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第61話「別れは白いハンカチで」ジーパン青春純情編その3 ☪️第三ステージ。もう一つのあの名楽曲が流れ来る。

蘊蓄話マカロニ時代。
ここに少し戻ります。

72-73マカロニ青春偶像編 五編(5/5)
第50話「俺の故郷は東京だ!」
⭐️追悼坂口良子2013.3.27没⭐️

第50話の後半部で、
あの名曲が太陽!で初演奏、初披露された。


〜これは、マカロニが、
必ず来る殺人容疑をかけられたアコ(坂口良子)を
待つフェリー。
「ぶーげんびりあ号」の待合室にて。
ここで、初演奏、初披露。

そして、ここから3ヶ月後、
ジーパン時代の61話。
この回でも、再度 間奏されました。

元歌はロシア民謡
【和訳付き】コサックの子守唄(ロシア民謡)"Казачья колыбельная песня" - カタカナルビ付き

元歌は4分33秒


太陽!で使用されたのは、こちら。
上記の第50話の後半部 及び
この第61話の後半部。コマーシャル後すぐの
プラネタリウムのシーンにて。


また、もう一回あります。

第111話。ジーパン時代最終話。
これが、太陽!初の殉職編となる。

◆マカロニは殉職ではない。
通り掛かりの暴漢に財布を奪る為に
刺されてしまったのだ。
警察官の仕事とは全く関係ない。
だから殉職には全く当たらない。
謂わば強盗殺人の犠牲者だ。

岡田プロデューサーは殉職だと、
1973年当時、
方々で話をしているが、そうではない。
ジーパンが初の殉職です。
相田実の生命を扶けるために
自ら犠牲になったんだから。

しかしボス、制作側の温情で
殉職扱いになり、署長室に遺影が
飾られてある。本来なら制服で写真を撮って
掲げられるのが通例だろうが。
ここはドラマだから。

よって、太陽!初の殉職から
今年で50周年です。2023年は。


大都会のむし暑い夕陽をバックに
純がシンコにプロポーズするシーン。
その直前に、いきなり誘った宝石店内で、
店内のBGMとして、
この曲がもう一度間奏されます。


ララバイ OF コサック ニニロッソ

Nini Rosso Russian folk songs 04 LULLABYE OF COSSACK
↓↓↓
動画では、画面は真っ黒になりますから、
楽曲のみお聴き下さい。

2分51秒


61話ストーリー後編。
ここに戻ります。

2回目コマーシャル明けの直ぐあと。

どこかのプラネタリウム。

鬼が一人で来るわけがない。
誰かとこっそり待ち合わせ、なんだろう。

「空いてます?」と房江。

「どうぞ」と鬼。
「すいません」

「探している星は見つかりましたか?」

「あと一息、、。
 惑星はハッキリしてきたんですけど、
 その惑星が果たしてどんな恒星の周りを
 周っているか、が問題なんです。」と房江。

「こっちは、その惑星に向けて
 ロケットをぶっ放したがっている
 連中を抑えるのに、苦労してますよ。」

「すいませーん。」

「しかし貴女も、充分気を付けて、、
 役に立たないと解ったら、
 自分の部下でも平気で殺す連中です。」

「解ってます、、。」

「うちの救援ロケットは
 いつでも発射出来る。
 何かあったら、直ぐ連絡下さい。」

「ありがとう。。でも
 うちにも、ロケットはありますから、、」


場面は変わり、
夜の港が映る。

井上堯之バンド♫
「青春のテーマ  -奔走- 」かな?

