同じ涙、違う涙。
先日、ハワイに出張があり、
久しぶりに飛行機に乗った。
映画館で観る映画も、
自宅で気軽に楽しむ映画もいいけれど、
飛行機で映画鑑賞に、
ワクワク感を募らせる人も多いだろう。
ハワイアン航空の機内の動画サービスは、
英語版が半分、
日本語版が半分というラインナップだった。
ハワイから日本への帰りの飛行機は約9時間。
途中、睡眠や食事をしたとしても、
3本くらい映画を観ることができる。
そんな中、懐かしいラインナップが目に入った。
「リトル・ダンサー」
炭鉱で働く父と兄がいる厳格な家庭に育ちながら、
ふと出会ったバレエに魅せられ、
バレリーナをめざす男の子の話だ。
いまでは随分LGBTについて寛容な世の中になりつつあるが、
「リトル・ダンサー」の中も、映画公開当時の世の中も、
「男のくせにバレエなんて」という時代であった。
飛行機の中で「リトル・ダンサー」鑑賞中に、
僕は二度、涙を流した。
そして、その時、この映画をはじめて観た時も、
同じところで泣いた記憶が蘇った。
「リトル・ダンサー」の公開は2000年。
約23年前だ。僕が20歳の頃。
43歳になった今も、20歳だったあの頃と、
同じ場面で涙が流れるんだな、と思った。
でも、きっと、
当時とは違う感情の涙なんだろうな、とも思った。
名作は色褪せない。
泣いたり、笑ったり……。
それが昔と同じ感情のままだったり、
違う気持ちを抱いていたり……。
むかし観た名作を、再鑑賞することは。
自分のこころの成長を、
再確認することなのかもしれない。
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