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ゴジラ怪獣ここが好き 機龍編その2

ゴジラ怪獣の好きなところを書いていくシリーズ。
今回紹介するのは、メカゴジラこと機龍。その二回目です。
どうぞご一読ください。

ちょうどいい設定の妙

アニメであれ実写作品であれ、マシーンが出てくるとどういう設定か気になるものですよね。

そうですよね。気にならないと言ったって強引に話進めますよ。

いろいろメカの設定はありますが、たとえば未来の技術で作られてるとか、未知のエネルギーで動くとか。
納得のいく設定がされているだけで、もうその作品世界に没入できます。

ちなみに、納得できることと現実的な設定かは別の話です。
別に動力が電力でも霊能力でも、そのお話のなかで納得できれば同じです。
実際、勇気や友情で形勢逆転したり、度胸で合体したりするロボもいますが、世界観や作風にあっているからいいのです。

前回デザインのカッコよさを紹介した機龍は、どちらかといえば現実的な設定で引き込ませるタイプのロボ。
しかしリアルな設定のなかに、絶妙な塩梅で創作物らしい無茶を放り込んでくれるうれしい仕様です。
では、その機体設定と各武装をみていきましょう。

機龍は、「特生自衛隊」という組織に所属するロボット兵器です。
特生自衛隊とはなんぞや、とお思いになるでしょうし、この架空の組織の設定もなかなかアツいのですが、この辺りは次回ストーリーに触れるなかでお話します。
自衛隊所属の機体ということで、正式名称は「MFS-3 三式機龍」となります。
三式とは2003年に完成したということで、90式戦車とかと同じ意味合い。
軍事に詳しくない僕でも、ギリギリ理解できる範疇のこういう細かなリアリティがいいですね。

身長は、対戦するゴジラよりちょっと大きい60メートル。
どうせ作るならゴジラの何倍も大きくすれば勝てるじゃん、となるところですが、この身長設定には理由があります。
機龍の身体を支えるメインフレームには、一作目の「ゴジラ」で倒された最初のゴジラの骨が使われているのです。
メカゴジラがなぜゴジラと似た見た目、同じくらいの大きさなのかという部分に、このような手法で説得力を示しているんですね。
ちなみに、ゴジラを徹底的に分析した宇宙人が、骨を使わずに作ったのがこちら。

メカゴジラ 予告切り抜き

ゴジラ(東宝特撮)チャンネル
「ゴジラ対メカゴジラ」 | 予告編 | ゴジラシリーズ 第14作目 より
https://youtu.be/8sb7e0iKqWI

やっぱり似せるなら基礎が大事だということがわかりますね。
まあ、この機体は本当に似せる気があったのか若干怪しいですが。
「ゴジラに似たロボ」というオーダーを受けて、「よし、指からミサイル発射!」となるのはおかしいですし。

機械と生物の融合

ともかく、この同族の骨を利用して対ゴジラ兵器を作る、というのがいいですね。
人間の業や利用される最初のゴジラの悲しみ、そういう重いテーマを設定でみせる奥ゆかしさ。
まあ、正直そのへんは二の次で、生物と機械が融合したロボってカッコいい!という気持ちのほうが強いですね。

今までのメカゴジラは、形がゴジラ風なだけの機械でした。
機龍は、骨だけとはいえ本当のゴジラが機械化されています。
これが、全然違うんです。
「ゴジラみたいな機械」ではなく「ゴジラが機械になった」のですからね。
それに、そういう生物的な部分が外からは見えていないのもポイントが高いんですよ。
内に秘めてる感じといいますか、なんか、そういうのがいいんですよねぇ。
なぜか、この手の話を僕がすると、皆一様にスマホが気になりだすのが不思議です。

さらに、機龍における生物的要素はもう一つ。
稼働を制御するのは通常のコンピューターではなく、「DNAコンピューター」という技術。
DNAコンピューター自体は架空のものではなく、実際に研究されているテクノロジーとのこと。
ま、一応調べたは調べたんですが僕にはチンプンカンプンでした。
「チンプンカンプン」なんて、今どき言わない言葉が脳からにじみ出るくらいには理解不能です。
なので、「生物のDNAを利用しためっちゃ処理速度の速い技術」くらいの認識で話していきます。
要するに機龍に搭載されているのは、ゴジラのDNAを利用したコンピューターということです。
外側のハードウェアの形がゴジラなのだから、ソフトの方もゴジラで作れば動かしやすいんでしょうか。
ゴジラはミサイル撃ったりはしたことないので、そういうわけでもないかもしれませんが。