少し別バージョンが、
♫(叫べ!ジーパン) のライトバージョン。
「青春のテーマ  -激しく- 」

ストーリーで流れた曲は違いますので。
叫べ!ジーパンは、以下リンクから。

もう一つ

これも、番組内で初めて間奏された。

暗い雰囲気の「クラブBAR晩歌」。
ヒッピーを装う純がいた。

バーテンに対し、
「兄さん、この辺で、
 ヤク買ってくれるとこ、知らないか?」

「何ですって?」

「俺、外国をヒッピー旅行して、
 少しまとまったヤクがあんだ。
 安くしとくから、
 誰か買う奴知らねーか?」と。

そう言ってまたマッチでタバコに
火を点ける純。

「知りませんよー!そんなもの。」

「弱ったなあ?
 ヤクが売れないと
 この勘定も払えないんだけどねえー。」

◆このシーンの台詞は
後の大都会IIの徳吉。
探偵物語の工藤に
繋がる台詞の口調が、ここで現る。


店の外に放り投げられた純。

「今度来たら只じゃおかねーぞお!」

他の店、四軒回っても同様。

深夜近く。汽笛が鳴っている。

「おめーかあ?
 ヤクを売りたいって
 周回(まわ)ってるのは?」

「買ってくれるのか?」
「ブツ見せろ!?」

「今ここには無い。」


「なにーっ?」

「ブツは金が揃ってからだ。」

この台詞も、
この6年後、1979年8月25日封切公開。
映画「蘇える金狼」風。
筆者は、映画館で5回、TVで3回見てます。
あの風吹ジュンとのアレは、本物らしいとか。




