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《週刊セットプレー》vol.07

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Ⅰ.甲府の1点目(甲府vs千葉)

★試合データ

J2 第21節
2022年6月11日(土)
ヴァンフォーレ甲府 vs ジェフユナイテッド千葉
1 - 1
得点者:
22’  ブワニカ 啓太(千葉)
62’  須貝 英大(甲府)

★ゴール動画

★このセットプレーの配置

黒=甲府,白=千葉
※番号は背番号ではありません

★守備側の視点

11人全員での守備をしています。
”ゾーンを中心としたゾーンマンマーク併用の守備”をしています。
マンマークをしているのは、⑨(vs➒)と⑩(vs➑)の2人だと思われます。

★攻撃側の狙い

キッカーが助走に入る時には、➓はかなりボールに寄っていて、ボール付近に3人いるというあまり見かけない配置でした。

結果的にCKは➌が蹴り、アウトスイングのボールが中に送られました。
マンマークを受けていた➒が合わせてシュートはできませんでしたが、オフサイドにならない位置まで⓫が戻っていてゴールを決めました。

・このCK(攻)について

➓が寄ったことに寄り、ボール付近では3対1の圧倒的に有利な状況を作れました。そのため、ショートコーナーを使って、中のDFを釣り出すのも有効だと思いました。

1⃣ボール付近(赤丸)でボールを安全に持つ
2⃣DFを釣り出す(おそらく③か⑤)
3⃣守備陣は全体的にボール方向へ重心がかかる
4⃣空くであろう大外(水色丸)に走り込み、クロスを待つ

このような攻撃方法もあると思いました。

Ⅱ.琉球の1点目(琉球vs長崎)

★試合データ

J2 第21節
2022年6月11日(土)
FC琉球 vs V・ファーレン長崎
1 - 2
得点者:
32’  奥田 晃也(長崎)
58’  野田 隆之介(琉球)
90+2’   米田 隼也(長崎)

★ゴール動画

★このセットプレーの配置

黒=琉球,白=長崎
※番号は背番号ではありません

★守備側の視点

11人全員での守備をしています。
8人(②~⑨)が壁に入り、壁の下のコースを1人(⑩)がふさいでいます。
また、ゴール前にも1人(⑪)を配置しています。

★攻撃側の狙い

横に並んだ8人の壁は相当大きかったと思います。
その分、中では3対1という有利なシチュエーションを作れているので、中へのパスを選択しています。

ボールが➏→➓の移動をしている間に、GKはシュートに備えるためにポジションを変えます
その動きの逆方向へダイレクトでシュートを打つことにより、ゴールが決まりました。

・このFK(守)について

ペナルティエリア近辺のゴールが直接狙える位置からのFKを防ぐのはとても難しいと再認識しました。
その中で、具体的な改善策の一つとして、壁の人数を減らして中のフリーの選手を放置しないというのがあると思いました。

Ⅲ.いわきの2点目(讃岐vsいわき)

★試合データ

J3 第12節
2022年6月12日(日)
カマタマーレ讃岐 vs いわきFC
1 - 2
得点者:
33’  川﨑 一輝(讃岐)
48’  日高 大(いわき)
90+4’   有馬 幸太郎(いわき)

★ゴール動画

★このセットプレーの配置

白=いわき,黒=讃岐
※番号は背番号ではありません

★守備側の視点

10人がPA内に戻っての守備をしています。
”ゾーンを中心としたゾーンとマンマークの併用”をしています。
マンマークの守備は、➑(vs⑧)と➒(vs⑥)が行っています。

★攻撃側の狙い

ボール付近での2対1という状況を有効活用しています。

⑤から④へのショートパスで再開し、➓からのプレスを受けます。
⑤は④の後ろに走り込んで、④からのリターンパスをフリーで受けます
パスを受けた⑤にプレスが行けるDFは、➓or➐or➌or➋です。
➓はどうしても後手での対応となるためかなり遅れます。
➐or➌or➋は初期位置からかなり距離があるため、遅れての対応になっています。

結果的に⑤はトラップしてから狙いすましたクロスを上げ、ゴールに繋がりました。

・このCK(守)について

ショートコーナーの可能性がある位置に相手選手がいる場合、1人が牽制していても簡単に無効化されてしまいます
このシーンでは、⓫はボール付近に寄った位置にいるのが効果的だと思いました。

Ⅳ.相模原の1点目(今治vs相模原)

★試合データ

J2 第12節
2022年6月12日(日)
FC今治 vs SC相模原
1 - 3
得点者:
8’  千葉 寛汰(今治)
17’  加藤 拓己(相模原)
36’  加藤 拓己(相模原)
67’  佐相 壱明(相模原)

★ゴール動画

★このセットプレーの配置

白=相模原,黒=今治
※番号は背番号ではありません

★守備側の視点

10人の選手がPA内で守備をしています。
”マンマーク中心のゾーンマンマーク併用での守備”をしています。
ゾーンを守るのは2人(➋,➌)で、残りの選手はマンマークをしています。

★攻撃側の狙い

相手がマンマークでの守備を中心にすることを利用してゴールエリア付近に押し込み、ゴール前(上図水色丸内)にスペースを作っています。

そして作っていたスペースに大外から⑥が走り込みます。
⑥のマークをしている➒も追いますが、密集地帯を通る必要があり、簡単には追えない状況を作っています。

・このCK(攻)について

取り入れやすい攻め方だと思います。
フェイントをかけるなどでマンマークを外す方法もありますが、このように他選手を使ってマークをついてこさせない方法は大きく距離が取れるため、とても有効だと思いました。

おまけ

・AFC U23アジアカップ ウズベキスタン2022 グループD第3節
 日本 x タジキスタン

黒=日本,白=タジキスタン
※番号は背番号ではありません

ややファー寄りの位置で4人対4人の勝負となっています。
キッカーの助走に合わせて走り込む形をとっています。

➓は⑤に対して有利に走り込めています。
(結果的に倒されていますが…)

ややニア寄りにクロスが上がり、➐と➑は完全にマークが外れています。
結果的に➑→➐とパスを繋ぎ、ゴールが決まりました。


守備側の視点で見ると、
・PA内に戻る選手を増やす
・マンマークにはついていく
等の方法で防げる可能性が上がると思いました。

▪過去の記事はこちらから(vol.01~vol.06)

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