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鎌倉に似たエリアってタイにはない気がする

 先日、鎌倉に行ってきた。タイでたとえるとどのエリアになるだろう。海辺で、古都で、人気の観光地で。ベトナムならホイアンが感じとしては似ているのかなと思う。タイはアユタヤ、あるいはチェンマイのような気もするが、なんかしっくりこない。

 日本滞在中に鎌倉には行きたいと、数年前から思っていた。というのは、数年前に日本からタイへの帰国便で映画「海街diary」を観たからだ。なんの情報もなく、綾瀬はるかと長澤まさみが出ているから観ただけだったが、意外といい話で、その後電子書籍で原作マンガまで読んでしまった。ただ、それだけの理由で鎌倉に行きたいなと思っていた。

 そして、「鶴岡八幡宮」があるのも今回、必ず行こうと思ったきっかけだ。どうもボクは八幡神社系に縁があるようで、関東の八幡宮の中では行っておくべきと。

 でも、鎌倉を含めて、「こんなところだったっけ?」ということを強く感じた。

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 最後に鎌倉を観光として訪れたのは中2の遠足だった。ちょうど30年も前のことだ。高校でも遠足みたいなのが鎌倉だった。ボクが通ってた高校は制服も校則もない学校で、どんな行事においても整列や団体行動がなかったこともあって、各班が勝手に鎌倉に行き、チェックポイントみたいなところに担任がいて、挨拶してあとは自由行動という。だから、行かなかった。

 中2のときに行ったのは、さすがにそこまでは大型バスだったはずだけれども、どうやって各所を周ったのか憶えていない。大仏がどこにあったかも全然憶えていないし、鶴岡八幡宮のことも記憶にない。いや、おぼろに参道を歩いた記憶はあるのだけれど。よくありがちな、木刀とか安物のオイルライターとかを見ていた気がするのだ。

 そもそも、鎌倉の駅周辺もこんなにきれいだったかな。いい街で、住みたいなとは思うけれど、記憶と違いすぎてちょっと衝撃だった。

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 この参道。大仏のところと憶え違いをしているのか、あるいは中3の修学旅行で行った京都のどこかと間違えているのか。こういう感じのところ、そして下記画像の鳥居はなんか憶えているのに、全体が記憶とはほぼ違う。

 まあ、小学生のころに住んでいた場所に行っても、区画整理などで大きく変わっていて、記憶とは大きくかけ離れてしまったことを考えれば、30年前にちょっと行っただけの鎌倉が同じであること自体が変なのだが。

 ちなみに、自宅を4時半ごろに出ているので、境内を歩いたのも朝6時くらい。誰もいないから見えている風景が違うという可能性もあり。

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 早朝の神社は誰もいないので好きだ。写真もきれいに撮れるし、静かにゆっくり見ていられるので。

 この前北関東の神社から銅板を盗んでいた少年らが逮捕されたようだが、どうしてこんな場所でそんなことができるのか。でも、信じていない人にはなんでもないのだろうなとは思う。ボクも以前は神社や寺院は古いだけのものという感覚で、こういうところを観光することそのものを軽視していた。歳を取ると変わるのかな。

 敬虔な仏教徒が多いタイでだって、境内で詐欺だとか普通にあるしな。近年はタイの仏教も地に落ちていて、僧侶が寄付とか賽銭を強要したり、まあひどいもので。

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 鶴岡八幡宮は創建1063年ということで、歴史的にはまだ1000年経っていないのか。といっても、ほかの古いところと比較すると、であって、十分に古い。

 こういう「古い」にハマったきっかけはアンコールワットと浅草の居酒屋だ。アンコールワットはびしっと東西南北きれいにまっすぐになっていることに、大昔の人がこんなものを作れたのかという感動。

 浅草の居酒屋の話は、新聞社に勤める友人が連れていってくれた居酒屋が戦後からあるという店で、むちゃくちゃ狭くて、最終的にカウンターの人みんなで喋っているみたいな、昭和的な店だった。もつ煮が有名で、その銅鍋の由来をみんなが知っていて。店の歴史を肴に飲む、みたいな。バンコクにそういうのはない。職業柄かもしれないけど、出版社の人が連れて行ってくれる居酒屋はだいたいそういう店で、みんなそういった話を教えてくれる。そういうバンコクではできない飲み方に、「歴史っていいな」と。

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 そう考えると、神社は日本の古き良きを感じるには最適だ。美術知識や神道にもっと詳しい人ならもっと楽しいだろう。一応神道の外側の部分を、書籍などで読んでみているけど、今のところ、神様の名前が長すぎてついていけていない。

 タイはアユタヤとかチェンマイも古いけれど、歴史の関係上、寺院などは破壊されていたりするし、どれでもレンガを積み上げているだけのものに見えてしまう。だから、鎌倉、あるいは日本の神社とかと比較すると、日本は特にその歴史だとか美しさが際立っていると感じる。

 心霊の本を書いたということもあって、スピリチュアルなことを今後もっと調べたい。怪しい事象というよりは、タイにもあるアニミズムのように、「宿る神」みたいなものに今興味がある。そういう点でも神社は興味深い。

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 今はこういう時世なので、人が少ないだけでなく、神社の様子も通常時とは明らかに違う。だいたいどこも狛犬にマスクしている。賽銭箱の前にある鐘も撤去されていることがほとんど。手水舎も使用禁止か、柄杓が撤去されて、管から直接水を手に受けるところばかり。イベントも多くの神社が取りやめているみたいだ。

 できれば、通常時の方が望ましい。ずっと変わらないのが神社なので、たとえば一度撮った写真をずっとあとになってどこかに掲載するとかは可能だ。でも、去年今年の場合は特殊な環境なので、後年になると画像が使いづらいという、職業柄の現実問題がある。

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 せっかくなので、参拝のあとに海も見に行った。由比ガ浜。やっぱり日本の海はきれいだ。タイの海も南に行けばきれいだけど、でも「顔」がない気がする。プーケットもサムイも似たような海というか。日本は海岸によって海の姿が違う気がする。

 って、ホント、だんだん日本に順応し始めている。日本の居心地がよくなってしまい。

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