「幾らだ?」
「5000万」
「ふざけやがってこの野郎!?」

「おいっ!」

7人のちんぴら輩が
純を襲い始める。

今は刑事ではなく、
手錠も手帳も、家に置いたまま。
ちんぴらヒッピーを装う純は、
流れに任せるしかない。

しかし、刑事のど根性が自然に
また突然に擡(もた)げてくる。


「大人しくしてりゃ
 いい気になりやがって。」と純。

「離してくれよー」

「それじゃお前んところの
 ボスんところに案内しろ!」

「ボスなんか居ねーよお?」


「ボスが居なきゃ、誰でもいい。
 金を出してくれるとこだ!。」


場面は変わり、

第二ステージで出てきた
港を望む小高い庭園に。

「仕事の話とかより、
 お聞きしたい事があるんです。」

「どうして松山さんを
 殺したんですか?
 あたしたちを引き合わして下さった人
 だったのに。」と房江。

◆ここは、殺人の自白をさせたのも同然。
しかし、房江は警察官でなく、
当然警察権力も行使できないから、
逮捕権もない。目的は他にある。

「引き合わせる事で、
 用は済んだんです。」

「じゃあ土田さんと菊池さんは?
 貴方の部下だったんでしょ?」

「あの二人はね、
 警察を介入させるという
 重大なミスを犯したんでね。」

「あんたもミスをしないように、
 気を付けるんだね。」

「ところで品物はいつ手に入るんですか?」

「船は予定通りに入っていますから、
 いつでもお渡し出来ます。
 そちらのお金の方は?
 大丈夫ですのお?」

「ご心配なく。取引の時には
 我々のスポンサーが、自分で
 持ってきてくれる事になってますから。」

「会長、、」と土井。

部下が、ひそひそと
耳元で囁いてる。


「どうかなさったんですの?」

「港の事務所から電話でね、
 外国から持ち帰ったヤクを
 売りにきた奴がいるんですよ。」

「まああ!」

「ところがこういうのが、眉唾でねえ。
 うっかり乗ると麻薬捜査官だったり、ね。
 松山がマークされていたくらいだから、
 用心しないとね。

 ちょっと失礼を、、、」

井上堯之バンド♫
「危機のテーマ スローバージョン」

房江とは距離を置いて
遠ざかっている。

「おかしいぞ。」

「何が、です?」


「あの女だ。」


「あの女と会うようになってから、
 急にサツが動き出した。」

「じゃあ、ヤクを売りにきたのも、
 デカ?」

「その男、ここへ連れて来い!」
「ええっ?大丈夫ですか?」

「その男が捜査官で、
 あの女もそうだとしたら、
 きっと連絡を取り合おうとして、
 ボロをだす。」


クルマ後部座席に
乗せられ目隠しをされている純。

「おお。来たよーですな。」

「へええー。アンタが女ボス?」

知っているのに、
知らない振りをする純。

「ブツは何処にある?」

「3キロもあるからね。
 重いから持って来なかった。」

「サンプルもないのか?」

「サンプル?」
「ちょっと、、取ってくる、、」と


その振りをして、場を離れようとした時。
輩に後ろから攻撃される。

しかし、空手二段の純は即座に応戦。
一人はプールに投げ出される。


それを見た房江は、純に仮の攻撃を。

ここで、
瞬時に、純と目配せをする演技。
この時の松田優作の顔。
◆動画では素通りしてしまう。

序盤の羽田空港駅のシーンの再現だ。

「見事な腕前だな」

「護身用に習ったことがあるんです。」

吹っ飛ばされた純は、倒れた演技。
隠れて房江と目配せをする。

「本気でやったら、死んでしまいますわー」

井上堯之バンド♫
「仲間のテーマ バリエーション
 ジングル風タッチ」

「随分、手加減したんです。」

そして、気を失った振りをする純。


変わって場面は一係。

ジーパン席の外線が鳴る。

これを酒に弱い体育会系が取る。

「はい。一係です。
 はあ柴田はまだ来てませんが。
 、、、、、、

 お母さんさんですか?どうも。

 はあ??何ですって?」

電話口には、柴田たき。

心配して電話した母の声。

「いえ。えー昨日の夜から
 帰らないんです。警察手帳と手錠は
 置いたままなんで、仕事じゃないと
 思うんですが、、。」

「分かりました。連絡がつき次第
 お家の方に電話させます。
 ええ。ご心配なく、、。そいじゃあ。」

「ジーパン君、家に帰ってないんですか?」

と、33分15秒めで、この61話で
クミの2回目の台詞。

「手錠も警察手帳も置いたっきりって云うから
 プライベートにしけ込んだかな?」

◆しけ込むとは、第四ステージで
纏めて解説します。


「でも、一晩くらい家を空けたからって、
 お母さんがわざわざ電話してくるなんて、
 随分過保護ね。」

「いやいや。それが親心って云うもんですよ。
 君も自分の子供を持てば分かるよ。」
と野崎。

「あらーあーっ?あたしは、そんな
 ベタベタした感情を
 自分の子供に押し売りはしないわー。」

「じゃあ、コインロッカーに
 子供を放り込む口かな?」と殿下。

◆この時代1971-73年は、
産んでも育てられない母が、
赤ちゃんをコインロッカーに身捨てる事件が
多発していた頃だ。マカロニ時代から続いて
いた。臍の緒付きで、捨てていた。
こんな女は母ではない。

愛情もなく、肉欲で産んだ結晶を
簡単に捨てている。もはや人間ではない。
それこそ犬畜生以下である。



「まあー酷い。
 なんて事いうのおー!
 もう殿下には
 お茶、あげませんから!」
と殿下に出したお茶を取り
引き上げるクミ。
女性として、当たり前の感情を荒げるクミ。

◆クミが、一係の先輩を
「殿下」と渾名呼び捨てで
呼んだのは、このシーンが初めて。


「悪い悪い。今のは失言だよー。
 お茶ちょーだいよー。」と殿下。

ここで、名警部補のご出署。
「ヨーおっすっ!」

「おはようございます。」とゴリ。

「昨日の夜、ジーパンと
 一緒じゃなかったですか?」

「ウェー? いやあ?」と山村。

「おかしいな?」とゴリ。

「ジーパンが、どうかしたかい?」

「いやね、夕べから
 ジーパン。行方不明なんです。」と
ゴリはお茶を持ったまま、
笑い事のような素振り。

「な、何だってえ?!」と山村。

「いやあ?
 警察手帳も手錠も、
 家に置いたままだそーだ。」と野崎。

「あいつ!?
 まさか!?
 一人で青竜会に、、、?」と山勘が。

◆山勘とは、山村の勘。
しかも好きな競馬や麻雀で鍛えた、
相手の動向を鋭く捉えた本能的直感だ。
これは良く当たる。外れた事はない。
いずれ長さんの直感もあまり
外れなくなる。


ここで、鬼のご出署。

「おはようございます。」とゴリ。

「おーいよーす。」と皆。
「おはよーっす!」と殿下。
「おはようございます」とクミも。

「あ?ジーパンは?」と鬼。

「まだです。それで、
 今おふくろさんからも心配で
 今電話してきたんですが。」とゴリ。

「は?何か?」

「厚生省からの連絡で、
 夕べ青竜会の縄張りで、
 麻薬を売り歩いていたヒッピー風の
 若い男がいたそうだ。

 青竜会といざこざを起こして
 どっかに連れて行かれたそうだが、
 妙に気になってな。」

殿下とゴリは
心配そうな顔をする。
「ジーパンの野郎っ!?」と体育会系。

ゴリにとっても
死んだマカロニの次に
今一番可愛がっている後輩だから
心配で仕方がない。

「あいつならやりかねないぞー」と野崎。

「いかんなあ、そんなやり方じゃあ。

 デカだと宣伝しているような
 もんだあ!」と山村。

「兎に角、ジーパンを探し出すんだ!

