16年前(Not the red baron)(途中)
16年前
何かに気づかせてくれるほどの時間
だけどそれが何なのかを掴めないほど遠く
何かに取り憑かれているような
後ろ髪を引っ張るその手
突き止めようとするほどに霞んでいき
言葉にしようとするほど指の間をすり抜けていく
ただ、見つめていればいい
そのままでいて欲しければ
栞(しおり)は空に舞い
頁(ページ)は弄ばれる
一時の風にさえ保つことができないもののことを
私は恋に落ちたかのように見つめようとしている
気にも留められない
髪の毛先の乱れさえ放っておいても平気と言わん