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脱成長社会における教育の新しいかたち


 あなたは教育や仕事、仕事を通して見えてきた社会で違和感につかまったことがありますか?ハッキリとした肯定でもなく、ハッキリとした否定でもなく、今いる場所がいつもいる場所であるのに、なぜか場違いの場所に立ってしまったかのような感覚。直立しているはずなのにフラフラとする、めまいのするような感覚・・

 僕はそんな違和感に2010年代の後半につかまりました。僕は学習塾を営んできたのですが、それの失敗しているときではなく、かえって成功しているときでした。周りからは良い塾と言われる、評判の良い塾ができて、業績もうなぎ登り、保護者も満足そうに、子どもたちは積極的に主体的に勉強に励んでいました。そんな時に、「これが成功?」「この目の前の状況が成功なのか?」という感覚につかまりました。

 目の前の子どもが懸命にとり組んでいたのは算数や数学の計算でした。先生は解き方、その子の間違えぐせについて話をしていました。僕もそのようなことを30年くらい前にやりましたし、50年前もきっと誰かがそれをしていたでしょう。これが成長著しい子どもたちに本当に吸収してほしいことなのだろうか。なんでこんな旧態依然としたことを懸命にとり組ませる仕事をしているのだろうか。また、それで売上を伸ばして会社の同僚からは成功と呼ばれる。でも多くの同僚は気づいていたと思います。そこがとても恵まれた条件のあったことを。僕はただそこを任されただけでした。またその前の日に、初めてお会いするお父さんお母さんが塾に急に駆けつけてきました。「中学受験がしたいです。先ほど近くの中学校の入学説明会を受けてきたのですが、あんなところに入れたくないです。だって前髪は眉毛の何センチ上じゃなきゃいけない、横の髪が耳にかかっていてはいけない、靴下は白じゃないといけない、いろんないけない、いけない、いけない・・みたいなことがあるんです。そんな軍隊みたいなところにウチの子を入れたくないんです。」かたや世界ではAIがもてはやされていて、世界的に有名な大学の教授が、未来は仕事の半分以上をAIが担うという。また、もうかたや日本は経済成長が止まっていて、失われた10年、20年ときて30年と呼ばれそうだ・・。

 僕はそれから会社を変え、元々同僚だった新進気鋭のリーダーのいる新規事業の仕事を担いました。個性的で優秀な仲間たち、新しい挑戦、毎日のようにいろいろな領域の専門家に出会う、ワクワクする冒険のような、そんな時間を過ごしました。日本の教育業界ではいわゆる尖った部分、先端的なところにいたと思います。でもやっぱりそれが子どもたちに本当に吸収してほしいことなのか、自信をもつことができませんでした。確信には至りませんでした。

 そんなとき僕は病になって仕事をお休みました。家と病院とを行き来する日があり、そうでない日は家でのんびりしたり、散歩したりしていました。無為に過ごすのが3ヶ月ほどしたとき、僕はいろいろ調べてみよう、考えてみよう、そしてそれを書いてみようと思いつきました。それがこのnoteの始まりでした。

 それから2.5年かけて、147冊の本、3つのマンガ、5本の動画、3つの楽曲を通して、感じたことを調べ、考え、341の記事にしたためました。これはそのかんたんなまとめとなります。お読みいただけるあなたにとって新しい教育へ向かうひとつのきっかけになれば、それは僕の幸いです。




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