 但し麻薬捜査とは別だ。
 そいつを忘れんな!」と鬼。


井上堯之バンド♫
「青春のテーマ M1」

青春のテーマM1 By 井上堯之バンド Cover
cos cosさん

全員の捜査活動に、このテーマが。

純だけのテーマでは無い事が
これで。分かりますね。

◆太陽!蘊蓄話では、
ジーパン刑事のテーマとは
一切、紹介しておりません。
あくまでも「青春のテーマ M1」です。

中でも青竜会事務所においての
ゴリの爆発シーン!

第57話「蒸発」にて撮影された七曲署内の
純の乱闘シーン。これを思い出す、
スモークガラスをぶち破る。
今回は七曲署の以前の暴力刑事ゴリ。
マカロニ、ジーパンの前にはゴリがそうだった。

「おーおい!知らねーとは言わせねーぞ。

 この男を何処へやったあ?
 ウォェー!っ」

◆純 (松田優作) の番組宣伝撮影用に撮った
スチール写真を見せる体育会系。
何で、ここで
内ポケットに入っているのか?
不思議ですねー。

ゴリに投げられたチンピラたちは
太陽にほえろ!初期のシリーズで
暴力団構成員を演じる準レギュラーばかり。


場面は、
厚生省麻薬取締本部。

ここを訪ねた山勘。

「責任を持てませんなあ、我々は。
 警察官の潜入捜査は禁じられている筈
 でしょうお!」と

所管の管理官は物申す。
演ずるは、番組準レギュラーの中島元。

「いやいやあー、誠にどおも、
 無茶な奴でしてねー。」と山村。

出されたお茶を、美味しそーに、
味わい深く飲んで、次の台詞。

「いやあー。
 中々いいお茶使ってますなあーこちら。
 うち(七曲署)の方は
 到底こーはいかない。」


🟢美味しいお茶と云えば、
筆者の生まれ故郷産。
「佐賀県の嬉野茶」が大変美味しい。

筆者は京都住まいですが、
まずい京都の宇治茶なんぞ、と比べても
美味しいのなんの。皆さんも試飲して
みてください。筆者推薦です。
◆筆者も佐賀のあるお店から直入してます。

つい先日、ローマ教皇にも佐賀県から
献上されたニュースをご覧になった読者も
いらっしゃると思いますが。
本当に美味しいんですよ。間違いなく。

2023.11.17佐賀新聞より。

ローマ教皇に
佐賀県嬉野市特産のうれしの茶を
贈呈する出発式がこのほど、
同市不動山地区で行われた。
茶生産者や地元住民ら35人に見送られ、
うれしの茶発祥の地から
バチカンに向け茶葉と茶器が運び出された。



贈呈する品は蒸し製玉緑茶と
釜炒(い)り茶、紅茶の3種類(各100グラム)
と肥前吉田焼の段重とポットのセット。
佐賀出身で煎茶の祖といわれる売茶翁が
茶道具の持ち運びに使ったと伝わる籠の
復元品に茶葉などを入れた。

◆ちょくちょくストーリーから
脱線するところが、この蘊蓄話の特徴です。
悪しからず。

※ 厚生省麻薬取締本部では、
どんなお茶を訪問客に出していたかな?


ストーリーへ。

「山村さーん!
 彼はねえ、うちの捜査官と同じ処に
 連れて行かれたんです!
 い、いいやあ!場所は言えませんが。」

「いやあー。場所は分かってるんですよ。
 彼の連絡でねえーえ。」

 ◆これは嘘です。相手を、此方の質問に
 引き寄せる山さんの巧い手法◆

「ただ救出するにしても、
 お宅との捜査との兼ね合いが
 ありますんでね、ひとつご相談に、、、」

「冗談じゃない!!
 パトカーなんかウロウロされたら、
 何もかも、ぶち壊しだ!

