見慣れた肌を一つ撫でてみた(9 Crimes)

見慣れた肌を一つ撫でてみた
確かに線路を敷くようにそっと
しかし、愛おしさを精一杯思い出しながら

触れられると同時に
思い出が溢れ出す
懐かしい香りを放ちながら

自分が自分を
こんなに温かく思うのは
初めてだ

人は僕をどう思うのだろう
僕は間違っていたかもしれない
きっと、あの信号で止まっていれば

触れられると確かに
擦り傷が喚き出す
ああ、してはいけない事だったね

自分で自分を
こんなに哀しく思うのは
初めてだ

腕に降りた霜に
幼さはむやみに足跡を残したものだ
この手は大きくなった
いろんな思いを溶かしてやれる
人は僕をどう思うのだろう
誰かの歩みを止めたかったのかもしれない
何かの定めを変えたいのかもしれない

青ざめた肌をもう一度撫でてみた
確かに重さを引きずった痕
でも野花の香りがするはずだ、思い出して

触れられると
思わず泣きたくなる
ここにはきっと、来るべきではなかったんだ

思い出が
枯れるのも知れずに
溢れ出す

自分が自分を
こんなに愛しく思うのは
初めてだ

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