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東京の京浜東北線で台湾散歩 上野から王子へ

いつも台湾の街角を散歩する投稿をしていますが、今回は趣向を変えて東京の上野駅から京浜東北線で台湾(中華民国)と関係のある場所へ行ってみます。
 
新しい1万円札の顔になる渋沢栄一も、台湾と深い関係があるんですよ! 渋沢栄一ゆかりの地、王子にも訪れます。
 
この沿線に、おいしい台湾B級グルメもたくさんありますが、今回は紹介しません。
グルメを期待して見にきてくれた方、ごめんなさい。
さようなら~(笑)
 
まず、最初にJR上野駅の構内から台湾散歩を楽しんでみましょう。
 

大同電鍋のガチャガチャ

JR上野駅3階の一角に、大人向けガチャガチャのコーナーがあります。
ここに、大同電鍋をミニサイズにしたガチャガチャがあります。

大同電鍋のガチャガチャ

大同電鍋は、台湾では一家に最低1台はある国民的家電で、ごはんを炊くのはもちろん、蒸したり温めたりできる万能家電です。
この電鍋で肉まんを蒸すと、ふっくらして電子レンジで温めるよりおいしく感じます。

あまりにも忠実に再現されているので、電鍋を使っている人は、カプセルを開けた瞬間感動すること間違いなしです。

しゃもじ、計量カップも再現されています

電鍋を組み立て、SNSで自慢するための写真を撮ったら(笑)、改札口をでて御徒町へ向かって歩きましょう。

日本最初の喫茶店跡地

上野公園に沿って中央通りをブラブラ歩き、地下鉄銀座線上野広小路駅を過ぎると、右側にコンビニのローソンが見えます。
ここは、日本で最初の喫茶店「可否茶館」があった場所で、記念碑が建っています。

日本最初の喫茶店と台湾がどういう関係があるの?
と不思議に思いますよね。

記念碑の説明を読むと、鄭永慶が設立したと書かれています。
鄭という姓を見て、ピンときた人もいるかもしれません。
清の時代に、台湾にいたオランダ人を追い出したことから、神として祭られている鄭成功の子孫なのです。

日本最初の喫茶店の碑
当時の新聞記事も紹介されています

日本最初の喫茶店と台湾は意外なところでつながっているのですね。
この「可否茶館」は、時代を先取りすぎて経営がうまくいかず、オーナーの鄭永慶は、巨額の借金を抱えてアメリカに逃亡してしまいました。

しかし、「可否茶館」が開業した4月13日は、喫茶店の日に指定されてイベントが展開されるほど、今でも語り継がれています。
 

台北忠烈祠に眠る唯一の日本人を称えた石碑

次は御徒町駅から京浜東北線で日暮里駅へ向かいましょう。
墓地の間を10分ほど歩くと、「全生庵」に到着します。

全生庵

ここに、孫文直筆の「山田良政君碑」があります。山田良政は、1898年青森県弘前の出身で、孫文の右腕となって辛亥革命に協力した人です。
孫文は日本統治下だった台湾にも足を運び、第4代台湾総督・児玉源太郎や民生長官・後藤新平に援助を求めており、山田良政がその仲介をしました。

孫文直筆の山田良政君碑

山田良政は、台北の忠烈祠(日本でいう靖国神社のような場所)に祭られている唯一の日本人です。

忠烈祠は、衛兵の一糸乱れぬ交代式が有名です。衛兵交代だけでなく山田良政の位牌にも手をあわせてみてください。
(位牌は撮影禁止です。ご注意ください)

忠烈祠の衛兵交代

新しい1万円札の顔と台湾の関係

再び京浜東北線に乗り、今度は王子駅で降り飛鳥山公園へ向かいます。

王子駅の中央口を出て飛鳥山公園の入り口に着くと、モノレールの駅があります。無料で利用できるので、ぜひ乗ってみましょう。
法律上はエレベーター扱いなので、車内のボタンもエレベーターそっくりです。わずか2分ですが、空中散歩を楽しんでください。

飛鳥山モノレール

飛鳥山公園を一番奥まで行くと、渋沢史料館が見えてきます。

新しい1万円札の顔、渋沢栄一がこの地に住んでいたことを記念して建てられた施設で、史料館のほか、大正時代に建てられた小ぶりながらも豪華な建築物「晩香蘆(ばんこうろ)」と「青淵文庫(せいえんぶんこ)」が残っています。
 
 渋沢栄一は、日本統治時代の台湾に初めて株式会社の考え方を導入し、台湾銀行を株式会社の形式で設立しました。
また、台湾を運営していくための人材を育成する台湾協会学校(現在の拓殖大学)の設立委員にもなり、台湾を経済と人材の両方でサポートしました。
 
さらに、渋沢栄一と蒋介石が握手している写真が残っています。
 
蒋介石と握手している写真

 
場所は、渋沢栄一の住居跡の青淵文庫です。
蒋介石は渋沢栄一を尊敬しており、国家運営のアドバイスを受けるために渋沢栄一を訪問しました。そのときに握手した写真です。

青淵文庫 ここで渋沢栄一と蒋介石が握手しました

台北の中正紀念堂に行く機会があったら、新しい1万円札を出して「蒋介石に尊敬され一緒に握手した人」であることを思い出してください。
台北旅行がさらに充実したものになると思います。
 
青淵文庫は、中に入るとあまりの豪華な応接室に言葉を失ってしまいます。渋沢史料館の入館券があれば中も見学できるので、ぜひ入ってみてください。

青淵文庫の内部

今回の東京で体験する台湾ツアーはこれで終了です。
東京には台湾を体験できる場所がまだたくさんあるので、別の機会にご紹介したいと思います。
 
 
<参考にした資料など>
コーヒーの歴史~日本で初めての喫茶店「可否茶館」
日本中国友好協会 孫文の革命事業に殉じた日本人
飛鳥山モノレール
公益財団法人渋沢栄一記念財団
渋沢栄一 台湾協会学校設立委員(拓殖大学ホームページ)
東洋経済ONLINE 飛鳥山公園に今も残る渋沢栄一ゆかりの名建築
・民視台湾台
  渋沢栄一と台湾公司制度の設立 (中国語)


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