 いいですか!
 あの青竜山荘の辺りはね、
 滅多にクルマも通らない処なんですよ!」

ここで、山村の眼がギョロリと。
巧く乗ってくれた管理官。

流石は、仲間を救出するために、
「落としのテクニック」
これを逆手を使う山村。
このシーンは、山さんの真骨頂。


◆ここで、さらに
ちょいと時間を割きます。

何も聴いていないのに、
山村に何も言わせないで、
一人勝手に真実を口を滑らせてしまった
所管の管理官。
管理官の、警察よりも高いプライドの焦りが
自分で墓穴を掘ってしまう。
巧く相手にボロを出させるテクニック。

相手に巧く喋らせる。
しかもこの方法は、容疑者以外への
誘導尋問では、あまり見せない山村。

相手の話に乗り、受け流しているようで、
相手が知っている内容を、
山村は上手く、遜(へりくだ)りながら
相手の立場上の優越感を利用し、
いつの間にか、こちらの質問の真意に
引き込ませる。引き寄せるテクニック。

相手の心のうちに秘めた焦り。
仕事を巧く早く、
処理したい本能を表に出させて
逆手に取る事でそうさせる。
よって巧く、思い通りに事が運ぶ。


◆私たちの仕事でもそうですが、
一所懸命にやっている人ほど、
しかもプライドの高い人ほど、
つまらない小さな、見えない穴に
陥りやすいです◆

◆しかも相手が仕掛けた見えない罠に、
此方もまんまとハマり易いので、
こいつは、皆さんもご注意を◆

2023年岡田阪神の攻撃にも通ずる。また
2003年の星野阪神、下柳 剛投手の
ノラリクラリ投球法も同じく、これで
相手チームは飲み込まれてしまったように。

しかも原因は、
相手よりもプライドが高い自分
と思い込んでいる管理官の優越感。
そこから本音が漏れてくる。
君よりも私がこの事にはよく知っている、、、
と言いたくなる人間の本音と優越感。

🔴学歴、職階が高い人ほど、
それが顔と行動に出ます。
そこには自分の職位階を守りたいプライド。
これを傷つけられたくないと。

場合によれば、自滅に陥ります。
筆者も経験上、特にあまり他人と接していないと
この言動によって、
すぐにボロが出易いのです。


🟠山村を演じた露口茂氏も、
テレフィーチャー劇、刑事コロンボは
少なからず、芝居の参考にした、と
仰っていた書面を筆者は読みました。
1973-74年当時、刑事コロンボはNHKのみで
放送していました。

🟢コロンボ警部も、自分とは別世界。
普段知り合えない、世間では上位の人間達。
そういう相手に常に対峙。。
常に自分のプライドをひけらかす犯人。
この様な人生の成功者が、ドラマでは
犯罪、殺人を犯していますね。

だから
必ず、コロンボは初対面の折に
下から上を見上げる目線をし、
また必ず握手します。

ホシは奴に違いないと。
ピーターフォークは身長174センチくらい。
日本人としては背が高くても、
外国人としては背が低い。

筆者と変わりません。
露口さん、マカロニ、殿下とそう変わりません。
悪さした容疑者は、これで心理的に
初対面からたじろぐのです。
握った手の汗を感じ取っていたかも。
犯罪を犯した奴は必ず手汗を滲ませてます。
後ろ暗い、見えない証拠を残します。

第61話のこのシーンも、
相手は犯罪者ではないが、
腰を落とし、場合によれば顔を下げて、
見上げる相手の顔を
下からの見上げる、その目線には、
ついつい、たじろいてしまいます。


これが、このシーンです。
それを解って芝居している露口茂さんは
とても上手い演技力。

1972年。放送企画段階で、
太陽!の最後に決まったキャストが、
岡田プロデューサーの推しを受けた露口茂氏。
これで、この太陽にほえろ!は
永く続けられると、岡田さん。思ったそうです。
しかも、第一話から、殉職編まで
一度も予定された撮影スケジュールを
休まなかったという。
体育会系ゴリと共に。


