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「フォトグラメトリ」ってどんな技術?

「フォトグラメトリ」という技術をご存知でしょうか?
ゲーム業界などでよく使われている、3Dモデルを作成する技術です。
本記事では、太陽企画のtipに所属しており、「フォトグラメトリをやってみた!」という大西悟さんにお話しを伺い、「フォトグラメトリ」とはどんな技術で、どのようなことに活用できるのか、制作事例も交えて解説していきます。

▶フォトグラメトリとは?

まず、「フォトグラメトリ」とはどんな技術でしょうか?
簡単に言えば「物体や空間を様々な方向から撮影し、その写真データから3Dモデルを作成する技術」です。
フォトグラメトリは、ゲームや映画のCG制作、VRなどでよく使われている技術で、写真データから3Dモデルを作成できるのですが、「レーザースキャナー」を併用すると更に高精細なモデルを作ることができるそうです。

特徴は、ボタンひとつで高精細な3Dモデルを自動で作成できる、というくらいの手軽さです。
また、フォトグラメトリにはRealityCaptureなどの専用ソフトを使用しますが、計算に必要なPCは高速なCPUかつ、大容量なメモリーが必要になるようです。

それでは実際に、大西さんがフォトグラメトリで作った「軍艦島(端島)」の動画を見てみましょう。

▽フォトグラメトリについて「軍艦島」

次はモデル化された軍艦島を、Twinmotionというアプリでブラッシュアップした動画です。

▽フォトグラメトリ完成イメージ「雨の軍艦島」

▶作り方は?

では、実際にどのようにフォトグラメトリを使って3Dモデルを作成するか、「軍艦島」を事例に見ていきましょう。

まずは、被写体の写真と撮ることからスタートします。
この「軍艦島」に関しては、大西さんがドローンで撮影した動画から切り出した画像を使って作成されているのですが、その枚数はなんと、3,500枚余り!!
(因みにこれは当時のソフトの枚数制限で、実際に写真はもっとあるそうです。)

写真データから、3Dモデルを作成するためには、写真と写真の繋がりが重要になります。理想は、隣り合う写真同士の重なる領域が60%と言われています。
写真撮影には労力が必要になりますが、写真が撮れれば3Dモデルは完成したようなものです。

というのも、あとは撮影した写真データを専用ソフトに取り込んで待つのみ!
取り込むデータ量によって、生成までに時間を要しますが、作業自体はワンクリックで完了、というお手軽さです。
因みに、「軍艦島」の場合では、たった48時間の計算で 3Dモデルの生成できたそうです。

▶メリット・デメリットは?

「フォトグラメトリ」の1番のメリットは、特別の機材などを必要とせず、写真データと専用ソフトがあれば、3Dモデルが簡単に作れるところです。
写真も上記で説明したような撮影の仕方を気を付ければ、スマフォなどで撮影したデータでも可能です。

デメリット、というわけではないですが、「フォトグラメトリ」には弱点があります。それは<単色><ガラス><反射物>です。
被写体がこれらの敵3兄弟の場合、3Dモデルが上手く生成されません。

▶どんなことに活用できるの?

被写体を撮影するだけで、3Dモデルが簡単に作成できる「フォトグラメトリ」を使用すると、さまざまな事に活用できます。

ライブコマース、観光誘致、xR教育、展示イベントなど。
また、VRChat等のVRプラットフォームを利用すると、そこでバーチャル観光ツアーなどができそうですね。

今年の3月に国の「登録有形文化財」となった、神戸にある「廃墟の女王」とも呼ばれている「摩耶観光ホテル」も、大西さんがフォトグラメトリ化していますのでご覧ください。

▽「摩耶観光ホテル」 フォトグラメトリ解説

▽「摩耶観光ホテル」フォトグラメトリ

いかがでしたでしょうか?
「フォトグラメトリ」の世界が、少し垣間見られましたでしょうか?


この「フォトグラメトリ」を活用したデジタルアーカイブコンテンツ事例の記事も掲載しましたので、合わせてご覧いただければと思います。


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