このように、なぜ機龍がゴジラの形をしているか、しっかり裏付けしつつロマンのある設定になっています。

リアルとロマンの共演・機龍の搭載兵器

続いて武装ですが、機龍の装備はこれまでのメカゴジラにくらべてかなり現実的な範疇になっています。
両腕にはレールガン、背負ったバックパックには小型ミサイルとロケット弾。
指がミサイルだったり腹から熱線を発射するような、どこぞのメカ怪獣とはえらい違いです。
記事の題材としては、常識的すぎてツッコミどころが無いのに困りますね。

口内に装備したメーサー砲は、ゴジラ映画ではおなじみのもの。
地味に二連装になっていて、二門が共振することで威力が上がっています。
なぜ共振すると威力が上がるかはわかりませんが、なんとなく納得させられる設定です。
この映画の世界ではメーサー兵器が頻繁に運用されているようなので、それだけ技術開発も進んでいるのでしょう。
近接格闘武器として装備されたメーサーブレードも、こうした積み重ねの成果といえるかもしれません。

そんな、わりと現実的な兵器のなかで異彩を放つのが、胸部に装備された機龍の必殺兵器。
絶対零度砲、アブソリュート・ゼロです。
絶対零度の超低温光弾を発射し、着弾した物体を分子レベルで破壊する機龍の最終兵器。
稼働エネルギーの40%を消費する、ぶっ放し系切り札です。
これが、やっぱりカッコいいんですよ。

一撃必殺兵器なだけでなく、そのうえ冷凍兵器です。
多分、人類だれしもが同意するでしょうが、カッコいい武器といったら氷属性です。
普通の剣より氷の剣、魔法だったら氷魔法が一番カッコいいのです。
いや、やっぱり魔法は炎ですかね。
雷魔法もカッコいいし。
知的な風魔法も捨てがたい。

それはともかく、SF兵器としては極低温により分子レベルで破壊するというのが現実的な雰囲気でよいです。
名前も「絶対零度砲」。
カッコいい漢字がこんなに一つの単語に集まるという奇跡の言葉です。
そして、それに続いてカタカナで「アブソリュート・ゼロ」。
アブソリュートですよ。
この耳慣れない単語に心が躍ります。
創作イタリアンの店を自分が出店したら、意味もなく料理名につけたい単語です。
アブソリュートパスタとか。

とまあ、以上が機龍二部作の一作目での装備。
一作目終盤でアブソリュート・ゼロは破損します。
合わせて右腕も損傷、バックパックも戦闘中に廃棄。
二作目での装備はいくつかの改修点があるので、そちらも紹介します。

まず、アブソリュート・ゼロは修復不可能となったため別の兵器に換装されました。
三連ハイパーメーサーがその代替兵器です。
若干パワー不足感は否めませんが、代替兵器という位置づけを加味して考えると、結構渋い魅力のある武器ですね。

バックパックは前回同様ミサイルとロケット弾を装備。
前作での戦闘経験を活かした新機構を備えています。
この辺も次回、劇中の活躍と合わせてお話しますね。

そして、改修の目玉となるのが右腕の追加装備、スパイラルクロウ。
内部の骨ごと破壊された右腕は完全に機械化されましたが、さらに変形機構を備えています。
変形した右腕はドリルのような形状になり、高速回転でゴジラの皮膚を貫きます。
ここまで、怪獣映画とはいえかなりリアル寄りのロボットだった機龍。
その機龍の追加装備がドリルなのです。
しかも変形するとか、いつの時代のロボットアニメだ!というトンデモ要素。
しかし、それがカッコいいのです。
右手の指がシュイーンとまとまり、一気に腕が武器に変わる変形シークエンスのスタイリッシュ加減。
忍者の隠し武器みたいな魅力がありますね。

そんなロマン兵器スパイラルクロウですが、少し悲しさを感じる武器でもあります。
戦闘で破損するたび壊れた部分を機械化していけば、いずれ生物としての部分は無くなってしまいます。
近い将来機龍は完全な機械となり、生物としての意志は消えてしまうことを暗示しているのです。
機龍はやはり、悲しみを背負った怪獣なんですね。

さて、一通り機体の説明が終わったところで、次回は劇中での活躍のお話。
できるだけ短めにまとめられるようがんばります。

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