こういった山村の表情は、
他の回には、太陽!の特徴で、
あまり出て来ませんから
第61話では、太陽!名シーンの一つです。
ジーパン時代ではあまり他にない。

まあ、これとは別に、
犯人を引っ掛け逮捕するシーンが。
もう二話あるかなあ?
ジーパン時代に。

◆過去にも、
相手を納得させようとして、
自分の身内に貶められた方もいます。

かつての、歴史上の実在人物。
あの片桐且元や福島正則のように。
しかし片桐且元は家康に保護されたが、
どうも自宅で自害したという記録が。
筆者も、現代に於いても
こういう事は、何度も体験済み。


ストーリーに戻ります。

「あの青竜山荘の辺りはね、
 滅多にクルマも通らない処なんですよ!」

純の監禁場所は、青竜山荘だと

解った山村は、そそくさと
「お邪魔しました。」と席を立つ。

管理官は、山村を追いかけて止めもせずに
不要な事を口走り、それで

己の不用意な発言が、
警察に知られてしまった!と
バツが悪い顔。

覆面車に戻り、

「そうです。沢井の青竜山荘です。」
と山村は鬼に報告。

「了解!全員出動させる。
 ご苦労だった山さん。」
「では。」

運転している殿下は、


「しかし、驚きですねー。
 よく教えましたねー。場所を。」

「まあ、あとの風当たりが、
 思い遣られるがねー。」と
七曲署の和製コロンボ。


ここから残り放送時間は
あと丁度10分間。

港を眺めている房江。
「よーお、こんな処にいたんですか?」と沢井。

「そろそろブツを持ってきて貰いましょうか?」

「結構です。でもお金のほうは?、、」

「ああ、さっき我々のスポンサーから
 連絡がありましてな、
 金と一緒に、もうそろそろ着く頃です。」

「あのおう、、さっきの若い男は?
 どうなさるお積もり?」と房江。

「アイツのことは、こっちに
 任せて貰います。」

「分かりました。じゃあ」


井上堯之バンド♫
「場面変更ジングル ジーパン時代」

丘を下り、庭園に戻ろうとする房江。


自分から純を探してみようと試みる。

必ずここに居るはずだ、と。

納屋に入ってみると、
純が逆さまに、、なっていた。

案の定、両手両足は括られ、

さらに逆立ちしていた。

「何やってんのおー?」

「い、いやーあ、する事がないから、
 ヨガ体操を、、、。」

「呑気な人ねー。」

寄ってきて、縄を解く。

「クズクズしていたら危ないわよ。
 さあ早くー。逃げて、早く逃げて。」

「貴女が誤解されますよー。」

「だからあたしを殴って気絶させるのよ。
 右に出れば裏口から出れるわ!さあ。」

「貴女は?」
「あたしは残って取引をする、、、」

「俺は、あなたを、、」

「余計な事心配しなくていいのよー、っ!」
「早く行きなさいってばっ!」

「やっぱり貴女を置いて逃げる訳には
 いきません。貴女を助けに来たんだから。」


井上堯之バンド♫
「希望のテーマ」ピアノ&ギター

元現曲 希望のテーマ(M20 2)

「逃げるんなら、一緒に逃げます。」

「何を言ってるの?
 ここまで来て、今までの苦労を
 水の泡にする気なの?


 もう一息で、青竜会を牛耳る大ボスを
 捕まえる事が出来るのよ?

 麻薬を仕入れるのに4億の現金が出せる
 大物よー!さあ、
 あたしの言った通りにして!」

流石は、こんな台詞を
一気に喋ることが出来る美人女優は
現在でも他にいません。
居るかも知れないけど、あまり?
しかし筆者はもうTV見ないからなあ?

