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娘のピアニカ

夜勤明け、朝の9時までの勤務予定が、取引先のトラブルに巻き込まれ
気付いたら時計は正午を指していた。

40にもなると、夜勤は身体に応える。
頭の中はいつまで経っても学生の頃のままなんだけど、体の老いは着実に進んでいるのを身を持って体感している。

疲れも1日寝ただけでは取れないし、たまに出来る顔のにきびもすこぶる
治りが遅い。

「いつまでも若くないんだぞっ」って昔可愛いアイドルが言っていたな。

「まさにその通りだな」と帰りの車中で1人でつぶやいてしまった。

家に帰ってからも仕事の電話やLINEが鳴りやまず。

ようやく対応が一通り終わり、ひと段落。
時計の短いのは「15」を指していた。

娘がもうすぐ小学校から帰ってくる時間だ。

風呂に入るのも後回しにし、顔を足を洗って寝巻きに着替えて布団にダイブ。

至福の時かと思えど、中々寝付けず。
普段活動している時間に寝るのって本当難しい。

目をつむるだけの時間を30分ほど過ごし、娘が帰ってきた。

娘は小学1年生。
ピアニカを持って帰ってきた。

「パパ、ピアニカひいたろか?なんの曲聞きたい?」と娘。

「ごめん、パパ夜中から今まで仕事で全然寝てないねん、少しだけ寝てもいい?」

「うん!いいよ」と娘。

続いて、布団に入っている私の横に本を持ってきて、「この中から聞きたい曲選んで」と。おいおい、パパの話を聞いていたか娘よ。

「パパが眠れるような曲弾いてあげるから、キラキラ星がいい?カッコウも引けるで?チャルメラは?」と怒涛の攻撃を仕掛けてくる娘。

眠気はマックスでも、そんな娘の行動がとてつもなく愛おしく思えてきた。

そこから約10分間、娘のピアニカ演奏会が続いた。

曲が1曲終わるたびに、「上手いな!」「すごい!」と一応感想を伝えていたが
気付いたら意識がなくなり、眠りについていた。

娘のピアニカが子守唄になったのか。

純粋な娘の言動や発言を聞いていると、本当心が癒される。

本当、娘って何者にも変え難い存在であり、常に自分を笑顔にしてくれる宝物だ。

もちろん、そんな娘をここまで育ててくれた嫁にも感謝だ。

結局、ピアニカを聴きながら寝た時間は約10分ほど。

でも、目覚めた時の気分は最高だった。

めっちゃ眠たかったけど、娘のピアニカは最高の癒しだった。

うん、どんな時でも娘がそばにいれば、とても幸せだ。

これで明日も頑張れる!

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