登場のシーン、2幕のパレードのシーンも、エンターテイメントの髄をこれでもかと浴びせてくる。アンサンブルの方々も笑顔でイキイキしていて、見ているこちらも楽しくなるシーン。アンサンブルの中だと、占い師の役をやっていた方のお声がパワフルで印象に残っています。パレードでラクダとクジャクを紹介してた人と同じ人かな?

そして。いやぁ、まさかね、終盤から涙が止まらなくって。愛と自由を手にしたジャスミン、ありのままの姿で愛と友情を手にしたアラジンはもちろんのこと、なにより長年望んでいたものの心に秘めていた自由を手にしたジーニー。結論もストーリーもわかっているはずなのに、この幸せいっぱいの最後に涙腺崩壊。普段おちゃらけているキャラだからこそ、ジーニーの切な願いと夢が胸に迫るんですよ。慣れ親しんだアラジンで泣くとは思わなかった。

うつくしく

アラジンは原作よりもより、心のうつくしい青年感が強まって、母や友を想う気持ちに心打たれます。冒頭の衛兵から逃げるところは、アクションも含めて原作の再現度が高くてびっくり。こどもの頃に何回も見た、あの軽いの身のこなしが現実でもできるものとは思いませんでした。

ジャスミンは原作アニメの声に似ている気がして、僕の中にストンとキャラクターが落ちてきました。自由に対して強い思いを抱くその姿はうつくしく、力強い声を響かせていました。
ジャスミンは、いわゆるディズニープリンセスの一人でとありながら、現代的な自由を求める強かな女性としても描かれます。かよわくて守られるプリンセスではありません。

魔法の絨毯で空を飛ぶ「A WHOLE NEW WORLD」は有名なシーンですが、満天の星と空を舞う二人が観客を魅了する。このシーンは視覚的にも聴覚的にも本当に美しい。歌詞は原作の方がシンプルで好きなんですが、アレンジはミュージカル版の方が壮大で、まさに夜空のような静かな美しさと煌びやかさがあるので好きです。
余談ですが、ミュージカル俳優の海宝くんと、元タカラジェンヌの咲妃みゆちゃんがこの曲を歌っている動画がYouTubeにありまして、ミュージカル版の歌詞・アレンジでの歌唱なのですが、非常に良い。定期的に聴きたくなる曲です。

愛すべきキャラクター

アラジンのキャラクターは、一人として憎いやつがいない。

ヴィランのジャファーはいわゆる悪代官的な感じで、蛇のようにしつこいいかにも悪役ですが、お供のイアーゴとの掛け合いでは人間味のある面白さも垣間見えます。イアーゴは原作だとオウムですが、ミュージカルでは人間。原作と同じくやかましいですが、どことなく鳥というよりイタズラ猿っぽい感じでした。

王様(サルタン)は、原作だとお人よしのゆるキャラみたいな王様ですが、ミュージカルではジャスミンを溺愛しながらも厳しさや威厳もある王様。ハリのあるカッコ良いテノールが響くので、原作とのギャップはある意味大きいかもしれません。だって原作は、ヒロインを差し置いて可愛いキャラの座狙ってるから…。

そして原作にはいないアラジンの友人3人組。このポジションは原作では猿のアブーですが、四季オリジナルでキャスト追加されています。終盤の「アドベンチャー」の三人唱はミュージカルらしいハモリが美しい。アブーは喋れないので3人の人間キャストにすることでアラジンのキャラクターを深掘りする役目、そして友情の美しさの表現にも一役担う役どころです。

カーテンコール

ハッピーエンドからのカーテンコール。そこにはこれ以上ない幸せがある。もうどんなお酒より、どんなスイーツより、こんなカーテンコールでお腹と心は満たされる。5回くらい味わえたかな。

最後はアラジンとジャスミンを見送り(なかば追い出すように)、ジーニーで締め。拍手を煽り、今日一番の拍手喝采を得て、「チャン・チャチャチャン」のリズムで会場全体で一本締めならぬ4本締め。きれいに揃いました。

この日の観劇は学生客もいて、帰り際に聞こえてきて衝撃だったんですが、今の学生はこの4本締めの元ネタ知らないんですね。「あれなんのお約束?」って言ってました。かつての昼の帯番組「笑っていいとも!」でおなじみのものですが…たしかに、番組終了してだいぶ経ちますもんね。時が経つって残酷…。こうしてジェネレーションギャップは生まれていくのか…。

では感想を一言で

ここまで書いておいてなんですが、一言で言うなら?

もう一回見たい!(終演一秒後)

そして早く大阪か京都に来て!(一言とは)

終演してからすぐもう一回見たくなる、誰もが幸せになれるミュージカル。個人的には前日に黄泉の国(※エリザベート)に行ったりしていたもので、正統派ハッピーエンドが身に染みる。観終えたあとの満腹感。ジーニーみたいなマシュマロボデーのお腹になりそう。

アナ雪でも思いましたが、やはり四季のディズニーはいいですね。ストーリーもわかりやすく、音楽の親しみもある。さあ、チケット探しますか…。

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