彫刻家 安田侃
パリ、シャンゼリゼ通り
両側にずらりと並んだ
現代彫刻作家の作品のなかで
安田侃の彫刻が
ひときわオーラを放っていた
道ゆくひとびとが
作品の窪みをのぞきこみ
吸いこまれていく
北イタリア
古代ローマ時代からの
石切り場カッラーラの大理石に
かのミケランジェロはノミを打ちこみ
とても大理石の塊から彫ったと思えない
キリストをいだく聖母マリア・ピエタを生んだ
安田も同じ産の純白な大理石をつかい
近くのピエトラサンタにアトリエを構える
安田は炭鉱の町・美唄で生まれ育った
炭鉱の閉山により学校の統廃合がすすみ
小学校跡地にある
「アルテピアッツァ美唄」
ここにも彼のアトリエがあり
大理石とブロンズの彫刻が
豊かな自然のあちこちに散在している
ここに足をはこぶと日々の喧騒をわすれ
自由に羽ばたける、こころ休まる空間なのだ
大理石の白がいつも光り輝いている
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