作品を通じて、山や湖、森といった自然の優しさや力強さを感じてもらいたい、というコンセプトのもと作品づくりをしています。コンセプトの磨き込み、言語化が今も足りない感じがしているので、ふわっとしてますね😅

まだ見たことのない風景や、空想の中の自然ではなく、秋田県にある田沢湖や地元の田園風景、すぐ近くの緑生い茂る山々、澄み切った空といったような、もっと具体的なあの日見た風景をモチーフにしています。

もう10年近く前のこと。

当時、鬱になりあらゆる事に絶望していた自分が、身近な自然に心を癒やされ、回復するに至りました。

こういった情景をモチーフにしているのは、心を癒やしてくれた自然の豊かさや、優しさみたいなものを作品に込めて、たくさんの人に届けたいと思ったからです。

鬱になった経緯や症状などを深堀りすると、note で発信したいことの軸からぶれてしまうので、鬱になった詳しい経緯やその時の心境などそこそこに、ハンドメイドのコンセプトとして取り入れた経緯を書いていこうと思います。

自分の特性と鬱

以前、インスタグラムでレジンを始めたきっかけについて投稿しました。

その中でも触れているのですが、ADHD(注意欠如・多動症)とASD(自閉スペクトラム症)を併発している傾向があり、そうした特性と世間の常識・暗黙の了解との間での摩擦にかなり苦しんできました。

数年前に ADHD の診断を受けましたが、第三者から見れば ASD の傾向も見られるようで、その特性(こだわりが強い、過集中、対人関係が苦手)に当てはまっている部分も多くあります。

こうした特性と、低い自己評価、仕事でのストレス、常態化した終電帰りなどが影響して心身疲弊してしまい、社会人4年目のときに鬱を患います。

回復のきっかけ

1年くらいはほとんど寝ては起きてを繰り返す生活でした。起きていれば動悸や喉の強い違和感、焦燥感が付き纏うことが辛く、寝ていればリアルな悪夢にうなされていました。

回復の大きなきっかけになったのは農作業です。
田植えの準備をするくらいの時期（4月下旬から5月の上旬くらい）だったと思います。その日はよく晴れた風のある日でした。

これまで気にも留めていなかった、遠くの方に見える碧々とした森。

昔から何も変わっていない、名前もない、なんでもない森なんですが、木々が活き活きとしていて、風になびくたびに深い緑がざわめき、力強い生命力を感じました。
と同時に、雲一つない澄み切った青い空もまた綺麗で、草の香りがする風が清々しく、周りの風景が驚くほどに綺麗で、ただただ時間を忘れて眺めていました。

重苦しく感じていた不安や、胸のつっかえが和らぐような気がしました。

大げさかもしれませんが、子どもの頃から見ていたなんでもない風景が、生きる力を分けてくれたように思います。

作品で伝えたいこと

その後しばらくして、鬱は寛解したものの、無理をすると今でも寝込んでしまうことがあります。うまく付き合うのはなかなか難しいですね。

去年の11月に、自己紹介がわりに書いたこちらの記事で自分の好きなことを始めようと思い立ち、ウッドレジンを使ったテーブルや小物の製作をやっていきたいと思うようになりました。

作品のコンセプトとなる、自分だからこそ表現できること、伝えたいことはなんだろうかを考えたとき、真っ先に思い浮かんだのは、鬱が回復したきっかけとなるあの風景でした。

あの風景を見て感じたことは、自分以外には表現できないことですし、作品を通して感じたことを共有していきたいと思っています。

すぐには難しいかもしれませんが、作品を手に取ってもらったときに、あのとき感じた自然の美しさや力強さを少しでも感じてもらえるようになりたいです。

さいごに

作品づくりの根幹にある思いや大事にしたいことの背景を、これまで書いてきたことよりも少し詳しく語ってみました。
ちょっと重い話だったかもしれませんが、考えていること、自分の弱いところを伝えてみるのも大事なのかなと思っています。

あのとき感じた生命力や力強さ、優しさを作品でどう表現していくかは、今後長く向き合う課題だと思っています。
文章にしても作品づくりにしても、表現力が全く足りないので真摯に向き合い技術を高めていけたらと思っています。

これからも作品作りの様子や考えたことをどんどん投稿していくので、その様子を見守っていただけたら幸いです。

試行錯誤している様子やその他の記事は、こちらのマガジンからぜひご覧ください💁🏻