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スティーヴン・キング

スティーヴン・キングが、小説家デビュー50周年で、日本の出版で時間あいてたけど、また翻訳がちらほら出てくるみたいだから、本の虫になる予定。

一番好きなのは、ホラーより、クライムサスペンス。人間の狂気を読むこと。
ホラーは心霊現象に近いけど、クライムサスペンスはあくまで人間が歪んで間違うことが描かれてる。
キングの作品内容は、現実世界の日常からあまりかけ離れてないから、本当の意味で人間から派生する恐怖が味わえる。
闇があれば、光もある。キングはそれを対照的に描くことを自然にできる。その周囲についても。本当の救いがそれぞれにあるかどうかは別だけど。

人の抱える闇について、現実で考える機会はとても少ない。ほとんどない。
なんでかって言うと、そんなのフツー考えたくないから。
狂人のことを知ろうとして追いかけても胸糞悪くなるだけで楽しくないから。
そういった面で、キングの本は、おれに考える機会を、虚構の世界を用いて与えてくれる。

たとえば、わけわからんこと、フツーに生きてる上で人が理解に苦しむような行いで罪を問われた人のことを、見る人はその物事の表面に目を向けて評価する。物を言う。報道や誰かの解説で知った内容に沿って話したりする。
でも何かをやらかしたとされる人がそこに至る過程には、その人以外の何かが、存在が必ずある。そこに目を向けることは難しい。
異常者だって思われる人が、そうなった原因が、その人自身にあると思うことができれば楽だから。
裁判所では、社会的責任を果たせるだけの能力の有無について議論する。
たとえば、その人の思考や思想がそうなった背景に、その人の親が大きく影響してても、そこが表立って論じられることは少ない。

みんなそんな時間や余裕はない。
毎日、それぞれの日常で忙しい。
物事は簡潔で理解しやすい形であればあるほど好ましい。
人間は物事に合理性を見出したい。それができれば納得しやすい。納得できれば次のことに進める。誰も、自分とはそんなに関係ないし無駄だと感じる場所で立ち止まりたくはない。明るい面に目を向けて気分良く前に進みたい。そう思ってる。

それなのに、なんでおれはキングの本を読みたいって思ってるんだ??

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