帝京・前田三夫監督最後の試合

夏の甲子園決勝の日の朝。思ってもみないニュースが飛び込んできました。帝京・前田三夫監督が勇退というニュースです。実は、夏の東東京大会準決勝を観に行っていました。試合後の囲み取材にも参加しました。そのときの前田監督の表情を見たり、話しぶりを聞いたりした限りでは、辞めるという様子はなかった(というか感じられなかった)ので、びっくりしましたね。結果的に、前田監督のラストゲームとなった二松学舎大付属戦。試合後の前田監督のコメントを紹介したいと思います。


第103回選手権 東東京準決勝
二松学舎大付 000 040 000 4
帝    京 100 000 001 2
(二)布施、秋山―鎌田
(帝)高橋蒼、安川、新垣―本村
三塁打 大塚(帝)
二塁打 浅野、瀬谷、鎌田(二)小島(帝)

――1対0とリードした5回表に一挙4失点。無死二塁から秋山にライトフェンス直撃のタイムリーで追いつかれました。

高橋蒼人(背番号18の1年生が先発)は結構ボールが走ってた。秋山くんに打たれたところはね、変化球が高めで真ん中にいってたから、キャッチャーには「変化球は使うな」と。「直球が走ってたからもっと直球で攻めろ」と言ったんだよ。あそこで変化球使ったでしょ(高めに浮いた変化球を打たれる)。あれはちょっと悔い残るな。もう思い切ってインコース行って欲しかった。彼の変化球はやっぱり遅いですよ。

(秋山が安打のあと、1番の永見に四球を与えて無死一、二塁。2番・親富祖は三塁前に送りバント。投手、三塁手ともに出てくるのが遅れて内野安打になる)
それとランナー一、二塁のケースで1年生ですからしょうがないですけど、ピッチャーがサード殺し行かなかった。あれを生かしたのは大きい。悔い残るね。何回も何回も一、二塁のケースで三塁で殺す練習をしたんだけどね。やっぱり1年生ですね。

――今年のチームは秋は2回戦で小山台にコールド負け(0対10)。春も1回戦で日本学園に1対5で敗れてノーシードでした。

3年生はがんばりましたよ。(メンバーに)1年生が入ってきたけどね。チームらしくなってきましたよ。最後に粘りを見せてくれた姿はやっぱり感動しましたね。

――今年の3年生はどんな子が多かった?

一生懸命やる生徒が多かったんだね。勝負はそれだけじゃ勝てませんから。相手の研究をやらせたり、自分の欠点を見出したり。そういう様々なことをやった。そういうことをやってきてチームにしようと。そういうのを彼らはやったんでしょう。そういう中であっさり終わらなかった。辛抱するところは辛抱できるようになった。

――キャプテンの武藤くんの評価は?

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