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《週刊セットプレー 2023》vol.19

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◆PA内でのヘディング”パス”

週刊セットプレーでは何度もコーナーキックでの「ニアそらし」を使って攻撃しているシーンを取り上げてきました。

ニアで触る選手はあくまで中央やファーサイドにいる”はず”の選手へのパスとしてニアでのヘディングを行っていました。

今回は、コーナーキックで蹴られたボールを、見えているフリーな選手にヘディングでパスをして生まれたゴールについて取り上げます。

このセットプレーの最初の配置はこちらです。

黒=清水,白=長崎
※番号は背番号ではありません

・守備

11人全員が戻っての守備をしています。
完全にゾーンでの守備をしているように見えます。
厳密にいうと、コーナーキックが蹴られるタイミングで走りこんできた攻撃側選手に体をぶつけに行くシーンもあって際どいのですが、最初の配置ではだれにもついていないので完全にゾーンと判断しました。

・攻撃

PA内に6人が入っての攻撃をしています。
ゴールエリア内ファーサイドに1人(⓫)とPKスポット付近に5人(➏∼➓)という最初の立ち位置を取っています。

蹴られるタイミングでPKスポット付近にいた4人はニア方向に走り出します。
この動きにより守備側の2人(⑨,⑪)をニア方向に寄せることに成功し、中央にスペースが生まれています。

PKスポット付近にスペースが生まれる

これによって生まれたPKスポット付近のスペースにボールが送られました。

星の位置にクロスが上がる

このクロスに対し、自身の持ち場を離れ、⑥・⑦は競りに行きます
ボールが流れてくる可能性も考慮し、⑧も前進して対応しようとします。(この時、ファーに➌がいるということも⑧が前に出る必要があるシチュエーションを作る要素になっています。)

ゴールエリア内ファーサイドを守っていた3選手をつり出し、⓫は完全にフリーになることができました。

プレッシャーは受けながらもやや優位な状態で競り、競り勝った➏はここでファーサイドでフリーの⓫へパスをします。

上の写真からもわかる通り、頭一つ出て競り勝っているため、シュートを狙っても入る可能性はあると思いますが、ゴールの可能性がより高い⓫へパスにして結果ゴールが決まりました。

コーナーキックのヘディングで味方選手へのパスを正確に行い、ゴールに繋がったシーンでした。

◆GK前にいると良い

上で取り上げた清水エスパルスのシーンは素晴らしいパスをしてゴールに繋がりました。

しかし、ヘディングのシーンでの最もシンプルな選択はシュートです。
ただ、距離が合ったり激しいマークを受けているとシュートスピードや軌道的にゴールの可能性が下がってしまいます。

そこでゴールにつなげるために取っておきたいポジションがGKの前です。

・ガイナーレ鳥取

ガイナーレ鳥取のこのゴールでは、競り勝ってゴール方向に飛んだボールをGK目前で牛ノ濵選手が軌道を変え、ゴールに繋がっています。

ヘディングのタイミングでGK前にフリーでいる

・大宮アルディージャ

マンマークを中心としたゾーンとマンマークの併用での守備をしている町田に対し、マークの必要なしと思われている位置から攻撃参加という戦術で崩しに行きました。

このスペースを狙っての攻撃

CKで上げられたボールと後方から走りこんだ茂木選手がドンピシャであっています。
ゴールまで距離はありますが、シュート以外の選択肢はほぼない状況かと思います。

このタイミングで注目をしてほしいのはゴール前の中野選手の動きです。
オフサイドにならないように気にしながら、シュートの軌道を作るようにDFに体をぶつけつつ、自身のプレーエリアの確保もしています。
(動画だとわかりやすいのでぜひご覧ください)

結果的に中野選手はトラップをしてからシュートをしてゴールが決まりました。

これもシュート位置とGKの間に立つことからうまれた素晴らしいゴールでした。



清水エスパルスのシーンでも同じで、GK前に1人いると、鈴木選手がシュートという選択をして、防がれそうな軌道になってしまってもゴールに繋がっていたかと思います。

◆過去記事

◆取り上げた試合のハイライト映像

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