見出し画像

ルーカス・ダウサー(ドイツ)の平行棒/2021年ドイツ選手権の演技

ドイツのエース、オールラウンダーで平行棒のスペシャリスト、ルーカス・ダウサーです。
ドイツ軍に所属しながら競技を続けています。
2019年に自国ドイツで開かれた世界選手権の種目別平行棒で決勝に進みますが、決勝でミスが出てメダル獲得はなりませんでした。
リオ五輪にも出場しており、東京オリンピックで2度目の出場になります。

前回、腕支持から【ディアミドフ】の動きをする【リチャード】という技を紹介しました。
ノーマルの【ディアミドフ】、車輪からの《車輪ディアミドフ》、腕支持からの《アームディアミドフ》である【リチャード】と、ディアミドフの動きは応用ができます。

そして《車輪ディアミドフ》の次に《車輪マクーツ》【バウマン】という技も紹介しました。
つまり、【ディアミドフ】ができるという事は【マクーツ】もできるという事です。
という事で、今回紹介するのは腕支持から【マクーツ】の動きをする【ツォラキディス】という技を紹介します。

腕支持から振り上げてマクーツの動きをする【ツォラキディス】
その内容は「前振り上がり片腕支持3/4ひねり、軸手を変えて片腕支持3/4ひねり支持」というもの。
【マクーツ】は「前振り片腕支持3/4ひねり、軸手を変えて片腕支持3/4ひねり支持」なので、「前振り」が「前振り上がり」に変わっただけですね。
技の導入部分が違うだけです。

【マクーツ】はこの技でしたね。

マクーツ

【ツォラキディス】はこういう技です。

ツォラキディス

ツォラキディスの方は腕支持から始まっているのがわかります。
導入部分が違うだけにもかかわらず、ノーマルなE難度の【マクーツ】よりも難度は2段階上がって、【ツォラキディス】はG難度になります。

この技は本家本元、ギリシャのツォラキディス選手しか実施されていなかったのですが、最近では少しばかり実施する選手が増えてきている技です。
【マクーツ】が世界的に流行したことで、ほかの選手との差別化を図るスペシャリストに使われている印象です。

ダウサーもそのスペシャリストの1人。

ダウサーの演技は、ディアミドフ・ヒーリー系の技を多用する演技。
彼の強みが良くわかる演技構成になっています。

画像3

ダウサーは同じドイツのマルセル・ニューエンを憧れの選手として挙げています。
ニューエンはロンドンオリンピックの個人総合と種目別平行棒で銀メダルを獲得した選手。
同じく平行棒を得意とするダウサーもニューエンの後に続くべく、平行棒でのメダル獲得を目指します。


追記:ダウサーは、ドイツの団体だけでなく、個人総合、そして種目別平行棒でも決勝に進出しました。
平行棒は15.300を取った橋本大輝選手が予選落ちするというレベルの高さの中で2位通過という大健闘です。
ドイツチームでもっともメダルに近い選手です。
決勝でも楽しませてくれそうです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?