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浅草と僕、私 2

この家に越してきた日。ベランダから顔を覗かせたらスカイツリーが結構しっかり下から見えることが分かって、妻と二人で顔を覗かせた。結婚して半年、ようやく一緒に住むことが出来て、これから2人の新婚生活が始まるんだ、というワクワク感に包まれた気分だった。写真も撮ろうとしたけど落とすのが怖くて、ビクビクしながら撮影したのを覚えている。
以来、事ある毎にスカイツリーをベランダから見上げるようになった。
特に思い出深いのは例の感染症に罹患した時で、度々noteでも取り上げているように僕は毎日浅草の路地の写真を撮ってXに投稿している。その更新が途絶えてしまう危機に瀕し、その解決策が「ベランダから見えるスカイツリーの写真をアップする」だった。日によって照明の色が異なったり、画像編集ソフトで雰囲気を変えて1週間やり通した。あれだけ同じ画角からスカイツリーを撮るのもなかなかなかったので良い機会になった。
元々スカイツリーよりも東京タワーに憧れがあった。泉岳寺駅の周りをプラプラ歩いていた時にビルとビルの隙間から東京タワーが見えた時はドキッとしたし、浜松町あたりの東京タワーの景色は今でも心惹かれる。とはいえ、流石に毎日目に入ってくるもんだから、スカイツリーに愛着が湧いてしまったのだ。
曇りの日はスカイツリーが見えず、晴れだけど翌日雨が降る日はてっぺんだけ雲に隠れ、光が雲に乱反射して、良い感じになる。そんな感じで意外と表情が変わるスカイツリーは、単に無機質な塔である以上に日常に溶け込んでいた。
スカイツリーと言えば、僕は「スッツ」と略して呼ぶこともあって、周りからは「そんな略し方はしない」と突っ込まれることがある。
確かにそう。

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今日はここまで。

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