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素晴らしき人生

少し前まではとても辛かった。

辛くて、辛くて、いつも逃げ出したいと思っていた。
当然、逃げ出すわけにはいかず、立ち向かう日々。負けっぱなしの日々。
自分が摩耗していく。エネルギーを吸い取られていく。

でも、思い起こせばあの場所で、僕は確かに笑っていた。
他愛無いことで。くだらないことで。

辛い辛いと思いながらも、僕は確かに笑えていた。
僕と縁あって知り合ってくれた、たくさんの人たちの中、
確かに笑えていた。
じゃれ合うように。寄り添い合うように。

とても甘くて、
少しだけほろ苦く、
思い出せば胸を締め付けられる。
僕はあらゆるものから愛されていたんだな。

死の間際、僕は思うだろう。
なんと素晴らしき人生。

とても甘くて、
少しだけほろ苦い、
胸を締め付けられるような、あの、
楽しかった日々を。



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