「解りました。」と
右手拳をつくり、房江の右頸(うなじ)を突く。

「うっ!」と気絶する房江。

その房江を、抱きかかえて、
地下室の入り口に向かう純。
階段を登っていく。

ここに、地下室の扉を開けて、
沢井の輩がブローニングを構えて
進行を塞ぐ。

場面は、また変わり、
青竜山荘に急ぐ、山村と殿下。

しかし直ぐに場面は、


また柱に括られた純を輩が、

「さっさと吐いたらどうだい?」

BGMはジーパン時代に
よく使われた曲。第111話でも使用。
逃亡した相田実の行き先を聞き込み中の
豪邸で間奏される。
曲名は解りまへん。あしからず。

「おめえ、何もんだい?」
「俺はヤクを買ってもらいに来ただけさ。」

「じゃあこの人と、何を話してたんだい?」
「彼女を何故殴ったあー?」

「さっきヤラレタからな。仕返しだよ。」

「土井。構わん。始末しなさい。」と沢井。

ブローニングを取り出す土井だが、
沢井は
「音がすると拙い。他の方法でやりなさい。」

するとナイフを右手に持ち、純に近づく。
「大人しくしてろよ?」

その時、房江は、ソファに座ったまま

このナイフを奪って
純の柱に投げつける。

「とうとうボロを出したな?」と沢井。

そして立ち上がり純の側に。

「そおよ。私は麻薬Gメンよ!
 もう諦めるのね。この周りはすっかり
 囲まれているわ。」と純の縄を切る房江。

「そうだろおーねえ。」

「そんなら、あんたがたに
 人質になってもらう。
 おーいっ!」

縄を解かれ、純は輩どもに応戦。
房江の身の安全の盾になる。

変わって覆面車は青竜山荘の近く。


麻薬取締本部の取締官が、
山村、殿下の進行を止める。

「急いでるんだ。通して下さい。」
「七曲署の方ですね。」

「あー。」と山村。

「我々は麻薬取締本部のものですが、
 邪魔をされたら困ります。
 お引き取り下さい。」

「そんな事言ってる場合じゃないんだよ。
 判らないのか?あんた方には。」

下も太陽!準レギュラーの捜査官役。

「兎に角、困るんです。
 屋敷の中の捜査官から合図がない限り
 我々は、、、」

その時拳銃の発射音が二発。

「殿下っ!」と

捜査官を振り切って、
クラウンを再発車させる殿下。
この時の殿下の左腕。
マニュアルトランスミッション。
ローギアにシフトアップ。
つまり覆面車クラウンはオートマチックでは
おまへんな。よく分かります。
◆テキサス➡︎ボン、スコッチ時代の
クラウンもMTでした。
第244話「すれ違った女」でも、
それは画面で確認可能です。

続いて覆面車セリカリフトバックも
三代目鼠色クラウンも。
後続して麻薬取締本部の捜査官を
振り切る。

「お、おーーいい。」

「もう覚悟しな?
 往生際が悪いぞ。」と土井。

発射した弾を交わし、
純の脚は輩どもに対戦し始める。

ブローニングをプールに落とし、
土井にキックし、プールへ落とされる。

房江も応戦。

純は他の輩どもとプールへ。


ここで、あと放送時間は
残り五分を切る。

純はジーンズ。
輩どもは背広で水の中。

プールから脱出した純。

ここに、野崎が駆けつける。

ゴリと殿下はプールから出ようとする輩に、

睨みを利かしゴリは笑い。

◆プールに飛び込み、犯人を逮捕した
七曲署新人刑事は、あとは髭ロッキーのみ。
この話から10年後。
第481話「闇の中の殺人者」がある。
少年辣韮(ラッキョウ)もロッキーを助けようと
飛び込みびしょ濡れ。
この話も、61話のオマージュかな?


そそくさと一人逃げる沢井の前に


歩いて立ちはだかる山村。

無言でその右手に手錠を。

鬼は、純と房江に近づく。
「二人とも無事だったか!?」

「はい。何とか。
 みんなこの人のお陰です。」


「どうも。」と鬼。

井上堯之バンド♫
「青春のテーマM2 -仲間-」かな?

無言で立ち去る房江。
「あ、あーあ」と

それを追おうとする純。
そして鬼はこれを止める。

「お前のお陰で、彼女の捜査は失敗した。
 一人にしといてやれ。」


また、さっきの丘にきた房江。

港が見える丘の遠くから、
此方を観ている視線を感じる房江。

その視線は謎の女。

◆台詞なしの恵美(フィーミー)。

望遠鏡でこちらを窺うが、
視線を外し、サングラスを掛けて

向こうの岸壁から去っていく。

房江は、影の黒幕組織の一味だった?と
推察するも、もうどうしようも無く。


数十分後か?

ジーンズを乾かして、中のTシャツを
脱いで上着だけの純が走り寄る。

プール隣りでは、麻薬捜査官たちが
話し込んでいる。

井上堯之バンド♫
「青春のテーマ -愛-」

◆これも、ジーパン刑事愛のテーマでは
おまへん。上記が正式な曲タイトル。

房江も着替えている。
◆何処で着替えたのだろうか、不思議◆
これで四回目の衣装変更の浜美枝。

さっきの丘を見つめる房江に、

「すいませんでした。
 ぶち壊してしまって。」と純。

「もういいの。チャンライの外交官を
 買収した黒幕は捕まえられなかったけど、
 日本を麻薬で汚されずに済んだんだから
 私の使命は(半分?)成功よ。」

◆ (半分?)この箇所の台詞が
聞き取れず。

「でも、半年を棒に振ったんでしょ。」

「半年なんて、すぐだわ、、」と笑顔で。

「あのお。こ、れ。」

「なあーに?」

「ハンカチです。貴女にいつかお借りした
 代わりです。」

「あーああ!?」

包みを開けてニッコリ。

「白いハンカチね。」とまたクスッと笑う。


「どうかしたんですか?」

「貴女からの贈り物に相応しいわ。」
「??、えー?」と純。

「あら?知らなかったのお?」

「白いハンカチは、ね。

 これでお別れと云うことなの。

 有難く頂いておくわ。」

立ち上がる房江。

右手を純の前に出し、求める握手。

◆一年前にも、マカロニと右手で握手。


「じゃあ。」

少し離れて、もう一度振り向く房江。

そしてまた右手で手を振って、

最後のサヨナラを。
◆これも第四話のマカロニと房江と同様。

※しかし、このプレゼントのハンカチは、
純が、何処で用意したのか?買ってきたか?
これも不思議も、不思議である。
そんな時間は無かった筈だ。
プールの中に落ちたんだから、
プールから上がってそのあとに
用意した筈だわな?


終盤の捜査一係。

静かに純が部屋に入ってくる。

「どしたあ?元気ないな?」と山村。

  「いええ」

「実地検証、終わったのか?」と野崎。

  「は、い。」

「彼女には会えたか?」と
新聞を読みながらの殿下。

  「はああ。」

※この時は、
純にひと言あってもよさそうだが、
何も言わない体育会系。
ジッと、若い後輩を見つめているだけ。

「おいジーパン!」と鬼。
電話を終えた部屋の責任者は、
「盗難車が見つかったー。すぐ行ってくれ!」

「は、い。」

ゆっくり部屋を出る純の「寂静(じゃくじょう)」

この後に。
すぐ後ダッシュで追う純の「激動」
この対比のラストシーン。


井上堯之バンド♫
「アクションのテーマM1」

「待てえーー!」

激走追跡のなか、

街中で、いずれトヨタ自動車と提携する、
いすゞ自動車の「ベレット2000GTR」が
画面に映る。通称「ベレG」である。

画面はホワイトボディ。

渋滞で止まってるベレGの横をすり抜ける純。

◆2021年3月25日に、
いすゞ自動車と日野自動車と併せ
トヨタは資本提携した三社。

ラストシーンは、

第20話「そして愛は終った」の
マカロニの疾走と酷似したラストシーン。

物語の登場人物との絡み。
その哀傷を払拭したいマカロニと同様に、
次への希望を追う純の疾走。

またこの回は、
柴田純は、勾引された後に、
即ち、青竜山荘に連れていかれてから、
タバコを一本も吸っていない事に
皆様、お気づきでしたでしょうか?
あのクラブカウンターで吸ったあと
吸っていないのです。


次の彼女の登場は、
これが村岡シリーズ3回目となる、
第137話「ありがとう、テキサス坊や」まで
ありません。

次の回も田波靖男が絡む脚本です。
この回では、鬼と同じく、
自分の部下を殉職させてしまった房江が
描かれる。涙ぐむ房江。
「藤堂さんの気持ちがやっと解った気がします」と。

次回の太陽!蘊蓄話は
第62話「プロフェッショナル」。
ジーパン時代初の殿下主演編。
言うなれば、
殿下窮地編73-74その①

です。この回の蘊蓄をお楽しみに。

また、61話での日本語講座その4も
併せて見て頂こうと思います。
第三ステージでも、かなりあります。
少し纏めてご覧下さい。

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